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EVENT REPORT// TOUCHDESIGNER meetup TOKYO 2022.11

2022年11月3日、『TOUCHDESIGNER meetup TOKYO 2022.11』を開催しました。このイベントは、ノーコード開発ツール「TouchDesigner(以下、TD)」の使い手たち総勢10組がTDを用いた技術開発の実績や知見の共有、パフォーマンスなどを行いながら、参加者たちと交流を行うmeetupです。

出演者+運営チーム

TouchDesignerとは

メディアアートやライブ演出、プロジェクションマッピング、センサーなどのハードウェアを活用したコンテンツ開発など、幅広い分野で使われているビジュアルプログラミング環境。ノーコードで開発可能なので、初心者でもとっつきやすいことが魅力のプログラミングツールです。
開発元は、カナダのDerivative社。https://derivative.ca/

イベント概要

イベントは3部構成。
第1部ではLightening Talkとして、TDや他ツールを用いた事業事例について4組のゲストが登壇。第2部ではKeynoteとして、TDの開発元であるカナダのDerivative社よりBen Voitさんによる、2022年や2023年のアップデートなどについての貴重なプレゼンテーションを。第3部ではLive Performanceとして、6組のアーティストたちによるオーディオビジュアルパフォーマンス。

第1部|LIGHTENING TALK

01 » バーチャルライブ制作におけるTDの運用形態 / Kazoe Nobuaki
02 » 都市3Dデータの実用例 / Kohno Madoka
03 » RealSenseの事業展開と事例について / 中村 匠
04 » デジタルアートにおけるWeb3・NFTの現在地点 / Mari Asada

第2部|KEY NOTE

TDにおける各種アップデートや活用事例について / Ben Voit - Derivative

第3部|LIVE PERFORMANCE

01 » FeLid x Ken-ichi Kawamura
02 » Keita Miyano x Horralic
03 » Andrew Valentine x ツミキルーム
04 » moistpeace
05 » Hello1103
06 » toru izumida

会場について

会場となったのは、コワーキングスペース「TUNNEL TOKYO(トンネル東京)」。横20mの巨大スクリーンや奥行き50mのLEDトンネルが特徴。セガサミーホールディングスの投資部門が運営する当施設には、多業種にわたるスタートアップやフリーランス、VCなどが集まっています。
https://tunnel-tokyo.jp/

会場:TUNNEL TOKYO

出演者インタビュー

今回のLIVE PERFORMANCE部門の出演者へ、VJや音楽へのこだわり、イベントの感想などをインタビューしました。

HELLO1103

>今回のVJのポイントは?

Resolumeをメインのツールとして使っていて、TDはサイフォンで読み込んでいます。その仕様で、今回の映像は、前半はTDを使った素材、後半はUnrealを使った素材をメインに使用しました。前半はAudio Reactiveをバチバチに使ってVJを行いました。
また、HELLO1103のVJスタイルとしては、ジェネラティブも取り入れますが、人力でエフェクトをかけることをメインでやっているので、その点でも、音楽の緩急と合わせて映像を楽しんでいただけると思います。

音に対して緻密に反応できるジェネラティブの良さと、音楽に対して反応できる人によるVJの良さって両方あると思うので、その両方の良さを活かせるパフォーマンスができるんじゃないかと思っています。

>横長スクリーンだと作り方は変わる?

横長で映えるVJと縦長で映えるVJは違うので、横長だからこそできることをやりたいと思いました。例えば、横縞のノイズをあえて残して、横幅を強調することで、広さを演出したりしました。
TUNNEL TOKYOの会場は、環境としてリッチなので、いろんなアプローチができて楽しいです。

Horralic

今回、音担当のMiyano氏と初めて組みました。
お互いに好きな世界観が近く、リミナルスペース(=見たことあるんだけど違和感がある世界観)を表現しようと意気投合。自分自身もホラーが好きで、そういう世界を表現しようと話が進みました。
制作の流れとしては、まず互いが作ったものを投げて、互いにインスピレーションを受けながら、音を作り、映像を作るというキャッチボール方式。
技術としては、Unrealでアニメーションを作って、TDで制御しました。

>TUNNEL TOKYOのスクリーンでの演出で感じたこと・今後やってみたいことは?

16:9の映像を作る時とは全く違う、かつセンターが真ん中からずれているので、その辺りの難しさはありました。
今後は、プロジェクターを持ち込んだり、立体音響を使って、空間全体での演出をしてみたいです。

FeLid

>今回のイベントはどうでしたか?

こういうトークセッションもありライブパフォーマンスもありというイベントはなかなかないですよね。
TDに興味はあったけど、クラブなどでのパフォーマンスしかしたことがなかったので、より専門性のあるプロジェクトに取り組んでいる方から直接お話を聞いてインプットできる機会となり、非常に有意義な時間を過ごすことができました。

toru izumida

>今回のイベントはどうでしたか?

ソフトウェア(TD)が切り口のイベントって、ありそうで意外とないなと思いました。オーディオビジュアルのイベントはたくさんありますが、ソフトウェアベースって新しいなと。
みなさんTDに親しみのある方々なので、誰に話しかけても話せるので落ち着くというか。笑

>今回のVJのポイントは?

今回は、スクリーンに合わせた横長の演出も入れつつ、スクリーンの凸凹やトンネルの穴があることをあえて活かして、それぞれのディスプレイを一個一個の素材として考えた切り口の演出にも挑戦しました。今後も、この会場の特性を活かしたパフォーマンスにチャレンジしていきたいと思います。

Andrew Valentine

>今回の音楽・パフォーマンスのポイントは?

通常のオーディオビジュアルのイベントではあまりない、楽器としてベースを使用したパフォーマンスを行うことで、人間性を取り入れました。
ツミキルームさんとのコラボは初めてでした。出演が急に決まったので、作った曲をツミキさんにお送りして映像を作ってもらって打ち合わせもしましたが、今日初めて見る映像もあったので、自分もパフォーマンスをしながら映像を見て楽しんでいました。笑

運営コミュニティ『GEEK』とは

当meetupは、『TouchDesigner黙々会』というTDを使った勉強会の主催であるKen-ichi Kawamura、Madoka Kohno、Yukako Konishiが企画しました。そして、この度のイベントをきっかけに、『TouchDesigner黙々会』『TOUCHDESIGNER meetup TOKYO』は、『GEEK』と合併することが決定しました。

音楽に特化したイベントとしてIkuko Morozumiが立ち上げた『GEEK』は、音楽イベントに合わせてVJともコラボをすることで、オーディオビジュアルイベント『HYPER GEEK』へと進化していきました。

当meetupの共同主催のひとりであるKen-ichi Kawamuraが『HYPER GEEK』の運営にも携わっていたことをきっかけに、今回の合併に至りました。
このコラボレーションにより、より大きなクリエイティブコミュニティ構築を目指すとともに、音楽×アート×テクノロジーを起点とした新たな交流、融合、シナジーが生まれてくることを目指します。

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執筆: Yukako Konishi
写真: Phont (ANGRM™) @phont1105 ANGRM TOKYO

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