見出し画像

グルテンとは?

日本は非科学的な情報が蔓延し易い国ですが、グルテンフリーはその一つです。
グルテンフリーとは、セリアック病患者のための食品です。
セリアック病とは、小麦などに含まれるグルテンに異常反応を示す遺伝性の疾患です。
この病気にかかる人は稀で、大多数の人には関係ありません
そして、病気でない人がグルテンを摂取しないことの効用は認められていません。
科学的根拠はないんです
グルテンフリーはそうでないものより高価なため、セリアック病でなければ手を出さず、他の事にお金を使って下さい。
ただ、グルテンフリーについては海外でも広まっているため、信じてしまう人が多いのも仕方ないでしょう。
こういうものは販売する側の思惑も絡んでいるため、盲目的に信じないよう気を付けて下さい。

グルテンとは、グルテニングリアジンという2つのタンパク質が吸水し、網目状になったものです。
小麦粉に水を加えて練ると、粘性と弾力が出るのはグルテンによるものです。
柔軟なゲルと言っても過言ではありません。

グルテンは生成後、しばらくすると柔らかくなります(=捏ねた生地を寝かせると柔らかくなる)。
タンパク質同士の絡み合いや結合が緩和されるからです。
つまり、弱い結合でできたネットワークなんです。
もし、強固に結合していたら、捏ねる途中で変形しなくなり、無理に力を加えると崩れます。

そして、小麦粉はタンパク質の含有量によって、薄力粉、中力粉、強力粉に分けられます。
これはご存じの方が多いと思います。
粘りが必要な用途では、タンパク質を多く含む強力粉が使われますよね。
グルテンがたくさん出来るため、粘りと弾力を出すことができます。

小麦粉を捏ねるときは、グルテンの網目構造が自在に変形しているのを想像してみたら楽しい(?)かもしれませんね。

読んでいただけるだけでも嬉しいです。もしご支援頂いた場合は、研究費に使わせて頂きます。