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電通とは?

私はかつて下請け業者として、長いこと電通と関わっていたのだけれど。

当時は日本のメディアや芸能界にとって、電通という会社がどのような役割を果たしているのか、まったく理解していなかった。

けれど会社を辞めた直後、たまたま本屋で手に取った、「電通と原発報道」という本を隅から隅まで熟読したり。

過労死事件からはじまる、一連の“働きかた”にまつわる記事をネットで調べたりして、ちょっとずつちょっとずつ全体像が見えてきて。

オリンピックほか、もろもろを遠目で見た結果、いまに至っている。

あくまでそんな私の理解ではあるけれど、分りやすく電通流の仕事の流れを説明するならば…。

本業である広告業を通してつくりあげた人脈を元に、たとえば外タレやスポーツチームの招聘など、まずは大規模イベントを仕組んでおいて。

それを開催するにあたり協賛企業やプロモーター、会場やオンエアさせる局など、様々な要素を分担させるコマ企業を選定。

もちろん広告など、自社でまかなえる業務はしっかりと確保しつつ、それ以外にも莫大なコーディネーション・フィーを手に入れるフローを確立していた。

つまり「イベントを仕組んだのはオレたちなんだから、オレたちがいちばんもうけて当然」的な仕事のしかたをしてきたわけだ。

そんなことを続けることでTV局をはじめとするメディアを牛耳り、タレント事務所を牛耳り、プロモーターを牛耳り、ついにはオリンピック委員会や、各省庁までをも牛耳ってしまった。

なぜなら「あらゆることをまるっと一括で請け負います」なんてことができる企業はなかなか、他にはないからだ。

たとえばオリンピック誘致や給付金事業なども、まるっと電通に投げておけば(余計なお金が掛かりはするものの)、発注する側としてみれば丸投げできていちばんラクなわけですよ。

で、私がいちばん言いたいのは、ここからなんだけど。

TV局をはじめとするメディアも同じように、かつては自分たちでやってた、企業に広告を取りに行く営業業務をまるっと電通に丸投げしてしまい。

その結果、“クライアントの意向”を盾に取る電通に、なぁんにも言えなくなっちゃった。

そして信じられないことに、メディアによる報道の中身を決めるイニシアチブを、一広告代理店でしかない電通が握ることになってしまったの。

さすがにいま現在は、どんな権力構図になってるのか、私は知らないけど。

電通すなわち、DS(ロ〇チャ〇ル〇)がつくった企業なわけで。

いまの日本メディアがそっち一辺倒なのは、そういった経緯があるからだと私は思っていたりする。

でね、そういう詳細を知ったうえで、昔いっしょに仕事させていただいた電通の社員さんたちを思い返すと。

あの人たちって本当に、優秀だったんだなぁと感心してしまうのですよ。

だって、どこか一か所でもヘタこけば、いろんなことがイモづる式に露見しちゃうかもしれないわけだから。

常に、いろんなとこへのフックを強化していなきゃならないし、様々な表現の背後にも見えない意図を仕込ませておかなきゃならない。

そういうあらゆる行程を、完璧にやってたわけですよ、あの人たち。

そう考えると改めて、すごいなぁって思っちゃう。

なんか、総選挙の朝につらつらと、そんなことを考えてしまいました。

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