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耕不尽~はたらくということ~:『子ども』という役割

先回『介護と仕事』というタイトルで投稿しました。これが呼び水となったのか父が倒れ、短期間ですが介抱することになりました。倒れた後すぐに駆け付けてくれた妹から様態と救急を要請する旨の連絡を受け、急いで自宅に戻り準備をして3時間ほどかかる実家に向かいました。長く患っている泌尿器系の不調が原因のようでした。私が着いた時には病院での処置を終え妹夫婦の介抱により帰宅していました。身体的なダメージもあることから今後についてケアマネージャーさんに支援いただきレスパイト入院の手配までされていました。

入院までの数日間は介抱が必要でしたが、母は高齢で力も乏しく物忘れも進みつつあるので私が泊まり込んで対応することにしました。前年から会社勤めを辞め個人事業主となっていて仕事の融通が利かせられるのが幸いでした。しかし悪いことは重なるもので、ようやく入院の日を迎えたのですが入院のためのPCR検査で新型コロナウイルスの陽性反応が出てしまいました。療養期間中は入院することができず、さらに数日間の自宅待機が必要となりました。家族全員が相当落ち込みました。

結果的に10日ほど両親と共に過ごすこととなりました。この間、両親は何度も感謝の言葉を口にしました。父は厳しく強い人でしたので力なく「悪いな・・」と言われると寂しさや切なさを感じました。母は私の妻にも電話していて感謝と共に「会社を辞める時、受け入れてくれて本当にありがとう」と何度も言ったそうです。もちろん親の介護のためにキャリアチェンジしたわけではありませんが、いつか人生を振り返った時に良かったと思う理由の一つになるかも知れません。

18歳で家を出て以降これほど長い期間一緒に過ごしたことはありません。父の様態からすると自宅に戻ることはもうないかも知れません。そう思うと療養期間は神様が作ってくれた時間だったのかも知れません。キャリア研究の第一人者と言われるドナルド・E・スーパーは「キャリアは、人生のある年齢や場面のさまざまな役割の組み合わせである」と定義しました。この役割のひとつに『子ども』があります。50歳を過ぎ改めてその役割を実感することになりました。役割を果たせているかわかりませんが最後まで全うしたいと思います。

最後に医師、看護師はじめ病院、保健所、地域包括支援センターの方々、ケアマネージャーさんに感謝を述べたいと思います。父のみならず家族にも寄り添っていただき、丁寧に懸命にご対応いただき誠にありがとうございました。

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