【自動車教習所】
ある男の子が自動車教習所から帰ってきた。今日は〈仮免〉の見極め試験だったのだが・・・
「お帰りぃ~とうだった❓️試験」
「それがですねぇ、クルマが変わってたんですよ。今まで乗っていた教習車が新しいクルマに変わってたんです。慣れてない車だし、なんか緊張して不合格ですよ」
「前と同じクルマにして貰えば良かったのに」
「それが駄目なんですよ。教習所のクルマ全部が変わってるんですから」
「あぁそうなんだ・・残念だったなぁ」
選りにも選って、試験の当日に変わっていたとは、誠に御愁傷様な話である。
・・・・・・・
そう言えば昔、僕が自動車学校に通っていた時である。生徒同士のよしみで仲良くなったオジサンがいたのだが、そのオジサンが、愈々念願の〈仮免試験〉を受けるのとになったのだった。
オジサンは少し緊張した面持ちで運転席に乗り込むと、やがて緩やかにクルマを発進させた。
コースを順調に回った彼は、もう少しでゴール地点に着くという所で余裕が出たのだろうか、片手を窓の外に出して僕に向けて手を振っている。結果、片手運転で不合格になってしまったのである。
さて、他にも自動車学校には色々な人が免許を取りに来ていた。会社からの命令なんだろう、ある中年の男性がいた。その中年の男性・・教官に叱られながら、何度も何度も〈仮免〉の試験に挑戦したにも拘わらず、遂に合格することなく、泣く泣く免許を諦めたということもあった。
当時は男の教官ばかりで、気にいらない生徒には横柄な態度で怒り散らす教官もいたのだ。
そんな訳で、ひと其々のドラマが繰り広げられていた自動車学校なのだが、1つだけ変わらない法則があった。
それは・・美女や若くて可愛い女の子にだけには、教官が超優しかった、ということである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?