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スライムを乾燥させると?

洗濯のりとホウ砂で作るスライム、そして市販のスライム、乾燥させるとどうなるでしょう?
水に漬ければ元に戻るのでしょうか?

やってみましょう。

オレンジは市販されている玩具のスライム(グァーガム使用)、グリーンは洗濯のりとホウ砂で作ったスライムです。どちらも水を含んだハイドロゲルです。

乾燥させると、市販のグァーガムを使ったスライムは柔らかいフィルム状になりました。
洗濯のりのスライムは固いフィルムになりました。曲げても折れません。

水道水に漬けると、すぐに色が抜けてきました。

24時間後、グアーガムのスライム(オレンジ)は溶けてしまい、ドロドロになりました。
一方、洗濯のりで作った方(グリーン)は、乾燥したフィルムがそのまま水を吸収したゲル膜になりました。
引っ張っても簡単には切れません。丈夫です。

この違いはグァーガムとポリビニルアルコール(洗濯のり)の構造に原因があります。

ポリビニルアルコールは図のようにシンプルな構造で、真っ直ぐな直鎖状です。
一方、グアーガムは枝分かれした大きな側鎖があり、かさ高い構造です。

一度ゲル(スライム)を乾燥させると分子鎖は凝集します。
水を吸収して膨潤(ぼうじゅん)すると、乾燥前とは異なる状態になります。

直鎖状のポリビニルアルコールは、水酸基(OH)による水素結合部位が増え、規則正しい結晶構造を取ります。
一度乾燥して分子鎖どうしが集まったことで結晶領域が増えたんですね。
そのため、強いゲル膜になりました。

ところが、グァーガムはかさ高く、ポリビニルアルコールより複雑な構造のため、結晶構造は出来ません。
分子鎖による絡み合いも起き難い。

水をある程度吸収すると、水素結合でつながっていた分子鎖はバラけてしまい、元の網目構造を取れなくなります。
ゲルの状態でも柔らかく伸びやすかったのも納得できます。

もう一つ、天然樹脂で作られたという水晶スライムはどうでしょうか?

複数の色を組み合わせて遊んだものを使って検証しました。

乾燥すると固いフィルム状になりました。洗濯のりで作ったスライムよりも固いです。
曲げても折れませんが、強く押さないと曲がりません。

こちらも色が抜けました。
着色した水を含ませていたんですね。水を含んだため、親水性基を持っていると推測されます。
水を吸収すると固いゲル膜になり、すぐに切れます。脆いです。
このスライムも元と同じようなゲルにはなりませんでした。

具体的な構造は分かりませんが、図のような網目構造ではないかと推測されます。

乾燥して分子鎖が複雑に絡み合った結果、柔軟性を失い、力を加えると一部に応力が集中して切れ易くなったのでしょう。

スライムを保存するときはジップロックなどで密閉し、なるべく乾燥を防いだ方が良いですね。
一度乾燥してしまうと、元のような粘りや伸びを失う可能性が高いです。

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Gelate(ジェレイト)
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