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【ラッパ飲み】

まだ20代のころに寮生活をしていたことがある。部屋には2段ベッドがあって1部屋に2人が入っていた。

ある土曜日の夕方であった。同室の寮生が酒を飲もうと言って1升瓶を取り出した。

夕飯までには少し時間があったので早速飲むことにした。ツマミなどは一切ない。日本酒のみである。

小さなテーブルを真ん中にして向かい合うように座り、真新しい一升瓶の封を開けて交互にラッパ飲みをした。

ものの10分も経たないうちに瓶が空になった。空きっ腹に5合づつの冷や酒が入った。

暫くして夕食を知らせるチャイムが鳴ったので2人で食堂に行った。

食べ終わって部屋でゆっくりしていたのだが、なんだか目が回ってきて、寝っ転がっていると天井がグルグル回り始めた。

小1時間も経っただろうか、気持ちが悪くなってきた。冷や酒が効いてきたのだ。吐きそうだ。

2段ベッドの上にいた僕はフラフラしながら下に降り、歩くと横に傾いて壁にぶち当たるので、這いながらトイレへと急いだ。

当時はすべてが和式便器だったので、僕は便器を抱えるようにうつ伏せになってヘタり込んだ。

・・・・・・

結果、夜通し吐き続けてもまだ足りず、日曜日の夕方まで便器を抱えていたのだった。

下手をすると死んでいただろう・・いや、もう充分に下手をしていた。




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