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セドラチェク四重奏団(チェコ)ヴィオラ奏者による「4つのヴィオラのためのシャコンヌ」公開レッスン受講レポート
セドラチェク四重奏団のヴィオラ奏者であり、プラハ交響楽団員でもあるTomas Krejbich氏のレッスンを受講しましたので、レポートします。
2024年1月11日(木) 東京 カーサ・モーツァルトにて
講師:Tomas Krejbich
受講生:Va1 新巳喜男 Va2 米倉敦子 Va3 永田文子(以上APA会員) Va4 Tomas Krejbich
曲目:野平一郎編曲「4つのヴィオラのためのシャコンヌ」—— J.S.バッハの“無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番”BWV1004による
初めに、チューニングは弦1本ずつ、一人ずつしっかり行って(特にこの曲は)開放弦を多用することが大切です。
特に室内楽の場合は、時間がかかっても丁寧にチューニングを行うことが望ましいのです。
この曲は元々1本のヴァイオリンのために書かれたものなので、しっかり音程を合わせ、1人で弾いているように響かなくてはなりません。
好みでヴィブラートをかけてもいいのですが、4人で同じ種類のヴィブラートにする必要があります。
冒頭:1stはテンポを決める重要パートです。1stと2ndは正確にテンポを取ってから始めましょう。身体を動かし過ぎないように。
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ゆっくりの3/4でも“6つ取り”せず、3つでカウントする方が音楽的になります。
テーマの冒頭について、会場が響かない時は符点八分音符を長めに弾くとよいです。(譜例は3rd)
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25小節目~:音楽が止まらないように。弓の動きで音楽を“見せる”ように。
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33小節目~:1st、3rd、4thアウフタクトの音はパワーを持って、小節頭の音はソフトに。
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41小節目~:編曲者は一続きのメロディを4つのパートに分けているので、それぞれの十六分音符が途切れないようになめらかに演奏しましょう。
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77小節目~:2ndと4thのハーモニクスは一人で弾いているように。ハーモニ クスは駒の近くで弾くときれいに出ます。
1st 初めの音はG線の開放弦を響かせて少し長めに。
3rd ダウンで、3つの音はデクレッシェンド気味に。
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89小節目~:1stと2nd スラーを切って弓の同じ位置で弾く方がよい
(音程・イントネーション、ダイナミクスなどに気を配れる)
3rdと4th 少しトバシ気味に
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133小節目~:豊かな音で 楽器が増えてくるにつれて大きくならないように。全体として「p」を保って169小節までの長いクレッシェンド
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217小節目~:3rd pizz. バラライカのように、響きをよく聞くこと。 左手はしっかり押さえる。
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最後のG音 響きを大切に
最後に強調したい点はコミュニケーションです。
曲を部分的に暗譜してお互いを(実際に)見て演奏するといいでしょう。そうすると音楽の流れができてきます。互いを聴くことはもちろん、見ることも大切なのです。
室内楽ではみなさんの目を使ってください。もちろん、楽譜から目を離すとどこを弾いているか分からなくなる心配があるでしょう。でも、やってみる価値はあります。初めは1秒間、次は2秒間、と少しずつ長くしていけばそれほど難しいことではありません。
【講師プロフィール】
Tomas Krejbich(トーマシュ・クライビッチ)
元ヴァイオリニスト。ヴィオラ研究でプラハ舞台芸術アカデミー教授クラスに合格、2011年より活動を開始。デンマーク王立アカデミーに留学。2016年ウィーン楽友協会にてソロ演奏。
現在プラハ交響楽団ヴィオラ奏者・セドラチェク四重奏団メンバー。
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