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用紙サイズ?トンボ?入稿? 印刷物をつくるときに知っておきたい用語と注意点

こんにちは。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房です。
月1回、デザインについてのアレコレを、ビギナーさんにも分かりやすく解説したコラムを書いていますので、良かったら最後まで楽しんでいってくださいね。

★次回の更新は、2024年1月8日(月)を予定しています




前回、「急激に冬がやってきそうな気もする…(笑)」なんて書いていたら、本当に寒くなりましたね…!
今年も残すところあと1か月。御用納めに向けて、みなさん忙しくされているのではないでしょうか。

私も、年内に完了させないといけない仕事がいくつかあって、日々格闘中です。
みなさんの中にも、クリスマスに向けた売り出しや冬のイベント、新年の準備など、大詰めのお仕事をされている方がいらっしゃることと思います。

売り出しやイベントの告知などに欠かせないもののひとつが、デザインや印刷の発注。そう、私とあなたのお仕事は、こうして繋がっているのです…!
何度も発注作業をしていて慣れている方にとっては「いつも通り」の作業ですが、まだ慣れていない方は「むむ…?」と不思議に感じることも多いでしょう。

そんなわけで、今回は印刷物の発注に関わるビギナーさん向けに、印刷物やデザインの確認時によく使う用語・注意点などをまとめてみました!
ナゾやギモンが1つでも解消されるよう、お客さまからよく聞かれることや、私自身も「これってお客さまに分かりにくいかな?」と感じていることを中心にご紹介してきます。

用紙のサイズ

家庭や会社で使われることが多く馴染みがあるのはA4(210×297mm)の用紙ではないでしょうか。
他にも、A3、A5、A6などさまざまなサイズの用紙がありますが、それぞれの用紙のサイズって、なかなか覚えられないし想像がつきにくいですよね。
そんなときは、A4を基準に考えると、覚えやすいし想像しやすくなります!
手元にA4用紙があれば、繋げたり折ったりすれば実際のサイズを見ることもできますよ。

  • A3(A4の倍/297×420mm)

  • A4(210×297mm)

  • A5(A4の半分/148×210mm)

  • A6(A4の4分の1・A5の半分/105×148mm)


そのほか、私たちが馴染みのあるサイズは、

  • B4(新聞紙の半分・折込チラシなど/257×364mm)

  • B5(大学ノート/182×257mm)

  • 郵便ハガキ(一般的なもの/100mm×148mm)

  • 名刺(一般的なもの/55×91mm)

このようなものが挙げられます。


A4の「A」、B4の「B」って?

「用紙サイズの『A』や『B』って何?ややこしくて分かりにくい…」と感じるかもしれません。
これは、A判、B判という用紙の規格なんです。

A判は国際標準規格(ISO)であるのに対し、B判は日本独自の規格(JIS)で、かつて官公庁の書類はB判だった。日本でもA判が主流になる半面、A判だけでは使い勝手が悪く、伝統的なB判も混在することになったのだ。確かにA4と比べてA3では大きすぎ、A5では小さすぎる。それを補完するためにB判があるというわけだ。

コピー用紙の「A判」と「B判」の関係を表す方程式 | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/20005?page=1

この記事のとおり、A判とB判はお互い微妙に足りない・大きすぎる部分を補い合っているんですね。
由来が分かると納得しやすいな~と感じたので、少しご紹介してみました。


トンボ(トリムマーク)

印刷物の校正を見る機会がある方は、おそらく必ず目にしたことがあるであろう「トンボ」。
トリムマークとも呼ばれますが、これは「裁断後の仕上がりはここですよ」という目印です。
上の画像でいうと、赤い点線が「仕上がりライン」で、黄色の部分は「ヌリタシ(塗り足し)」と呼ばれる「裁断時に切り落とされる部分」。

家庭や会社などにある一般的なインクジェットプリンターは、実際の紙の大きさいっぱいまで印刷(フチなし印刷)することができるので、「ヌリタシって何のために必要なの?」と感じるかもしれません。
印刷会社で印刷するときには、実際のサイズより大きめに印刷してから、何枚・何百枚をまとめて裁断するため、裁断のズレが起きることがあります。裁断位置が少しズレてしまったときにも対応できるようにするため、3mmほど余分にデザインを作っておく(これがヌリタシ部分)必要があるのです。

※ポスターなどの大きなサイズの印刷物の場合は、お客さまにお見せするデザインデータ上にはトンボを載せていないこともありますが、印刷会社へ入稿する際にはトンボ・ヌリタシを付加しています。


校了/入稿

校了とは、「校正終了の略で、依頼者が原稿(デザイン)に問題がないと認めたこと」、入稿とは、「原稿(デザインデータ)を印刷会社に渡すこと」です。

デザインと印刷を別の会社で行っている場合は、依頼者とデザイナーがデザインを決め、校了になったデザインをデザイナーが印刷会社に渡して印刷してもらいます。
中には、印刷会社がデザインから印刷まですべてを請け負っている場合もあります。


その校了、ちょっと待って!最後にもう一度原稿チェック!

校了となるまでには、何度も加筆修正を行います。
どんなに気を付けていても、その過程でヌケている部分や誤字脱字、写真の差し替え忘れなどが発生する可能性があるのです。

印刷物が手元に届いてから「ここ間違ってる!!なんで!?」とならないように、校了の連絡を入れる前にもう一度原稿をチェックしておきましょう!これまでデザイナーと一緒に原稿を作り上げてきた方は見落としやすくなっている可能性があるので、できればその原稿制作に関わっていない人にも確認してもらうのが効果的です。
(デザイナー側もなるべく間違いが残らないよう注意していますが、同じ原稿を何度も触っているとどうしても間違いを見つけづらくなってしまうのです…。)

全部をきちんと確認することは大切なのですが、「ここだけは絶対に間違えられない!」というところを特に重点的に確認しておくと安心です。

1.連絡先の情報は間違っていないか

問い合わせ先や連絡先の情報が間違っていては、原稿の内容に興味を持ってくれたお客さまから問い合わせを受けることができなくなってしまいます。
絶対に間違えていないことを確かめましょう。

2.QRコードはちゃんと読み取れるか

見落としがちなのが、QRコード。
ちゃんと読み取れるか、自身のスマートフォンだけでなくそれ以外のデバイス(同僚や家族に協力してもらうなど)でも確認しておきましょう。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です

3.誤字脱字はないか

よくあるのが、「読みは同じだけど漢字と意味が違う」というパターンの誤字です。変換ミスでもあります。
私がデザイナーの立場で過去に発生させてしまった誤字は、「追及(正解は"追求")」「施行(正解は"施工")」「半年(正解は"半月")」などなど…。
戒めとしてここに残しておきます…。本当に申し訳ない限りです…。
これは、第三者に読んで確認してもらうのが一番確実にミスを減らせる部分です。ぜひ周りに協力してくれる人を見つけておきましょう。


プロが何人も関わって作られている新聞でさえも、誤字脱字は発生してしまうもの…。
ですが、せっかく費用をかけて作る印刷物ですから、制作者・依頼者・周りの人が一体となってミスを減らせる協力体制を作っていきましょう…!


まとめ

印刷物をつくるときに知っておきたい用語と注意点をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

最初は難しく感じても、何度かやっているうちに難しくなくなってくることばかりです。(校了・入稿時の確認は、何度やっても緊張感がありますが…)

今回ご紹介したのは、あくまで「これだけは知っておいた方がスムーズかな」と感じたものだけですので、深く知りたい方には下記のサイトがおすすめです!印刷会社さんが運営しているサイトで、初心者向けからマニア向けまでいろんな読み物が楽しめますよ。


さて、次回のコラムは2024年1月8日(月)更新予定です。
年が明けて、また皆さんとお会いできることを楽しみにしております!

それでは、次回もお楽しみに!
よいお年をお迎えください!




徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房
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