入試問題にチャレンジ!

2018年南山大学
江戸時代初期より,幕府は,京都五山の僧であった A らが広めた朱子学を重視してきた。しかし,17世紀後半になると,朱子学に批判的な立場を採り,孔子や孟子らの古典に直接向き合おうとする学派が勢力を拡大した。とりわけ,古文辞学派の祖である B は,幕府にも重用され,儒学思想の大きな潮流の一つを形成した。

(13) 空欄 A および B に入る語の組合わせとして,正しいものを,下記の㋐~㋓から選びなさい。
㋐ A-林羅山 B-荻生徂徠
㋑ A-林羅山 B-山鹿素行
㋒ A-藤原惺窩 B-荻生徂徠
㋓ A-藤原惺窩 B-山鹿素行

ウが正解。

(14) 実用にもつながるような学問の発展について述べた文として,誤っているものを,下記の㋐~㋓から選びなさい。
㋐ 関孝和は,和算を発展させ,円の面積や円周率の計算ですぐれた研究を残した。
㋑ 安井算哲は,天文学の研究をもとに,貞享暦をつくった。
㋒ 貝原益軒は,本草学を研究し,『庶物類纂』を記した。
㋓ 宮崎安貞は,農業技術を体系的に記した『農業全書』を刊行した。

ウが正解。『庶物類纂』は稲生若水の著書。『大和本草』が正しい。

(15) 西洋の知識や学問が受容について述べた文として,誤っているものを,下記の㋐~㋓から選びなさい。
㋐ 西川如見は,『華夷通商考』を著し,世界の地理や物産を紹介した。
㋑ 徳川吉宗が漢訳洋書の輸入制限を緩和したことが,蘭学の発達をうながした。
㋒ 山脇東洋は,臨床実験に関する蘭書を訳出した『蔵志』を著した。
㋓ 稲村三伯は,日本で最初の蘭日辞書『ハルマ和解』を著した。

ウが正解。『蔵志』は蘭書の訳出ではなく刑死人の解剖書。


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