階段は“0円ジム”

階段利用を ステッカーやポスターのメッセージで後押し(熊本市北区
※月刊『広報』2021年10月号【広報トピックス】

具体的な効果で利用者のやる気を引き出す

「健康づくりのために運動したいけど、時間に余裕がない」とあきらめている人に、熊本市北区役所が勧めているのが「階段利用」です。身近にある階段は、手間も時間もお金もかからない“0円ジム”。職員や来庁者が進んで楽しく利用できるようにと、エネルギー消費量や応援メッセージを書いた手づくりのステッカーとポスターを階段にはり、利用者のやる気を促しています。

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 「階段を上ること」は、「やや速足」や「通勤で自転車に乗る」ことと同等の身体活動の強度があるとされています。北区役所庁舎は3階建てで階段は58段あり、その階段を1段上がるごとに消費されるエネルギーは、おおむね0.1キロカロリー。階段利用でその効果を実感してもらおうと、「16段目 1.6キロカロリー」「31段目 3.1キロカロリー」「ここまでで落花生1粒分のエネルギーを消費」など具体的な数字や、「ウォーキングなら2分相当」「ランニングなら30秒相当」など他の身体活動に換算した場合の効果を盛り込み、親しみやすいイラストなどを添えてステッカーを作成。階段付近の壁や、階段を上る途中などに掲示しました。具体的な効果を示すことで利用者のやる気を高めるほか、「あと少しで2階!」「3階まであと少し!」など、利用者を応援するメッセージも用意しました。

 階段利用に関心がない人にも、「そうだ! 階段で行こう!」「エレベーターを待っている間に…階段を利用してみませんか?」「たまのジム通いより毎日の階段」「0円で階段フィットネス」「若さのキープは足元から」「この1歩が美脚へつながる」など、さまざまな誘い文句で利用を促しているほか、「素敵です。あなたの後ろ姿」「がんばった自分が好き」など思わず笑ってしまうコピーもあり、楽しく取り組めるようになっています。

 ステッカー、ポスターはすべて職員の手づくりで、フリーの素材も活用しながら制作しました。それぞれのメッセージは、実際に階段を上ってみて感じたことや、「こういう言葉があるとうれしいな」と思ったものを表現しています。

 階段利用者からは、「階段を上るのが楽しくなった」「クスっと笑えて運動できる」などの感想のほか、「これだけの運動で落花生1粒分ということを知り、食生活を見直した」という意見も聞かれ、食事の改善にもつながっています。

 北区役所では、さまざまな職場で階段利用による健康づくりに取り組んでもらおうと、ステッカーやポスターなどの啓発資料を市のサイトで公開中。すでに、他の庁舎や事業所での活用も始まっています。北区の取り組みを知り自社で実践している事業所からは、「階段を登るたびにメッセージを読んで、楽しく1日を始められるようになった」との感想が寄せられています。

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