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【11月号】空気階段 LIVE REPORT 2019.09.22@ヨシモト∞ホール

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9月22日日曜日、『キングオブコント2019』放送翌日の無限大ホールには、立ち見も出るほどのお客さんが詰めかけていた。楽屋スペースでは、前夜準優勝に輝いたうるとらブギーズが普通にそのへんを歩き、後輩芸人たちにいじられている。昨夜の興奮がうっすらと残る中、「空気階段と行く世界一周旅行 バチカン市国」ライブが幕を開けた。

舞台に2人が登場すると、温かい拍手が沸き起こる。「全世界、約200カ国を訪れるまでに売れよう」という空気階段のスキルアップを目的としたライブだが、半分くらいが初見のお客さんとわかり、2人は「いつもそう」「リピーター少ねぇなぁ」とぼやく。ひとしきりライブの趣旨を説明した後、一拍を置いて、かたまりが叫ぶ。

「キングオブコント、最下位だったぞ!」

それを皮切りに、話は昨夜の『KOC』のことへ。かたまりは放送終了後、落ち込んでいたわらふぢなるお・口笛なるおと、ゾフィー・上田と一緒にサウナへ行ったというエピソードを披露。当のなるおがサウナで「大きなイチモツをください」と歌っていたことをバラし、「小さなイチモツ出してるところでねぇ」と補足してもぐらにツッコまれる場面も。


しかし途中から真面目に「落ち込んではいない」と語る2人。お客さんからのアンケートで「決勝で、いちばんテンションの上がった瞬間は?」と聞かれ、もぐらは「ケータリングコーナーの足元に、缶コーヒーの山があった。宝箱だよ」と熱弁を振るい、安定したクズ感を出していた。
一方、「勃起してましたか?」と、緊張すると勃起するクセをいじられたかたまりは「衣装でキツいパンツを履いてるから、勃起する余地がなかった」と釈明。「最近は緊張するとあくびが出る」という謎情報を提供していた。

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そこに、やさしいズ・タイがふらっと舞台上に登場。「イェー、ビリ、ビリ」と声をかけて3人で輪を作ってぐるぐる回る。一昨年準決勝敗退、昨年決勝最下位と、それぞれ空気階段の1年前に同じ経験をしているタイからは、「そんなに背中追ってくれなくていいのよ」と言葉がかけられた。放送当日まで決勝進出者が発表されないシステムを経験した3人は、その時期の無限大ホールでの芸人の様子を語る。

タイ「決勝行くってことは、ネタを叩くわけですよ。負けた人はもう別のネタをやる。だからお客さんにもわかっちゃうじゃん。それじゃシークレットの意味がないからってことで、去年ネルソンズさんが準決勝で負けたのに、俺らが決勝行くのをごまかすために自分たちのネタを謎に叩き続けてくれたの。それを観て、誰も何も言ってないのにほかの人もそれをやりだして。みんなで『誰が決勝行ったかわからない』って状況をつくってくれた。」

無限大芸人の熱い絆が語られたところで、「でもさ、お前らだけライブでピンマイク着けてたから! それつけてたら、『スタジオ用の練習してる』ってなるじゃん! ダメよ!」とダメ出し。空気階段の2人は、今さらな指摘に笑っていた。

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ライブ終盤は、後輩芸人・ゴスケと構成作家・セオが登場し、2人のKOCのネタに得点をつける。「92点」「99点」という甘すぎる採点に、3人は爆笑。「お前ら来年優勝したら、賞金でこの2人に店持たせろ」とタイが命じていた。

そしてKOC翌日のライブらしく、最後は、決勝でかける予定だった2本目のネタを空気階段が披露。ちなみにこのネタへのセオとゴスケの採点は「100点」「98点」という、これまた大甘なものだった。

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ライブ終了直後、2人に話を聞いた。

もぐら:今日の拍手は確かに温かかったですね。長く観に来てくれてる人たちも多くて。

かたまり:俺らのことを知ってくれてる人たちが来てくれてて、ありがたかったです。キングオブコントの結果次第で、ライブの方向性を変えようってことだけ決めてました。

もぐら:負けたことで、すごい悔しい感じはないですね。でも大きな喪失感はあります。

かたまり:今年は初の決勝だったので、楽しさのほうが勝ちましたね。今日やった2本目のネタは、またどこかでやっていきたいです。

“幻の2本目”を劇場で観る機会は今後もありそうだ。

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ライター/斎藤岬 撮影/越川麻希

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