演劇ワークショップを教育に取り入れると良いことが多そう!

鴻上尚史さんの本
『演劇ワークショップのレッスン よりよい表現とコミュニケーションのために』白水社、2023。
を読み始めました。

まだ、冒頭のコーナーしか読み終わってないのですが、少し感じたことをつらつらと書きたいなと思いました。

特に印象に残った文章にこんなものがあります。


体をほぐすことで、初めて感情がほぐれ、想像力もほぐれます。…感情と体がほぐれ、同時に場もほぐれれば、うんと発表しやすくなります。頭に浮かんだ小さなイメージやアイデアも、ためらうことなく表現できるようになります。

p.31

この文章、とても良いなと思うと同時に、色々なことを考えるきっかけにもなりました。

それは、教育に置き換えたときに、演劇ワークショップを一日の最初の活動にもってきたらいいんじゃないかなぁと思いました。

2つのことで良いのではと感じています。

1つ目に関しては、
学びに向かうためのウォーミングアップができる
ということです。今の学校の朝の活動は恐らく、朝学習や朝読書というように静かにいる活動が多いのではないかと感じています。誰とも会話をせずに一人で黙々と進めている、ということです。

授業の中で発表等をするといった時に、雰囲気作りとして取り入れることもしたいところだとは思いますが、それを毎時間できるわけではないと思うので、その日の最初に取り入れてみると良いのではと感じました。

1時間目の学習がはじまる前にこの演劇ワークショップを取り入れれば、頭が働いている状態で学習に入ることができるという点は大きいと思います。もちろん朝学習の日も適宜入れて集中力を向上させていく、ということも大切だと感じていますが、ワークショップで遊びの要素を入れたコミュニケーションを通じた学びの準備、ということもとても魅力的だと感じます。

1時間目だから子どもの準備が追い付いていなくて、発言が少ない、とか、うまく集中できていない、ということも少なくなるのでは?とも感じます。

2つ目は、
クラスメイトとの関わりが増える
という点です。この演劇ワークショップは学期の最初とか、学期末のクラスレク、等では実施するケースはあるとは思います。しかし、これを定期的に継続的に行う、ということはあまりないのではないでしょうか。

年に数回ということになってしまうと、やはり効果はものすごく薄まってしまうのではないかと感じます。
それだと普段あまり関わらないような子どもたちがどのような人なのか、どのようなことを考えているのか、ということが十分わからないまま時が過ぎ去ってしまうし、自身のことを知ってもらう機会がとても少なくなってしまう、ということも考えられます。

ですから、演劇ワークショップを週に何回、とか回数を決めて定期的に継続的に行う、ということをしていけば、クラスメイトとの関わりが増え、お互いのことを知ることにも繋がれば、コミュニケーション能力が鍛えられる、ということは言うまでもないと思います。

この本には本当にたくさんの種類の演劇ワークショップが掲載されているので、マンネリ化することもあまりないのではないでしょうか。

ちょっと違った話になりますが、クラスの中で仲良しグループがいくつか出来て、それが原因でいじめやクラスの雰囲気が悪くなる、ということがあると思います。
しかし、それはお互いがお互いのことを十分知ることができておらず(子どもが知ろうとしない・関わろうとしない、ということも考えられますが、知ることができる機会が少ない、その場が設けられていない、ということも考えられるのではないか)、一面的で表面的な理解しかしていない、ということが考えられると思います。

そのため、演劇ワークショップを通じてコミュニケーションをたくさん取ることでお互いのことを分かち合う、その人の様々な面を知る、理解する、そのことがとても大切なのではないか、と感じました。

子どもたちにとって、そして教師にとっても同じ一日はやってこない、だからその一日を有意義に創る、そのための演劇ワークショップ、良さそうだな、と思いました。


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