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螺旋 センリーズ・きたしろ

「現場はここか」

樋口警部は玄関の前まで来ると小さい声でそう尋ねた

それを聞いた月島巡査は黙って頷くと手帳を取り出してはっきりとした声で読み上げる

「被害者は中村愛子、24歳のOLで一人暮らし、死因は鈍器のような物で頭を殴打されたことによる失血死だと思われます」

長年刑事をやっている樋口でも未だに殺人事件というのは慣れないものである

「現場は遺体だけを動かしてあとはそのままにしてあります」

何か犯人への手がかりはあるだろうか、まず細かく現場を見てみよう、樋口は早速玄関のドアを開いた

10月にもなったというのに部屋の中は少し蒸し暑い

まず玄関を隈なくチェックする

こんなところから犯人への手がかりがあったりするものなのだ

しかし靴がごった返しているくらいで特別おかしいことはなにもなかった

ヒールやスニーカー、ヒーリーズをはじに避けて自分の靴を脱いで部屋の中に入っていく

部屋の中はいかにも女性らしい部屋といった感じだ

ベッドの上にはお茶犬、こげぱん、たれパンダなどのぬいぐるみが可愛らしく並べられている

まずテーブルに目がついた

ABCスープに七夕ゼリー、その隣にもも水の紙パックが置いてある

「ふむ、どうやら被害者は食事の途中に襲われたようだな」

テーブルの端には家計簿のようなものとプロフィール帳

そしてペンたての中にDr.グリップ、プチコロン、ティアラペン、注射器型シャーペン、バトルえんぴつなどの文房具が入っている

「ん?」

樋口は玄関に並べられた靴を見て疑問の声を上げた

「警部、どうかしましたか?」

月島にそう尋ねられた樋口はテーブルに置いてあったハニービーを手に取った

「被害者のものと思われる携帯電話だ、何か手がかりがあるかもしれない」

樋口は早速ハニービーの電源ボタンを押した

金色の美輪明宏の待受画像を進み着信履歴を確認する

「見てみろ、こいつは怪しいぞ」

着信履歴の一番上には「ナニ<ゃ」と記されていた

「通話履歴は二日前だ、このたくやという男にかけてみれば何かわかるかもしれん」

電話をかけてみるが待ちうたの恋のマイアヒが流れ続けるだけで繋がらない

「とりあえず待ってみるか」

その間に家の物色を続けることにした

本棚を見てみる

こまったさん、わかったさん、ミッケ、ダレンシャン、怪談レストラン、デルトラクエスト

ここもおかしいものはない

次にテレビ台を見てみる

USOジャパンなどのDVDの隣にワンダースワン、PICOなどのゲーム機が置いてある

「何かおかしい」

樋口は違和感を感じた

今まで見た物をもう一度思い出してみる

「そうか」

隣でゾイドを調べている月島にすぐさま声をかける

「最初にお前は被害者が一人暮らしだといったが実は男との二人暮らしだったという可能性はないか?」

そう

バトルえんぴつ、デルトラクエスト、ワンダースワン

男がこよなく愛するものがこの部屋には紛れているのである

「確かにその可能性はありそうですね」

月島が部屋にあったベイブレードを回しながら頷く

「そしてその交際相手、いや交際していたかはわからないが一緒に住んでいた男がたくやではないのか?」

「そう考えるのが妥当だと思われます」

月島は床に落ちてあったなめねこ免許証をかき集めながら答える

「そしてそのたくやは連絡が取れない、これがどういうことだかわかるか?」

月島は唾をゆっくり飲み込む

静かな部屋にゴクリという音が聞こえた

その時だった

静寂を切り裂くように月島のWIN W32SAからサスケの青いベンチが流れる

「月島です、はい…はい……えぇっ!?はい、わかりました」

「どうかしたか?」

そう聞かれた月島が静かに答える

「犯人が自ら出頭してきました」

「何!?誰だったんだ!?たくやという男か!?それとも別の誰かか!?」

月島が口を開く




「たくやでした」



合ってた



おはようございます、センリーズのきたしろです

誠に申し訳ありません

1990年代前半生まれにしか楽しめないコラムを書いてしまいました

お気づきの通り書きたいものを全て書いた後にだるくなってしまい最後の方は適当になっています

終わりよければすべてよしの真逆です

反面教師にしてください


改めてここまで三ヶ月間、月間芸人のコラムを読んでくださった皆さん本当にありがとうございました

月間芸人のコラムはこれで三回目なんですが正直初回から書くことは一切なかったです

なので初回は近くの公園で砂遊びをしていた少年に声をかけて適当に文字を打たせて投稿しました

二回目のコラムは高校生時代に相方がしていたブログの文章をそのままコピーアンドペーストしました

そして今回が最終回なので最後に少し自分のことも書いておこうと思います


僕はかなり田舎の方の生まれでしてそれはもう人が少なく田んぼしかないような場所で育ちました


そんな僕にも仲の良い幼馴染がいまして名前はすずと言うんですが同年代の子どももほぼいない地域だったので僕はいつもすずと二人で遊んでいました


中学生頃になるとお互い異性と遊ぶというのも少なくなってくるんですがすずはいつも男勝りで女性という壁を感じなかったので当時の僕も遊びやすかったんだと思います


ちょうど中学二年生の夏頃、すずに夏祭りに誘われました

もちろん毎年行っているのですぐにオッケーを出し時間通り待ち合わせ場所に向かってみると浴衣を着たすずの姿が、いつもの半袖半ズボンの姿からは想像できない女性らしい姿に思わずびっくりして言葉が出なかったのを覚えています

しかし中身ははもちろんすずのままですからそのあとはもちろんいつも通り二人ではしゃぎながら色々な屋台をまわったり射的をしたりしているとあっという間に打ち上げ花火の時間になりました


すると突然すずが僕に「大事な話がある」と言い出したんです


僕が「えっ?なに」と聞き返すとしばらく顔を真っ赤にして黙っています


僕が再度「なんなん?なに?」と聞き返すとすずが口を開きました

「私、きたしろのことがっ



打ち上げられた花火



花火に照らされる二人の顔



「えっ?なんか言った?花火の音で聞こえんかった」



するとすずが真っ赤な顔で「なんでもありませーん!もう一生言わんからっっ!!!!」



「え?なんやねん、もしかして俺のこと好きになったとかか〜?」



「は、はぁ!?何言ってんのあんた!!!バカちゃう!!!!!ベーッだ!!!!」
舌を出して否定するすず



っていうのが僕の小さい頃の時代の夏の思い出です



そして皆さんお気付きの方もいると思います


そう



その幼馴染の女の子が今や国民的大女優、広瀬すずであり



僕の今の妻っていうオチなんですけどね……笑笑笑



なんかすみません笑笑笑笑笑笑
自慢話みたいになってしまいました笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑


うっ


頭が痛い


割れるように痛い


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い



ハッ、ここは???



散らかった部屋、空き缶の数々、汁の残ったカップラーメン、


あっ、


そっかあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



全部夢かあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



僕芸人やってるのに全く売れてなくて先月の給料2000円でなんば普通に歩いてただけですれ違ったギャル二人組に「なんかあいつ泣きそうな顔で歩いてんねんけどウケる」って言われた独身彼女なしの29歳やった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



そっかあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



俺大阪生まれやし幼馴染とかおらんし中学生のときの思い出チャリ走してたことしかないもんな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



そっかあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



こんなコラム読むな!!!!!!!!!!!!



これ見てるやつら全員携帯の電源落とせ!!!!!



それでその真っ暗な画面に反射してる自分の顔見ろ!!!!!!!!!!!!!!!!



それがお前の一番ブスな瞬間の顔じゃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



おいお前!!!!!!



今ニヤニヤしたやろ!!!!!!!!!!!!!!!!



そう


これが


メンタリズムです


ありがとうございました

■センリーズ プロフィール
きたしろテコンドー近藤のコンビ。
きたしろの趣味は音楽鑑賞、独唱。特技は当たり前に皆が思っていることを大きい声で言う。
テコンドー近藤の趣味は動画鑑賞(海外のオーディション番組をひたすら見ている)。特技は優しい声で尾崎豊のアイラブユーを歌うこと。

センリーズINFO

著者/センリーズ・きたしろ


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