好きな版画つれづれ①
私の好きな西洋の版画作品について。まずはヤコポ・デ・バルバリの《ヴェネツィア鳥観図》です。1500年に発表されたこの作品は134.5×282 cmという大きさの木版画です。
この鳥瞰図はまずもって当時の技術では不可能なように思われます。飛行機からみた視点でヴェネツィアの街を描いているのですが、当然ながら当時に飛行機はありませんし、それくらい街を見渡せる高い塔は存在しません。同時期のフィレンツェやローマの図は城壁が強調されるような、いかにも斜め上から精一杯見てみましたという程度ですが、本作は完全に鳥瞰図です。
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