個人的hip-hopおすすめ

普段はクラシックやジャズを中心に聞いているのですが、よく質問がくるのでまとめ。治安が悪い音楽のイメージしかなく、何がヒップホップか正直分かりませんが、ラップ主体の音楽という意味でとりあえずいくつか好きなものを紹介します。暇なときや夏休みに聴いてみてください。


①Đen Vâu ベトナム

ベトナムのラッパー、デン・ヴァウの一曲。ベトナムではとても有名だそうで、幾つも音楽賞を受賞しています。この曲に限らず、ラップ=攻撃的な曲のイメージとはまるで異なる繊細で優しいラップです。歌詞も「俺金持ってるぞ」というのとは異なり内省的です。

サビは女性や穏やか系の男性歌手が務めることが多く、ピアノやストリングスが多用されており、まろやかで平和的に聞こえます。ヒップホップではないかもしれませんが、識者よろしくです。

②MERO ドイツ・トルコ

固いドイツ語の響きが機関銃のように撃ち込まれて心地よい一曲。声もいいですね。ドイツとオーストリアで一位をこの曲でとってから、破竹の勢いでドイツ語ラップを牽引しています。

トルコ系なのでトルコ語でもラップをしていますし、そちらでも売れているという器用さも凄いなと思います。

③Pharaoh ロシア

ロシア語ラップ界隈ではカリスマ的人気のあるファラオ。戦争があってロシアから逃げ出したようですが、今どこにいるのかわからないです。新譜は出しているので生存確認はできています。

ギャングラップもありますが、声がかっこいいです。曇り空のように憂鬱なサウンドに吐き捨てるようなロシア語が刺さります。燃える氷柱のようです。独特な雰囲気があります。

④Stromae ベルギー

紹介不要の有名人だと思いますが、ベルギー人でフランス語を用いるラップです。お洒落で知的な曲作りが特徴的です。寡作ですがそれぞれ耳に残る歌い方です。

⑤Kanye West アメリカ

説明不要の世界的ラッパーで、お騒がせ歌手では収まらない問題児ですが2010年に発表されたアルバム『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』は確かに、ヒップホップの歴史に燦然と輝く、緊張感のある名曲揃いです。(このアルバムの曲以外はあまり聞かない)

大物たちが次々と出てくる華やかさも備えている、ヒップホップの凄みが凝縮しています。

⑥J Cole アメリカ

現代アメリカを代表するラッパーです。詞にメッセージ性があって考えさせられるものが多く、流し聴きでビッグになった気持ちにさせて終わるラップではありません。

英語がしっかりしていてあまり崩れていないです。プライド命のような業界でプライドは悪であると語っている曲ですが、どれも詞を確認したくなるラップです。この曲が収録された『The Off-Season』は個人的に好きな一枚。

大ヒット曲の客演も多く務めています。

USは詳しい人が多いので別にいいかなと思います。他のラッパーが嫌いというわけではありません。

⑦Mahmood イタリア

エジプトにルーツがあるイタリアのラッパーです。音への乗り方が一癖あって耳に残ります。イタリア語ではゴリゴリのラップは流行らなさそうで歌パートがしっかりあるものも多いです。ユーロヴィジョン・イタリア代表で出場したこともあります。

人口5000万人台のイタリアですぐにこれほどの再生回数にいくのは、かなりの存在であると思います。

⑧釈迦坊主 日本

ゲーム音楽の延長にあるような日本語ラップ。歌詞の意味より音感を際立たせている突き抜けた感じがいいです。

深海に沈むようなダウン。相変わらず何を言っているかは分かりませんが、とても気持ちいい音楽です。なぜか卒制の前によく聴いていました。

素敵な音楽ライフを。

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