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文芸工場と大量生産

芸術家になって大金を稼ぎたいという質問が来たので、起業モードに移った方がいいと回答しましたが、そこで巨万の富を得た芸術家や作家が何をしていたかを少し調べました。

ラファエロやルーベンスといった画家は、ある程度名前が売れたら、アシスタントを雇いました。それ自体は近代より前の多くの画家がとっていたことですが、彼らはあまりにも人気が集中し、その結果富を得たのでアシスタントを大量に増やします。
工房には収まらないくらいの組織化された、もはや会社というようなものになります。

ラファエロ作というより、ラファエログループ(株)による作品といった方がいいかもしれない

近代より前の画家は近代の芸術家のそれとは全く異なり、どちらかといえば中小企業の親父と見る方が圧倒的に近い存在でした。あるいはファッションブランドの会社に近いかもしれません。
このように美術の世界には工房化・企業化して大量生産をするという伝統がありました。ただそれは美術の世界だけではないようです。

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