【不貞腐れインコ】

今年11歳になるセキセイインコのニコル君は、どういう訳かジジイの僕が好きなのである。

風呂上がりの僕のところに飛んできたニコルは、指に止まってせっせと羽繕いをしている。

そこへ家内がやって来た。

「ニコちゃん！ネンネの時間ですよぉ」

そう言って、ニコルの前へ自分の指を差し出して移動させ、そのままケージに入れようとしたのだが、超ご機嫌だったニコルが怒るのだ。

「ギャギャギャギャッ❗️」

と啼きながら家内の指を齧るのであった。

「折角楽しんでいるのに邪魔するな❗️」ってな訳である。

それでも宥め透かしながら、なんとかケージに入れた家内なのであったが、当のニコルは完全に拗ねてしまった。

普段なら、呼ばれたら直ぐに飛んで来て籠の内側にへばり付くのに、家内の呼ぶ声にも無視を決め込み、目も合わさずにアッチの方を向いて、１mmも動かないニコルなのであった。