短歌4

「幸福は台形ですよ」と彼が言う もっとくわしくおしえてほしい

怪獣が棚の陰からしのびよる 遠慮している愛らしい顔

傷つける言葉を放つ直前も その理由さえ説明できず、

キッチンに日が差し食器照らされて 主役になった シンクのなかで

カーテンの波打つさまに眩暈して 記憶をたどる 白のスカート

綿密に練りあげられる哀しみに 楽しみ塗し 私がたべる


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