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虚構集

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【FICCIONES】。たまに短篇小説を書きます。
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2018年8月の記事一覧

【小説】小顔の男

 小顔の男である。
 まったくもって、こんなにも、小さい顔があるなんて。プラムくらいのサイズである。だれでも仰天する。とはいえ、まあ、慣れてしまえばどうってこともない。
 要するに、鼻が大きいとか福耳だとか、太っているとか痩せてるとか、だれにでもある特徴のひとつにすぎないわけだ。人の身体的特徴をあげつらい、笑いものにするのはよくない。あたりまえだ。「芋粥」の昔とは時代がちがう。テレビは別だ。テレビ

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