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伸びる! 「バルーンスライムのり」

スライム専用のりが付属している「バルーンスライムのりセット」
バルーンスライムのりで作ったスライムはとてもよく伸びるんです。

おもちゃ屋さんで購入することが出来ます。
Amazonや楽天市場でも販売されています(たまに千円を超える高額で売られているご注意下さい)。

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セットの中身はホウ砂水溶液と計量カップ、チャック付き袋、バルーンスライムのりです。作り方の説明書も入っています。

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計量カップで計ったバルーンスライムのりをチャック付き袋に入れます。そして、同じカップで計量したホウ砂水溶液を袋の中に入れて振り混ぜます。

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ゲル化してスライムが出来ました。

スライムを引き伸ばしてみると...

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伸びて薄いフィルム状になりました。
切れずによく伸びます。

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このくらい伸びがあると楽しいですね!

次に、ストローで膨らませてみます。

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上手く膨らみました。
少しだけ千切って、ストローの先端を覆うようにして付けるのがコツです。
ストローは吸い込み防止のために穴を開けておいて下さい(口に近い方)。

ここで、普通の洗濯のりを同じ方法で作って比較してみました(ホウ砂水溶液はセットに付属のものを使いました)。

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洗濯のりで作ると7割くらいがゲル化し、残りは水溶液のままでした(写真の紙コップに入れてます)。
更に、できたスライムは少し硬めで伸びは良くありませんでした。

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伸ばそうとすると直ぐに切れてしまいます。

おそらく、バルーンスライムのりに使われているPVA(ポリビニルアルコール)は、洗濯のりに使われているPVAよりも長い分子鎖のものと考えられます。
そのため、ホウ砂を使って分子鎖を橋掛けすると、以下の図のような差が生じると推測されます(水色は架橋点です)。

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分子鎖の長いバルーンスライムのりで作ったスライム(ゲル)はよく伸びますが、分子鎖の短いものだと伸びずにバラバラになります。

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PVA(ポリビニルアルコール)は図のような構造で、[ ]内の構造がn個つながっています。
「分子鎖が長い=nの数が多い」と言えます(例外もあります。)。

分子鎖の長さに大きな差があると、同じ物質でも全く違う性質を示すようになります
ただ、最初の水溶液の状態では、バルーンスライムのりと洗濯のりに大きな違いは見られませんでした。
しかし、同じ量のホウ砂水溶液でゲル化させると全く違うスライムになったため、水溶液の濃度が違うと考えられます。
バルーンスライムのりの方が低濃度の水溶液だったため、洗濯のりと似たような粘度になっていたと推測されます。

ちなみに、ホウ砂水溶液を倍の量入れると、バルーンスライムのりでも伸びにくくなりました
これは架橋剤(ホウ砂水溶液)を入れすぎたことで橋架け部位が増大し、ゲルの網目構造がガチガチに固定されたためですね。


伸びるスライムを作りたい方は是非試してみてください。
スライム好きにはたまらないですw

バルーンスライムのりは単品でも販売されています。
Amazonで購入する場合は送料含むと700円を超えるので、ホウ砂水溶液と計量カップの付属したセットがお勧めです(たまに700円くらいで購入できることがあります)。
*100円均一でも少量タイプが販売されています。安価な上に一回で使い切ることができるため、お勧めです。
同じメーカーのダイアックスさんが販売している物です。
類似品があるようなので、必ずパッケージ裏でメーカー名を確認して下さい(2019.12.9追記)。


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