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一級建築士製図試験を受けたはなし②


こんばんは、源です。今回は私の製図試験体験記です。

私は製図試験を二度目に合格しました。初年度は完全に独学を貫きダメだったので、二年目は資格学校に通いました。前回の初年度についての記事はこちらをご覧ください。

製図試験の期間に考えたこと、試したこと、失敗談を伝えることで皆さんの参考になればうれしいです。今回は、製図試験の二年目について書きます。

初年度の反省から

初年度は、完全な情報不足で撃沈しました。2年目は情報を集めるため、資格学校に通いました。初年度の手応えとしては、完全独学ながら、まあまあでしたので、もう一年あれば合格できるという思いもありました。

なんせ、独学と通学では経済的に大きく違いますからね。結局は、受験を早く終わらせたいので、資格学校に通うことを選択しました。

資格学校へ通うメリット

学校に通ってよかったことは、他の受験生の図面を見ることができることです。製図試験は結局、相対評価による振り分けになるので、自分の位置を把握することは非常に重要です。正確に分析するためには、多くの受験生の図面を見ることがもっとも役立つので、資格学校は絶好の場所でした。

今はネットで他人の図面を見ることが可能です。この手軽さはとてもいいと思いますが、何事も百聞は一見に如かずなので、対面で話しながら図面を見るほうが情報量は多くなります。

A2サイズの図面を見る場合、パソコンの画面を通して見るのと、実際に見るのとでは大きな違いがあります。全体を見たり、詳細部分を確認する必要がある図面の確認では、パソコンの画面情報では限界があります。

以上から、資格学校で講師や受験生とやりとりしながら図面を見ることが最も価値があることだと感じました。

授業中にしていたこと

まず、私が学校でしたことは席取りです。教室最後方の端の席を常に確保しました。毎回の授業は、始めに軽い説明をした後に演習問題を解き、その時間中に講師が各生徒へ提出物返却します。最後方の席では話が全て聞こえますし、振り返れば図面も見ることができる特等席だったからです。

演習問題を解くことは二の次にして、講師が生徒に何を指摘しているのかをずっと聞いていました。学校では情報収集に徹することにして、問題を解くことは家で集中することにしていました。このようなことをしていた理由は、一発ランクⅣに値する致命的ミスをしないことが合格への近道と考えたので、講師の指導を隣で聞きながら、何がそれにあたるのかを研究していたからです。

模擬試験でやっていたこと

また、私が学校でしていたことはもう一つあります。それは、模擬試験の時に常にしていたことです。まず、これも席取りに関する話なのですが、出入り口に最も近い席をとることです。学校の模試は出入り自由だったので、人の出入りが多くありました。本番の緊張感とは程遠い模試において、できる限り条件の悪い状態を作り出して本番の環境に近づけたいと考えたからです。

人が出入りする時にはドアが開く音、空気の動き、足音など様々な外乱が発生するため、気が散らないようにする訓練としていました。結果、試験本番ではトイレに行くことなく、また用意したペットボトルのお茶を飲むこともなく6時間半集中し続けることができました。

さらに、時間的制約を設けることで、焦りを感じた時の対処法を養いました。具体的には、本番と同じ6時間半の模擬試験時間を自分で1時間削り、5時間半経ったところで終わるのです。これも本番との緊張度合いに差が出ると考え、リラックスした中では1時間早く終われる実力があるべきと考えたからです。結局、時間を削ることから焦りが起こり、大きなミスを何度もしました。

しかし、私は模試は点数の良しあしで一喜一憂するものではなく、模試で間違えることにより、本番で同じミスを防止できる素晴らしい機会と考えていました。模試では、一発アウトのミスを何種類もしたので、その都度、チェック方法を確立していきました。一通りのミスを犯してしまえば、本番では何も怖くなくなるのです。

これは学科試験にも同じことが言えますので、模試の結果は気にせず、復習をしっかりすることが重要だと考えます。とりわけ、学科は選択問題であるがゆえに、偶然当たってしまった問題が最も危険です。同じ問題でも、本番の緊張感では間違えてしまう可能性が高いからです。ぜひ、偶然当たった問題も必然に変えていけるようにしましょう。

フリーハンドへの変更

さらに、合格への自信を万全なものとするため、製図にかかる時間を徹底的に削りました。長い直線や柱形以外は全てフリーハンドにしました。どんな図面でも必ず2時間半以内に書ききれるように訓練しました。こうして、製図2時間半、記述1時間に完成できるようにすることを徹底しました。この二つは訓練で必ず達成できます。

エスキス用時間の確保

残り3時間ある中で、問題の読み取りとエスキスをすればいいのです。エスキス完了までを、最悪、3時間掛けたとしても図面を完了させることができる見通しがあれば、エスキスがまとまらなくてパニックになるような事態は発生しません。

実際は、遅くとも2時間半以内にまとまるため、30分以上の見直し時間を確保できるのです。この時間配分が心の余裕を生んで、ミスを犯しにくいようになると考えました。

以上のように、模試では徹底的に負荷をかけて本番に近い環境を再現できるように努め、時間配分に余裕を持たせることで、心の余裕を生み出すようにしていました。

まとめ

他人の図面、記述を多く見て、自分の立ち位置を確認するとともに、様々な情報収集をしましょう。ただし、情報収集の一環として、毎講義終了後終、講師と飲みに行っていたのはダメだったかもしれません。

いずれにしても、もっとも大事なことは、自分で考えた勉強方法とすることです。本で見たこと、人に言われたこと、ネットで仕入れたことをマネしていても合格は近付かないと思います。様々な情報を取捨選択し、自分だけの方法を早期に確立しましょう。

では、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。


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