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一級建築士製図試験を受けたはなし④

今回も前回に引き続き令和2年度に一緒に記述研究していたミドの体験談です。前回の記事はこちらです。

私は令和元年度の製図試験で角番合格しました。平成29・30年度の2回、不合格となっています。

今回は製図試験の経験を振り返って、当時、ミスしたことや苦労したこと、良かったこと等を記事にまとめます。私の失敗談が少しでも受験生のみなさんの参考になればと思います。
当ブログに参加しているミドです。私は令和元年度の製図試験で合格しましたが、過去、2回、不合格となっています。

番外編として、製図試験の経験を振り返って、当時、ミスしたことや苦労したこと、不安に思ったこと等を記事にまとめます。今回は前回の記事に続き2、3年目になります。

2年目は通信講座を受講

1年目の反省を活かして過去問を勉強することにしましたが、今年落ちてもまだ来年があるとの油断から、あまり勉強に身が入りませんでした。

5月のGW明け頃から、昨年度の資格学校資料の見直しをはじめました。久しぶりに図面を描こうとしましたが、描き方を忘れて描けなかったので、トイレ、階段、断面図等のパーツの練習をしました。

6月頃から本格的に勉強を開始し、週に1問程度のエスキスを解き、図面は2週間に1枚程度描いていました。

課題発表後は資格学校には通わず、有料の通信講座を受講することにしました。通信講座では添削を受けることも可能でしたが、面倒だったため課題を取り寄せのみにしました。

勉強を進めてみたところ、初年度の経験があったため、通信講座の課題を解いてわからないことをネットで調べるだけで、十分に課題に対する理解を深めることができました。

また、通信講座では課題に対する先生の解説をネットで視聴することが可能でした。他の受講生の描いた図面についての問題点や対処方法を動画で確認することができました。自分のペースで空いた時間に勉強することができたため、非常に助かりました。また、資格学校に通ったときよりも他の受講生の図面をしっかり見ることができたのが良かったです。

課題発表後から試験当日までの期間は、課題を何度も解くように心がけ、週に3問程度エスキスし、そのうち1枚については図面を描くようにしていました。記述については解答例を見てキーワードを暗記して覚えるようにしていました。文章を書くことはあまりしませんでした

2年目の試験当日

設計課題は「健康づくりのためのスポーツ施設」でした。エスキスは2時間でまとめられましたが、勉強不足のせいで図面と記述に時間がかかり、終了時間ギリギリまで図面を描くことになってしまいました。

試験会場から帰る道中で、見直しの時間を確保できなかったため、たくさんミスをしたことに気づき、肩を落としてとぼとぼ帰ったのを覚えています。

具体的には以下のミスをやらかしました。

面積計算ミス
作図の途中で一階機械室の床面積が不足していることに気づき、外壁を1m外側にずらしたが、2階と3階の外壁をずらすのを忘れた。(壁の位置がずれるという致命的ミス!)
機械室の床面積を修正後、床面積と建築面積の計算を修正するのを忘れてしまった。床面積、建築面積とも計算ミスとなった。
延焼ライン
南側に延焼ラインを記入し、開口部をすべて防火設備とした。(道路の向かい側が公園であったため、延焼ラインはありませんでした)
動線計画
建物の主出入口を南側の歩行者専用道路のみに計画。西側の桜並木、北側の駐車・駐輪場から主出入口までの利用者の動線が長くなってしまった。(歩行者専用道路をメイン通路と勘違いしてしまいました)
記述
記述については、キーワードは思い浮かぶものの、いざ文章を書こうとすると手が止まってしまい、時間がかかった。(1時間20分ぐらいかかった気がします)結果、十分な見直し時間をとれず、ミスを多発する結果となってしまった。

結果、初年度よりもランクを落としてランクⅢで不合格となりました。

2年目のまとめ(反省と考察)

2年目、通信講座を受講した経験についての反省、考察です。2年目は初年の経験があったため通信講座を受講することにした。通信講座は自分のペースで勉強することができ、資格学校に通ったときよりも他の受講生の図面をしっかりみることができたため、非常に有意義であった。(しかも、資格学校よりもかなり割安でした!)
ただし、通信講座(短期コース)では図面の描き方等の初歩的な説明はなかったため、初年度は図面の描き方を教えてもらうために資格学校に通うのもありかも。

ミスを多発したにもかかわらずランクⅢであった。致命的な法令違反がなければランクⅣにならないのかも。
エスキスばかりを勉強していたため、作図スピードが落ちたまま本番の試験に臨んでしまいました。作図スピードを落とさないように、毎週もっと図面を描くべきと反省します。
記述については、解答文を暗記するだけではなく、実際に問題を解いて文章を書くことが必要だと痛感しました。


3年目も2年目に引き続き通信講座を受講

3年目は絶対落ちる訳にはいかないプレッシャーがありましたので、2年目よりも気合を入れて勉強をするよう決意しました。ただし、決意したはいいものの、なかなか勉強に着手できず、結局、勉強に着手したのは5月のGWからでした。

まず、2年目同様に昨年度および一昨年度の資料の見直しとトイレ、階段、断面図等のパーツの練習をしました。3年目なので流石にパーツと図面の描き方はある程度覚えていたため、比較的早く思い出すことができました。過去の試験では、7×6、7×7等の基本スパンで解くことができなかったため、変則スパンの基本パーツを練習しました。

また、記述については、昨年度、文章を書けなかったことを反省し、過去問を解きながら、自分の文章で実際に記述する練習をしました。最初はなかなか文章を書けませんでしたが、何度も書いているうちに、だんだんとパターンをつかめるようになりました。パターンをつかんでからは早く文章を書けるようになりました。解いたことのある問題であれば、問題を見た瞬間に解答文を書けるようになりました。

5月から課題発表までは、過去の資料をベースに、週末の土日には、本番を意識してエスキスと図面を通しで描くようにしました。また、通勤時間中に記述問題のキーワードを覚えるようにし、職場の昼休み中には記述の練習や図面のパーツを描く練習をしました。

課題発表後は、2年目と同様に有料の通信講座を受講することにしました。通信講座では添削を受けることも可能でしたが、2年目と同様に課題を取り寄せのみにしました。(添削を受ければ自分の図面の欠点が分かったかもしれませんが、課題取り寄せコースでも他の受講生の図面の解説動画を見れたため、十分でした。)

試験当日までの期間は、土日はエスキス、図面、記述を通しで解くようにし、平日の夜にはできるだけエスキスを1問解くようにしました。また、平日の夜に通信講座の解説動画を見て、土日に描いた図面で良かったこと、悪かったことを確認するようにしました。

3年目の課題発表後から試験までの間は、人生で一番勉強した期間になりました。最初は通常よりも睡眠時間が削られて寝不足になったため、非常に辛い思いをしましたが、1ヶ月以上続けているとだんだん体が慣れてきて、最初ほど辛くはなくなりました。

仕事の同僚も製図試験を受けることを聞いたため、分からないことを同僚に質問して、疑問点を無くすように努めました。同僚も睡眠時間を削って勉強に励んでいましたので、辛いのは自分だけではないと分かり、勉強をするうえで励みになりました

試験当日を迎えるにあたり、今までで一番勉強して試験に臨みましたが、3年目になると一生試験に受からないのではないかと思うようになり、試験への自信は一番ありませんでした。試験に落ちたら学科からやり直しになるため、プレッシャーもすごかったです。

3年目の試験当日

設計課題は「美術館の分館(10月試験)」でした。縦長敷地と建蔽率60%でびっくりしましたが、建蔽率を意識しながら落ち着いてエスキスを進めることができました。

エスキスでは、多目的展示室、創作アトリエ、屋上庭園など床面積の大きな部屋を先に計画し、建蔽率と延床面積を意識しながら全体の計画をまとめるようにしました。昨年度、利用者の動線計画についてミスをしましたので、横断歩道や本館の出入り口を意識してエスキスを進めることができました。敷地の間口が狭く、トラックヤードの計画に苦労しましたが、1時間50分ぐらいでエスキスをまとめられました。

記述問題は、文章は比較的早くかけましたが、参考図を描くのに手間取り、結局、1時間10分程度かかりました。エスキスを早くまとめられたこともあり、作図時間を3時間30分確保することができました。

作図は変則スパンで計画したため少し描きづらかったですが、建物が小さかったため、2時間40分で最小限の図面を描くことができました。その後、20分かけて什器や補足説明を書き、残りの30分で全体の見直し作業をしました。

試験終了後には、以下のミスをしていることに気づきましたが、過去の試験のような致命的なミスがなく、少しほっとしました。

室計画
ホワイエを多目的展示室専用とし、他の展示室にはホワイエを計画しなかった。
道路切り開き
道路の切り開きについて、搬入用と利用者用に2か所設けた。(当時、ネット上で2以上の切り開きの計画が叩かれていました。)
管理動線
展示室倉庫への管理動線については、床面積の大きな室を優先し、一部の倉庫は管理動線を確保できなかった。
階段段数
階段の段数を間違えて計画した。

結果、例年よりは致命的なミスはなかったと思われ、なんとか合格することができました。

3年目のまとめ(反省と考察)

3年目は毎週図面を描くようにしたことで、本番でも作図に苦労がありませんでした。また、変則スパンの基本パーツの練習をしていたため、本番でも冷静に作図することができました。
エスキスは変則スパンの計画を前提としていたため、素早くまとめられることができました。
記述については、実際に問題を解いて自分の文章で書くように意識したことで、本番でもスムーズに文章が書けました。ただし、参考図については勉強不足であったため、作図に時間がかかったことが反省点です。
見直し時間を十分とれたことで、致命的なミスを防ぐことができました。
多少のミスをしたにもかかわらず合格できました。資格学校に通わず、通信講座のみであっても合格できたので経済的に助かりました。

作図能力を落とさないように継続練習
変則スパンの練習
記述は自分の文章を書いて練習
見直し時間を確保する時間配分

製図試験の勉強は非常に辛く、一生合格しないのではいかと不安になることもあると思います。諦めずに努力すれば合格できますので、体調管理に気を付けて頑張ってください。
ここまで記事に目を通していただき、ありがとうございました。

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