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一級建築士製図試験を受けたはなし①

こんばんは、源です。今回は私の製図試験体験記です。製図の勉強期間に考えたこと、試したこと、失敗談を伝えることで皆さんの参考になればうれしいです。

私の製図試験は2回目に合格しました。学科に通った初年度は完全独学を貫き、撃沈しています。二年目は限界を感じて資格学校に通いました。

独学で挑戦した初年度

学科に合格した後、初めて製図試験を受ける時「3回あるチャンスのどこかで受かればいいな」と考えていました。機械工学を専攻だったので2級建築士での受験資格でした。ここまでは、お金を掛けずに資格を取得してきたので、今回もまずは独学でやってみようと決意しました。

今考えればとても安易で甘い考えですが、周囲に一級建築士試験に詳しい人がおらず、その無謀さに気がつくことはありませんでした。また、当時は仕事以外でインターネットを全く使用しませんでしたので、製図試験情報に触れることはありませんした。

学科試験の採点サービスを利用した資格学校からは勧誘はありましたが、初年度は独学で挑戦することを伝えて断りしました。インターネットを使用しなかったので、通信添削の存在も知らず、勉強方法としては市販の書籍を読むことしかありませんでした。

主に勉強したのは大手資格学校2社(日建学院、総合資格)の製図問題集です。現在は出版されていませんが、当時は総合資格も製図問題集を出版していました。2級建築士の受験経験はあれども、作図やエスキス手法は全く違うので、まずは作図やエスキスに関する本を何冊か読みました。

とにかく、エスキスは全く分からなかったので、理解するのにかなりの期間を要しました。エスキス専門の市販本を数冊読んで、なんとか自分なりの手順を作った記憶があります。

市販の製図問題集には、資格学校で前半に解く基本的な問題が4~5問封入されています。2冊こなしても、合計で10問程度です。同じ問題を何度も解き直し、作図も繰り返しました。試験までには50枚くらいの図面を書いたと思います。

今思い出してみると、問題集が出版されるのは学科合格発表に近い8月末か9月に入ってからだったと思います。周囲の受験生から遅れること一か月です。当時は、情報がないことから、自分のスタートが遅いことにも気づいていませんでした。

初年度の結果

初年度の結果はランクⅡでした。意外と健闘しましたね。実は私が受験した年は比較的難易度が低いと言われ、初年度でもなんとかなった年なのです。試験が終わった時には、図面を完成させたので、五分五分くらいの合格可能性を感じていました。

試験後に何の情報収集もしていなかったので自分の図面のミスには全く気が付いていませんでした。それゆえ、不合格と分かった時には少しがっかりしました。

少しがっかりだったのは、徹夜で現場の仕事をしていた時に、某資格学校の営業さんから電話が入り、発表日を忘れていた試験結果を聞いてもいないのに知らされました。あれ、もう少し配慮してほしいですね。あのパターンで申し込みを獲得できるのかな?不思議です。

試験結果の分析

後年、初年度を冷静に分析してみると、完全な情報不足です。製図試験を登山に例えるならば、登る山の全体像を把握し、かつ、自分の位置を把握しながら登る必要があります。しかし、何も考えずに前進すれば頂上に辿り着くと思い込んでいました

情報不足を最も痛感した部分は記述問題です。出版される本には記述に関する情報がほとんどありませんでした。何を書けばいいかわからないまま、模範解答例を覚えることくらいしかできず、中身を理解しない暗記だけの付け焼刃では対応できませんでした。

記述研究所の活動を始めた理由は、この時に感じた無力感から、世の中に記述対策情報を増やしたいと考えたためです。二年目に資格学校に通って一番感じたことは、記述情報が豊富にあるということをよく覚えています。

情報の取捨選択

私が初年度に気を付けていたことは、情報の取捨選択です。頼りの綱となるのは資格学校二社の問題集の模範解答だけです。しかし、解答は様々な部分の考え方で2社に違いがあり、どちらが正しいのか迷うことがよくありました。

その場合は自分が納得できるものだけ信じ、あとの情報は全て忘れるようにしました。さらに、現在はネットにあらゆる情報があふれているので、情報の整理整頓取捨選択は非常に重要です。人の記憶キャパシティーは限られていまうす。なんでもかんでも覚えるのではなく、不要だと感じたことはきれいに忘れるスキルも重要です。

独学を成功させるために

私の失敗から、独学を成功させるための条件を考えました。

情報収集を徹底する
情報の整理、取捨選択をする
周囲に適切なアドバイスがもらえる人を置く
予定管理を徹底する

以上が管理できれば、独学合格の可能性もあると思います。しかし、かなり厳しい道なので覚悟を持って挑戦してください。

ちなみに、独学を考えつつ資格学校へ相談に行くと鼻で笑われながら「絶対無理ですよ!」と言われることが多いですね。それくらいに対応されることは当たり前と思って行くと、精神衛生上良いかと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。次回、2年目について書きます。


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