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我が家のドイツ滞在記⑤

鍵トラブルみたび

アパートの入口で佇む我が家の面々。

与えられた鍵束には無数の鍵がついており、どこが何の鍵なのかもさっぱりわからないので、1つづつ試して1階の鍵をやっとこさ、つきとめる事ができました。エレベーターにつながる細い通路に荷物を押し込めて、夫が上の部屋を確認しに行きました。

が、待てど暮らせど帰ってこない!

荷物があるから様子見にもいけないので、ジリジリしながら幼稚園児の娘とただ待っていると、20分後、夫と一緒に行った息子がやっと降りてきました。

「鍵が空かないみたいよ」

!!またかいっ!!

息子と交代して上に見に行くと、げっそりした夫がドアの前で奮闘中でした。

「本当にここであってるの?」と聞くと、さっき一度ようやく開いたのだそうで、そしてまた閉まったらまたしても開かずの扉となってしまった、とそう言う事らしい。

なぜ閉めちゃったのーーー!

これまでもドイツの鍵トラブルは、しょっ中耳にしてました。我が姉(ドイツ在住)が締め出された話や、ドイツ鍵をつけている日本の自宅から出られなくなった経験もあります。優れた防犯性かもしれないけれど、泥棒よりも家の持ち主が入れないトラブルの方が圧倒的に多いんじゃないかなぁ?

ドイツでは扉の取っ手は外から回らない仕様になっており、挿した鍵を回す事によりラッチボルトを動かしてドアを開けます。この扉は古くて建て付けが悪いため、その最後が回せない。

姉の家で同じ事態が起き、父が力任せにやったところ鍵を折ってしまったなんて事件もあったなぁ。鍵屋さんを呼んで時間がかかってえらい事だったんだっけ。

その後夫が奮闘をつづけ、何度目かで再び

ドア、オープン!!!

かれこれ1時間半経っていました…

今度は閉まらないようにして、よく確認すると、思った通り、渾身の力じゃないとラッチボルトが回らない。私の力ではどうあっても無理で、明日からどうすれば良いのだろう….夫がいなきゃ開けられないんじゃ困るなぁ。

既に散々宿にクレームを入れているので、疲弊気味の夫はもうウンザリです。しかも、クレームを入れたからといって即時解決ができそうもありません。

私が苦肉の策で消しゴムを小さくカットしてラッチボルトが戻らないように詰めてみました。鍵をかけないとパチンとは閉じないのですが、どうせ常に施錠しておくから問題はなさそう。

普段いい加減な事が大嫌いな夫が、何か言いたげに口を開くも、黙認となったのでした。
かくしてようやく!
当座の仮住まいへと引っ越せたのでした。


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