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フォローした人がミュートしたいポストばかりだったお話

TwitterがXという名称になりましたが、やはりXだけではわかりにくいのか、(旧Twitter)という括弧書きが必ずついているし、この文章の中でも、なるだけそういう記述で行きたいと思います。
Xという名称に変わってから、ツイートもポストという呼び方に変わったりして、なかなか馴染めないかな…と思いきや、少し慣れてきた部分もあったりするのですが、そこまで不便に感じないのは、きっとTwitterの機能をそこまで使っていなかったからなのかもしれません。

さてX(旧Twitter)の話を冒頭に書きましたが、今回は2023.8.9にリリースした久々の書下ろし新曲であるシングル「No, I Don't Want」の話をしたいと思います。まず、参考に歌詞を書いておきます。

No, I don't want

夜の誘いが嬉しくない訳じゃないけれど
勢い任せで朝まで弾けるようなガラじゃないし

髪切った報告なんて クズな自己主張 構わずスルー 
早く寝たい
There's nothin' that can change my mind

I'm worn out
No, I don't want, I don't want to meet tonight
I'm worn out
No, I don't want, No, I don't want it tonight
Say, "No, I don't want"

アルコールで理性を飛ばすことにすら飽きてきたし
明日の朝起きること考えるとツラいだけ

ベッドに承認欲求を持ち込まないで 晒さないで
もういいから
There's nothin' that can change my mind

I'm worn out
No, I don't want, I don't want to meet tonight
I'm worn out
No, I don't want, No, I don't want it tonight

ムダに争いたくはないから 忖度だってするよね
宿題が多すぎて もう快楽に気が回らない

I'm worn out
No, I don't want, I don't want to meet tonight
I'm worn out
No, I don't want, No, I don't want it tonight
I'm weary now
No, I don't want, I don't want to meet tonight
I'm worn out
No, I don't want, No, I don't want it tonight
Say, "No, I don't want"

以上が歌詞になる訳ですが、字面だけ見たら内容がよくわからないかもしれません。そこは行間を読んで欲しい、という作者の願いもありますが、どういう思いを込めて、この歌詞を書いたのか、という話も含めて、書いていきたいと思います。

『No, I Don't Want』- Yu Katsuragi
4tr入りのCD-R版EPは通販サイトの方で
表題曲の配信へのリンクはこちら

TLを追うのがツラくなって一度止めたTwitter

僕のX(旧Twitter)アカウントは、基本、自分の音楽活動関連のポストをする場所なので、相互フォローしているアカウントは基本的に自分が知っている人が大半です。その他、僕が一方的にフォローしているアカウントは、ゴンチャや地元のフルーツサンドの店などのスイーツ関連のアカウントだったり、ファンであるカイリー・ミノーグとかDEENとかに関係のあるアカウントだったりするのですが、最近、僕が好きなアーティストのアカウントを見つけてフォローしてみたのは良かったのですが、ちょっと僕が思っていたものとは違うアーティストの実像が見えすぎてしまってガッカリしてしまい、ミュートした挙句、フォローから外してしまいました。そのアーティストの曲自体は好きなので、なんか音楽にだけ触れていた方が良かったのかな…と思ったのが正直な感想でした。

別にそのアーティストが悪い訳でもないし、僕が勝手にそのアーティストに持っていたイメージとポストの内容に大きな隔たりを感じて一人相撲しただけの話なんですが、結構、頻繁に出てくるそのアーティストのポストがTLに出てくるだけで、結構神経がすり減ったのも事実です。

僕は予めタイムラインに出てこないように言葉単位で「ミュートするワード」に選んでいる語句がいくつかあったりしますが、そのうちの1つの系統が政治に絡んだ言葉の数々です。
僕は敢えて自分の政治信条的な部分に関しては、敢えて自分の気持ちは殺して普段から人に接するようにしています。投票するときと同じで、誰に投票したかを誰それ構わず言わないのと同じです。まあ、敢えて人前で堂々と声高に叫びたい意見があるとすれば、今上がっているガソリン代をどうにかして欲しいということと、介護職だけでなく福祉に関係する職場に携わる人達の手元に報酬がちゃんと行き届くような施策をして欲しいということくらいです。

歌詞の中で「ムダに争いたくはないから忖度だってするよね」と書いた部分がありますが、まさにそういうことです。

別に「議論する」ことが嫌な訳ではないのですが、「議論する」過程の中で「対立する」のが嫌なのであって、客観的に「対立する構図」を見たり聞いたりすることも神経がかなりすり減ります。「議論」で「対立」されると、感情が上乗せされてくる部分が多大にあるので、正直近寄りたくなくなると言うか、機嫌が悪い人に近寄りたくない感情と同じようなもやもやが付きまといます。

一時期、僕にとってTwitterという場所そのものが、「機嫌が悪い人」みたいな存在に思えたことがあって、本当に見たくなくなり以前のYu Katsuragiアカウントを予告もなしに消してしまったことがあります。

以前ほどではありませんが、正直、少なからず今もその「もやもや」を感じながらX(旧Twitter)に向き合っている部分もあるにはありますが、アカウントを消してしまったことが軽率だったことを反省したこともあり、「機嫌が悪い人」がいつも四六時中「機嫌が悪い」状態ではないことを、少しだけ自分の中で学習できた部分もあって、近付きすぎず、遠すぎず、距離感を測りながら、各SNSと向かいあっています。

が、X(旧Twitter)に特に多いのが、ハナから炎上煽り目的で過激な主張を
するアカウントや正義中毒のポストとかが、そこそこあったりして、それが「おすすめ」のTLや、フォローしている人のリポストで流れてくることで、気分が落ちてしまうことがあることです。そういうポストこそ「構わずスルー」するか、もしくはミュート、ブロック、と言った対策をすればいいと思うのですが、自分自身がもし、ミュートやブロックされた側の気持ちになったら…ということを考えると、それも躊躇したりすることもあって、なかなか踏み込めないこともあります。

個人的にはTLにフォローしている人以外のツイートが流れてくる「おすすめ」については、あまり目に入らないようにして欲しいし、トレンドや欲しい情報があれば、検索して自分で見に行くので、X(旧Twitter)側から流して欲しくないな、と思います。

「No, I Don't Want」の歌詞を膨らませるきっかけになったのは、そういったX(旧Twitter)で触れる情報と、それによって動く自分の感情のやり取りです。

実際の歌詞のシチュエーションは、冒頭で「夜の誘い」とか「ベッド」とか割とストレートな言葉で書いているように、『行為』を求める相手に対して、「疲れているから今夜は嫌」と断りたい気持ちを書いたのが、この曲の歌詞で、これは完全に僕が想像したフィクションの話です。

そのストーリーから枝葉をつけて、実際に僕が「ノー」を突き付けたい事象や「欲しくない」と思ったものについて割とリアルな感情をそのまま歌詞の言葉に選んで書いている部分もあります。それについて具体的なことは書きませんが、興味があれば、歌詞の中にヒントはあるので想像を膨らませてください。

普段は絶対にできないから生まれる「変身願望」

「No, I Don't Want」のジャケット画像

次はジャケットの話なのですが、今までのジャケット画像以上に「これ誰?」感満載の画像になっています。
「この画像はイメージです。実際にライブでこの画像の人は出てきません」という注釈が必要なくらいです。本当に。
曲自体がギターサウンドが中心のギターポップ、あるいは気怠いボーカルの感じからロック的な印象を持つ人もいるかもしれないので、それに見合うビジュアルを考えてジャケット画像を作っていったのですが、仕上がってみると、なんかギターうんちゃら、とかロックとかよりK-Pop的なビジュアルになってしまったような気がします。

この画像を作る前のカメラ撮影のために2時間くらいかけて、洗って取れる髪のカラーリングをしたり、鼻筋やアイライン、付けまつげなど2時間くらい、気合い入れてメイクをしたのですが、結局はアプリの加工とAIの機能の前には無用の長物になったと思うほど、リアルメイクの時点と顔が変わってしまいました。もちろん、リアルメイク時点の画像は公開しません。

この画像になるのに、お手本にした画像があります。
イギリスのシンガーソングライターで、自身もヒット曲を放ち、2000年前後からは、カイリー・ミノーグやブリトニー・スピアーズ、ケイティ・ペリーなどの大ヒット曲のソングライトを手掛けたソングライターとして有名なキャシー・デニスの3枚目のアルバム「Am I the Kinda Girl?」のジャケット写真です。

↑の2枚が1枚目のアルバムの頃のキャシー・デニス
↓の2枚が3枚目のアルバムの頃のキャシー・デニス

キャシー・デニスは1枚目、2枚目と当時流行していたハウス・ミュージック等を基調としたダンスポップを中心に歌っていて、マドンナの「Vogue」やアルバム「Erotica」でもプロデューサーとして起用されたShep Pettiboneを起用してアメリカでもトップ10ヒットを放つなどの活躍をしてきましたが、3枚目のアルバムでは、途中で作っていたダンスポップ中心のアルバム1枚をお蔵入りにしてまで作り直した渾身のギターポップに変わり、ビジュアルもそれに伴ったイメージチェンジをしています。XTCのメンバーも参加したアルバムのタイトル曲が最高におススメ曲です。
僕はこういう変化ができる女性像にすごく憧れを抱いていたこともあり、実際にこういうイメージチェンジができなくても、ジャケット画像の中だけでもイメージチェンジしたい気持ちに駆られて、「No, I Don't Want」を作ったのも事実です。

そして、以前からこのNOTEで書いてきたYu Katsuragiの設定の一部分である「ノンバイナリー」的なキャラクターというイメージもしっかり踏襲したビジュアルになったかな、と個人的には思っているし、個人的には、あまり良いイメージを持っていない金髪への染髪やタトゥーなんかも、一晩明けたら元に戻れるなら別にありかな…と思いますが、やはり常日頃からその格好でいることには抵抗があります。

とは言え、デジタル上の画像の中でも、なんだか滝廉太郎や石川啄木が、80年代のジュリーやデヴィッド・ボウイになったような「変身」とも言えるようなビジュアルの変化を楽しめるようになったのは、嬉しい時代の変化だな、と個人的には感じています。

画像のイメージはキャシー・デニスをお手本としましたが、僕はカイリー・ミノーグのファンで1stアルバム、2ndアルバムのアイドル的なイメージから、3rdアルバムからのセクシーな女性へとイメージが変化していく様子をリアルタイムで見てきて、それを支持し、憧れてもきました。
今となって思えば、アイドルからアーティスト、かわいいからセクシーへと変わっていく変貌というのも、女性アーティストが通ってきた「ありがち」で「お決まり」のセオリーだったことに気付いて食傷してしまうのですが、カイリー・ミノーグは自分のファンが減り人気が低迷したこと(というよりもブレイクしたときがバカ売れし過ぎた)や、自分のイメージチェンジすらネタにしてしまうセンスが好きで、個人的に一番好きなMVである「Did It Again」というカイリーにしては珍しいロック調の曲の4変化なんかには素直に心がワクワクしてしまいます。

Yu Katsuragiは、この時期から25年以上、四半世紀の時を経て、やっと「No, I Don't Want」で、この世界観を少しだけ実現できたのかな、と思います。

DTMだけで作り上げたギターサウンド

そんな経緯を経て、「No, I Don't Want」はリリースされたのですが、この「No, I Don't Want」も(Radio Mix)とあるようにシングルのバージョンです。が、まだ本当のオリジナルバージョンは、まだ完成していません。これから作ります。

というのも、このシングルバージョンは、本来なら「デモテープ」的なバージョンとも言えるかもしれません。
普段、ギターを弾かない僕の感覚からすると、このDTMのみで作られた「No, I Don't Want」のギターとかも、なかなかリアルで悪くないと思うのですが(でないとリリースしようとは思いません。)、音楽制作現場の常識で言うところなら、このシングルでリリースされたようなDTMのみで作られたオケから、ギターやベース、ドラムを生のプレーヤーに差し替えていき、ミックスして…というような段階を踏んでいくことになり、この「No, I Don't Want」でも、最低でもギターだけは、生のギターに差し替えたいと思っています。その過程を経て、出来上がった「No, I Don't Want」がやっと「オリジナルバージョン」になると思っています。

今でも、Yu Katsuragiの中の人、一人で0から10まで完結させるシステムを重視していることは、それほど変わりはないのですが、アルバム「Dialogue 1991」の制作や音楽酒場ブギでの経験や出会いを経て、自分の中のイメージは重視し、踏襲しつつも、それを実現するために必要なノウハウを、自分ができない何かができる他の人と一緒に作り上げることの楽しさも共有できていければ、と思うようになりました。

いつになるかは、わからないけど、今から「No, I Don't Want」のオリジナルバージョンが完成するのが、すごく楽しみです。


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