【完璧過ぎる精米】
家では、農家から玄米を直接買っている。
この米がまたベラボウに美味いのだ。
だから、他所で食べるご飯は、滅多に美味いと感じたことがない。
さて、先日も30kgの玄米を2袋ほど譲って貰ったので、取り敢えず1袋を精米したのである。
ところで、今日は長男夫婦が子供たちを連れて泊まりにくるのだが、スーパーに米が無いようなご時世だ。長男夫婦に、まだ精米していない1袋を精米して、それを持って帰らせようということになった。
早速、精米を兼ねて、長男夫婦家族のもてなし用の食材やビールやら酒やらを買うために、家内と2人で買い物に出掛けたのであった。
買い物の途中、ホームセンターの駐車場の隅にある精米機小屋に立ち寄って米を精米することにした。
30kgの米を精米するには¥300-が掛かる。家内が精米機に¥300-を入れると、玄米の投入口の扉がウィ~ンと開いていく・・
精米には〈3分〉〈7分〉〈標準〉〈上白〉の種類があり、好みによって搗き方を選べるようになっている。
「父さん、標準でいいよね❓️」
「あぁ・・よし❗️米、入れるぞ❗️」
重い米袋を倒して、玄米投入口に玄米を流しこんだ・・
「わっ❗️」
「なによ❗️」
「玄米じゃないじゃないか❗️」
「えぇっ❗️」
見れば、既に精米済みの白い米が玄米投入口に雪崩れ込んでいるのだ。
「父さんなにやってんのよ❗️精米してあるじゃん❗️何処のヤツ持って来たのよぉ~」
「部屋に置いてあったヤツじゃ」
「それ、こないだ精米したヤツじゃん❗️倉庫にあるヤツ持ってこなきゃ・・中止しよ❗️」
「一旦放り込んだのはもうどうしようもないぞ」
「あっそぉか・・そんでこの機械、一旦入れたお金は戻ってきませんって書いてあるし」
「もう1回精米するど❗️」
「米が削れて無くならないの❓️」
「大丈夫だろ」
「父さん、3分搗きにしよ❗️3分搗き」
こうして、誠に馬鹿ばかしい2度目の精米をすることになったのだが、1度精米した米なので終るのは早かった。
しかし大吟醸米じゃあるまいし、完璧過ぎる米が完成したのだった。
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