一級建築士製図試験を受けたはなし③
今回は、令和2年度に一緒に記述研究していたミドの体験談です。
私は令和元年度の製図試験で角番合格しました。平成29・30年度の2回、不合格となっています。
今回は製図試験の経験を振り返って、当時、ミスしたことや苦労したこと、良かったこと等を記事にまとめます。私の失敗談が少しでも受験生のみなさんの参考になればと思います。
初年度(資格学校に通う)
学科試験の自己採点を終え、何とか合格ラインを超えたことは確認できましたが、製図試験のために何をしていいのか分かりませんでした。その後、ネットでいろいろ調べ、取り合えず資格学校の説明会に参加してみることにしました。説明会で製図試験を独学で合格することは難しいと説得され、あまり深く考えずに、比較的割安な学校に通うことを決めました。
私が通った学校では、始めの2週間は図面の書き方の基本的な講義がありました。製図用紙のグリッド線の使い方、仮線、柱型、開口部の表現、階段の書き方等をとても詳しく教えてもらえたので、製図に関して知識の無かった私にとっては非常に助かりました。(ただし、過年度生の方は手持ち無沙汰に見えました。後日、他の学校ではいきなり作図からスタートするところもあることを知り、驚いたものです。)
その後、およそ1週間に1~2問の問題が出題され、学校で1問、宿題で1問の問題を解いていました。私としては、宿題に追われることなく無理なく勉強できたため、消化不良にならずに済んでよかったです。(ただし、課題の途中でいきなり難易度が上がって苦戦することもありました。)
他の資格学校では倍以上の問題をこなしているようでしたが、講師からは必要最小限の問題を解けば大丈夫と教えられていたので、「他の学校の受験生は余計な勉強をたくさんして大変そうだなぁ」ぐらいの認識でいました。
また、試験当日を迎えるにあたり、講師から以下の考え方を念押しされました。図面と記述を書きあげて、大きなミスがなければランクⅡ以上になるため、半分以上は合格する試験である。冷静に試験に挑んで、普段どおりの実力が出せれば確実に合格できる。試験では、学校で教えてもらったことを忠実に実行するように。当日、いきなり普段と違うことをしようとすると、焦ってミスをしてしまうから絶対にしないように。
私は講師の説明を鵜呑みにして、「どんな問題が出題されたとしても、いつもどおりに落ち着いて問題を解けば大丈夫!」と根拠のない自信をもって試験に臨むことになりました。
試験当日の感想
試験当日、問題を見た瞬間、「ラッキー、簡単な問題だ」と思いましたが、大きなミスをやらかしてしまいました。
設計課題は「小規模なリゾートホテル」で、試験問題の特記事項には「全ての客室は、明峰や湖の眺望に配慮する。」とありましたが、私は全ての客室を明峰や湖に向けるのが難しかったため、エスキスをまとめることを優先し、北側の「樹林」に向けて客室を計画してしまったのです。(学校では「樹木」は景観が良好ではないが普通であるとの見解でしたので、問題ないだろうと判断してしまいました。)
その結果、根拠のない自信は打ち砕かれランクIIの不合格となりました。(当時、北側に客室を計画した受験生が多く、ネット上で「北客プラン」と呼ばれて話題になりました。北客プランの受験生は軒並み不合格となった模様です)
なお、北客プランは「ゾーニング足切り」で即ランクⅣとの噂でしたが、結果はランクⅡでしたので、レアケースなのか?と驚きました。
まとめ(反省と考察)
初年度、資格学校に通った経験についての反省、考察です。私が通った資格学校では作図の基礎から詳しく指導されたので、とても良い経験になりました。宿題量が少なかったたので、消化不良を起こすことなく勉強できました。半面、問題数が少ないため、他の学校よりも引き出しが少なく感じました。
少ない問題で合格するためには、しっかり問題をやり込み、かつ深く考えることが必要であったが、できていなかったようです。
学校の課題のみをこなせば大丈夫という講師の言葉を妄信していましたが、深く理解したうえでという条件がクリアされていないことに気が付いていませんでした。
実際、学校ではツリンコリダー型の建物しか出題されなかったため、L型の建物形状が思いつきませんでした。過去問にもしっかり目を通していれば、ツリンコリダー型に固執することなく、L型の建物を思いつくことができたはずと後悔しました。
北客プランで即ランクⅣと思っていましたが、結果は意外にもランクⅡでした。プランの書き込みはそこまでできなかったので、記述の得点によりランクⅡとなったかもと想像します。
1.ただ問題を解くのではなく、深く理解することで応用力を養う
2.過去問に目を通し、引き出しを増やしておく
3.記述の出来は救いになるかも
ここまで読んでいただ、ありがとうございました。2年目の体験については次回の記事に続きます。
こちらの体験談も参考にしてください。
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