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ダイヤモンド野澤輸出のおもしろお笑い手記『お笑い審査』

お笑い審査


どうも、ダイヤモンドの野澤輸出です。あけましておめでとうございます。

こちらは、この連載が始まって2回目の手記となります。手記て!お笑いおもしろ手記て何だよ!伝説の第1回を読んでいない方は、是非読んでみてください!

先程、あけましておめでとうございますと言いましたが、この文章を書いている今現在は、2021年の12月20日です。前回の記事では、僕の「お笑い」について思っていることをちょっと言わせてもらいました。今回も「お笑い」について、特に、昨日見たM-1グランプリも含めた賞レースや、お笑いにおける審査について書いていこうかなと思います!


まず率直に、「M-1グランプリ2021」決勝を見終わって翌日に感じている感情は、「錦鯉さんおめでとうございます!」っていうものと、あのスタジオにいれなかった自分への悔しさです。

錦鯉さんの優勝は、他の芸人、審査員、スタッフさん、お客さんの誰も、嫌な感情にならない素晴らしい優勝だったと思います。誰も傷付けない優勝は今の時代に合っていたのかもしれません。僕も泣いてしまいました。

そして、普段からずっと同じライブに出ていたオズワルド、ゆにばーす、真空ジェシカ、ランジャタイさん、モグライダーさん等の活躍への羨望です。羨ましい。みんな面白かった。自分も松本さんの前でネタがしたい。全国のみなさんに自分の面白いを見せたい。悔しい。恥ずかしい。という気持ちです。

僕らダイヤモンドの2021年のM-1は、準々決勝で負けてしまいました。ダイヤモンドでは5回目の挑戦で、初年度は2回戦敗退。そこからの4年連続の準々決勝敗退。なかなか越えられない壁。そもそも、こういう賞レースに参加していて言うのが間違ってることなんですが、僕は、他人に審査されることが本当に嫌いなんです。審査されることというより、否定されることが。そんなこと言ったら、まあみんなそりゃそうだとは思いますが。審査員の方も否定しているつもりはないと思うんですが、どうしても点数を付けて順位を付けて合格不合格が出てしまうと、やっぱり自分のお笑いが否定された気分になってしまいます。


芸人になってからずっと、いや、なる前の、吉本の養成所であるNSCに通ってるときからですが、ネタを見せて作家さんという人達に、「ここがよくない、面白くない」とダメ出しをされることが本当に嫌いでした。「え、まず根本、俺よりあなたは面白いの?」「何を自信満々に低い点数付けてるの?」「俺よりお笑い見てきたの?」「人前でネタをしたことあるの?」「新しいお笑いをどこまで理解できるの?」ずっとそう思っていました。今の養成所は、僕らの頃とは、ほとんどの講師の方も変わっているようですし、当時も否定ばかりせずいいアドバイスをくれた方ももちろんおられましたが。

NSCを卒業し、吉本に所属してから1年目のときも、会議室みたいなとこで作家さんに1分のネタ見せをし、合格したらライブに出してもらえるという制度がありました。僕らの合格率は2ヶ月に1回合格する程度だったので、芸歴1年目のとき、舞台でネタをした合計時間は、1年間でたったの6分間だけでした。そんなんでどうやって売れるんだろう。ずっと悩んでいました。確かにそのライブの1分ネタで1位をとり、勝って上のライブでも勝ち進んでいけば、ライブ出番は増えていき売れるチャンスも自ずと増えていくという感じだったのですけれども。

その頃のライブの勝ち負けの基準は、完全にお客さんの投票で、ウケれば1年目の芸人でも勝てる可能性はありました。僕は個人的にはその制度はとってもよかったと思っています。自分が面白いとも思わない少数の審査員の独断よりも、お客さんが決めたほうが公正だからと思うからです。もし少数の審査員の人が決めるのであれば、僕が本当に面白いと思っている人でなければ、否定されたときにはやっぱり納得はいきません。でもそんな面白い人が無名の芸人の審査をするわけもなく、だったらお客さんが面白いと思った人が勝ち上がるというシステムでよかったと思っています。お笑いライブなんてお客さんがあってこそのことなのだから。

それから僕らが出ていたライブもランキングシステムに審査員制を導入し、僕は個人的にずっと苦しい10年を過ごしてきました。めちゃくちゃウケた日もその日の審査員の好みでなければ、結果は最下位ということも何度もありました。みんなが笑って幸せになるのがお笑いなのに、どうしてお客さんもすごく楽しませたあとに、俺達だけが嫌な気分にならないといけなかったのか。

僕と同じような考えの芸人はいっぱいいたし、そういう考えの人はみんな早い段階で辞めていきました。そんなに嫌なら自分も辞めたらよかったし、賞レースも出なければいいだけの話なんですが、それでもその先にあるいいことや決勝のあの舞台、目標のためには辞められなかったです。

みんな同じルールで戦っているのだから、例えそのルールが自分にとって嫌なルールだとしても戦おうと思っています。そして、そんなことも全部ひっくるめて楽しめたら最高ですよね。お笑いなんですから。全部笑いたいし、笑わせたいんですよ、本当は。

なんか正月に投稿される文にしては嫌な感じのことばっかり書いちゃいましたが、結果も過程も全部笑えるのが一番ですよね。「毎年賞レースでバカなことやってるなあ!」「いつも落ちてるなあ!」「いやこれで決勝いくんかい!」何でもお笑いなんです。

ダイヤモンド野澤コラム画像note


ごちゃごちゃ言ってますが、やっぱりM-1の決勝に行きたいんです!
今までは、なんかこう言うのを明言するのもどうなのかと思っていましたが、言霊とか引き寄せの法則とかいろいろあるんで、言った方が叶う確率が上がりそうなので言っておきます。

ダイヤモンドは2022年のM-1グランプリの決勝に出て漫才をします。よろしくお願いします。

ということで、今年もみなさん笑って楽しい一年を過ごしましょう!
それでは、また!


ダイヤモンドINFO


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著者/ ダイヤモンド・野澤輸出

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