【現役フリーランスに聞いてみた#06】25歳でフリーに転身した女性Androidプログラマ
※本記事は、ギークスマガジンにて2016/04/07に公開した記事です。
読者の皆さんは、“フリーランスエンジニア”という言葉からどんな働き方をイメージするでしょうか?今「フリーランス」の働き方が注目されています。中でも、専門技術職であるエンジニアは、この働き方がマッチする職種です。
しかし、まだ実態を知れる情報は少ないのが現状です。フリーランスを目指すエンジニア、悩んでいるフリーランスエンジニアにとっては、リアルでもネット上でも「先輩」を探すのは難しいですよね。
今回は、現役フリーランスエンジニアにインタビュー。なぜフリーランスを選んだのか?何を乗り越え、何に気付いたのか?そして、この先何を目指すのか? 「先輩」たちの生の声をお届けします。
今回のフリーランスエンジニア Y.Sさん
Androidプログラマとしてのキャリアアップを実現させた後に、不安や悩みを乗り越えて、25歳でフリーランスに転身したY.Sさん。実際にフリーランスとして働き始めてから、徐々に会社員との違いが見えてきました。フリーランスという働き方に関する悩みとその解決方法、客先常駐型の案件選びで気をつけなければいけないポイントなどをご紹介します。
プログラミングに夢中になっていた学生時代
RPGからアクション、音ゲーなど、1人で集中してやり込むタイプのゲームが好きなY.Sさん。プログラマを目指すきっかけとなったのは、高校3年生の夏に参加したゲーム系専門学校の体験入学でした。
そこで初めてプログラミングに触れてみて、”プログラミングが面白い”と感じたことから、ゲームプログラミング科を選択。専門学校卒業後はモバイルコンテンツ事業を展開する企業に就職し、フィーチャーフォン向けのアプリ開発やPHPによるWebサイト制作などの仕事を経験してきました。
その後、SES事業を展開する企業に転職したことで様々なクライアントの案件を担当し、Androidプログラマとして着実にキャリアアップしてきました。
今ではコーディングに没頭している時間が大好き。原因が分からなかったバグを修正できた瞬間や、シンプルなソースコードを書けたときには、大きな達成感や喜びを感じています。
「専門学校に入学したての頃はブラインドタッチもできない状態からスタートしたので、とにかく授業に必死でついていきました。分からないことがあれば、いつも先生をつかまえて質問攻めにしていたので、他の生徒さんから”先生を独占している生徒がいる”と学校のスタッフさん宛に苦情が出ていたみたいです(笑)。学生時代はプログラミングが楽しくて、周りが見えないほど夢中になっていました。」
将来後悔しないために、フリーランスの道を選択
会社員として働いていたときは客先常駐型の案件も多く、自分が担当する案件を自分で決めることができましたが、契約書の締結や契約金額、契約期間の調整などは全て営業職の仕事。もっと仕事全体の流れや仕組みを理解したいと思い、フリーランスで働くという選択肢を視野に入れるようになりました。
会社員を辞めて独立することは人生の大きなターニングポイント。フリーランスになるまでには、いろいろな悩みや不安がありました。5年後、10年後にフリーランスを辞めたいと思ったときに受け入れてくれる会社はあるのか、病気やケガで働けなくなったときはどうすればいいのかなど。将来後悔しないためにも、たくさんの方に相談に乗ってもらい、25歳でフリーランスになる決断をしました。
「フリーランスになるまでとても悩みましたが、悩めば悩むほど時間がもったいないと思いました。仕事を通じて知り合ったフリーランスの方々がイキイキと楽しそうに働いている姿を見て、自分がフリーランスになったときの具体的なイメージを持つことができました。」
会社員とフリーランスの違い
フリーランスで活動する際に最も重要なことは案件探し。まずは自分のスキルや希望条件に合う案件を見つけなければなりません。Y.Sさんの場合、知り合いエンジニアからの紹介でギークスに登録し、営業活動をスタートさせました。
次に重要なことは、案件の選び方。案件に記載されている報酬額は税抜きか税込みか、何カ月更新の契約なのか、特に稼働開始日については収入面に大きく影響するため、注意する必要があります。会社員であれば毎月お給料が支給されますが、フリーランスの場合は稼働開始日が後ろ倒しになればその分、報酬金額が控除されるためその月の報酬が減ることになります。客先常駐型の案件では会社員もフリーランスも面談の仕方や勤務形態は変わりませんが、フリーランスになってから案件を選ぶときに気をつけなければいけないポイントが見えるようになりました。
「フリーランスになってから帰社日など会社に拘束される時間がなくなり、プライベートな時間が増えました。もちろん収入も増えましたが、その分、自分でやらなければいけないことも増えたので、今のところはまだ、プラマイゼロかもしれません。」
目指すはiOSやサーバサイドもできるエンジニア
仕事と人に対していつも真摯な姿勢を見せています。どんな職場においても分からないことは「分からない」と言うようにし、一緒に働く人から多くのことを学んできました。ディレクターやデザイナーなど、異なる職種の人とも積極的にコミュニケーションを取るように心がけています。この仕事に就いてからは、ゲーム開発の現場ではプレステ黄金期と呼ばれる時代の開発の裏話を聞けたり、Geofenceといった近未来を想像させるスマホの機能など、技術的な話題が聞きやすい立ち位置にいると感じています。
これまでに担当する案件を変更したいと思ったことはありますが、プログラマの仕事を辞めたいと思ったことも一度もありません。今後はiOSアプリの開発スキルを身につけること、サーバサイドの開発もできるようにPythonを習得することを目標としています。
「純粋にコーディング自体が楽しいと感じているからこそ、これまでこの仕事を続けてきました。これから先も手を動かすポジションで仕事を続けていきたいです。」
最後に、バックの中身を見せていただきました。
Androidアプリの開発で愛用しているPCはLenovoのThinkPad。OSはWindowsからLinuxのUbuntuに入れ替えて、Pythonの開発環境を整えています。iOSアプリはMacBookAirで開発。同じスマホアプリでもAndroidとiOSでは動作やUIが似てるようで異なる部分も多いことから、iOSの開発流儀に慣れるためにiPodTouchを購入しました。さらに、アイコンやボタンで使用するイラストは、ペンタブを使って絵を描くこともあります。
今後は特定の製品や技術に偏ることなく、色々なデバイスに触れていきたいと考えています。
<取材後記>
プログラマとして、「プログラミングを楽しむこと」と「分からないことをとことん追求すること」を大切にしながら成長してきました。AndroidとiOSの両方できるエンジニアとして、これからさらに活躍の場を広げていくことでしょう。Y.Sさん、取材撮影にご協力いただき、本当にありがとうございました!
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