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【中身】

遠方の親戚の葬儀に行くことになった。

今般流行りの〈家族葬〉、それも、親族すら呼ばない家族だけでの葬儀を行うということなのだが、〈御霊前〉だけでも渡したいので、先方の了解を得て僕だけが参列することになったのだった。

折角行くのだからということで、僕の兄と弟の〈御霊前〉も、僕が立て替えて持って行くことになった。

白黒の水引が掛けられた〈熨斗袋〉を3つ用意して、各々にお金を入れていくのだが、入れ終った後、間違いなく入れたかどうかが心配になるのである。

「父さん、チャンと入れたぁ❓️」

家内も心配して声を掛けてくる。

「入れたよぉ・・・でももう1回確認するかぁ」

金額の間違いは元より、本当に入れたのかどうかが問題なのだ。

だからいつも、やっと完成した〈御霊前〉の水引を、再び外して中身を確認するのである。

神経質過ぎるのだろうか❓️・・・でも、万が一「空」の〈熨斗袋〉だった時のことを想像すると、恐ろしくて確認を怠る訳にはいかないのである。

受け取った方が・・・

「あのぉ~~・・空でしたけど・・」

なんて言える訳がないのだから・・・


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