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【現役フリーランスに聞いてみた#08】ブレないポリシーを大事にするネットワークエンジニア

※本記事は、ギークスマガジンにて2016/02/04に公開した記事です。

読者の皆さんは、“フリーランスエンジニア”という言葉からどんな働き方をイメージするでしょうか?今「フリーランス」の働き方が注目されています。中でも、専門技術職であるエンジニアは、この働き方がマッチする職種です。

しかし、まだ実態を知れる情報は少ないのが現状です。フリーランスを目指すエンジニア、悩んでいるフリーランスエンジニアにとっては、リアルでもネット上でも「先輩」を探すのは難しいですよね。

今回は、現役フリーランスエンジニアにインタビュー。なぜフリーランスを選んだのか?何を乗り越え、何に気付いたのか?そして、この先何を目指すのか? 「先輩」たちの生の声をお届けします。

今回のフリーランスエンジニア N.Iさん

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コミュニケーション力や経済・金融に関する知識など自ら進んで苦手分野を克服し、行き着いたのはネットワークエンジニアの仕事。フリーランスになってからは、ゆとりのある生活を送っています。この記事では、未経験からネットワークエンジニアになった経緯や、エンジニアの仕事において大切な考え方をご紹介します。

キャリアチェンジのとっかかり

IT業界に入ったきっかけは、コミュニケーション力を鍛えるためにテレフォンオペレーターの仕事を選んだことから。大手携帯電話キャリアのスーパーバイザーを経験してからは、経済や金融の知識を得るために証券会社のヘルプデスクの仕事に就き、二種外務員資格も取得しました。

その後、腰を据えて長く働ける仕事を希望して、インフラエンジニアのキャリアが積める会社に転職。データセンターの維持管理や大規模ネットワークのリプレイス、クラウド基盤ネットワーク構築のプロジェクトなどを担当し、ネットワークエンジニアとしての経験を積んできました。

「証券会社のヘルプデスクの仕事を辞めてエンジニアになる道を探していたときは、IT業界におけるスキルの土台がどこなのか分からず、仕事や会社選びにはとても苦労しました。一言でエンジニアの仕事といっても、アプリ開発やデータベース、サーバまで多岐にわたります。システムがどうやって作られているのか自分なりに考えて、システムの全体像を知るためにはまずネットワークの分野から始めることに。派遣社員としてデータセンターの案件に入ったことが、キャリアチェンジのためのとっかかりになりました。」

あるべき未来に向かって行動する

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SIerに転職してから4年が経ち、ネットワークエンジニアの経験と実績を積み重ねてきましたが、会社という枠にとどまってITエンジニアの仕事を続けることに少しずつ疑問を感じ始めていました。

N.Iさんが目指していたのは、技術サポートからコンサルティングまで一貫して対応できるエンジニア。会社員でいる以上は会社の経営方針に合わせたプロジェクトを担当し、上司と部下の関係構築や新人・若手社員の教育なども行わなければなりません。このまま会社に居続けるのであれば、自分が理想とする姿に辿り着くには、相当な年数がかかるかもしれないと感じるようになりました。

また、20歳頃からビジネス書を好んで読むようになり、その頃から”自分の仕事の成果に対して報酬が支払われる”という考え方を持っていました。チームリーダーとして各プロジェクトの工数や費用を把握できるようになってからは自分の業務単価が見えるようになり、会社から支払われる給料と比較してはるかに高い金額で契約されていることに驚きました。

「会社の歯車として働くのは自分じゃなくても誰でもできるポジションだと思い、会社を辞めてフリーランスになる決断をしました。転職するときもフリーランスになるときも常にポジティブシンキング。未来のことは誰にもわからないので、自分のあるべき未来に向けて今の自分はどうしたらよいか、じっくり考えてから行動するようにしています。」

ブレないポリシーを持つ

これまで読んだビジネス書のなかで感銘を受けた本は『ユダヤ人大富豪の教え』(著:本田 健 )。この本からは、何もない状態からサービスを生み出す方法や、ゴールに至るまでのプロセスの重要性を学びました。エンジニアの仕事においてもこの考え方を大事にしています。

お客様から言われたことをすべて鵜呑みにして最終的に困るのは受注側。受注側が納期までに全てできない仕事を受けてしまうのであれば、それは論理破綻でしかありません。初期の見積り段階でプロジェクトの成功が8〜9割決まることから、これまで担当した案件では、最初の計画段階で工数やスケジュール、費用の算出に充分に時間をかけて検討してきました。

「火を吹いている案件なんかは特にそうですが、成果主義を貫いている現場ではゴールは見えているけど、そこに辿り着くまでのプロセスは何でもよいという状況になっているケースが多いです。そんな状況を回避するためにも、ただ単にイエスマンになるのではなく、自分の中にブレないポリシーを持って行動するようにしています。お客様からの信頼を裏切らないためにも、まずは納期を守ることが大切。時間の意識に加えて、品質を保つことやタスクの優先順位付け、お客様への報連相も怠ってはいけません。」

自分に合ったライフスタイルを見つける

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N.Iさんは2015年1月からフリーランスとしての活動を開始。フリーランスの仕事を探すときはgeechs jobに登録し、すぐに希望に合った案件を決めることができました。会社員時代には職場近くのビジネスホテルに泊まったり、始発電車で帰ることが何度もありましたが、フリーランスになってからは時間と収入のゆとりが生まれ、精神的に余裕のある生活を送れています。将来の目標は不労所得の生活。そのために一番現実的な方法として、今後は自分の企画したサービスを立ち上げたいと考えています。

「これからフリーランスになろうとしている方は、まず最初に自分の置かれた状況を整理し、今後の進路についてメリット・デメリットを全て書き出してみてください。フリーランスのライフスタイルが誰にでも合うかというと、そうではありません。フリーランスに向いている人もいれば、会社員に向いている人もいます。人によっては責任を負いたくないと考える人もいるし、具体的な指示がないと動けない人もいます。フリーランスは自由度が高い分、自分に必要なものを取捨選択していかなければなりません。本当にフリーランスになることはメリットが大きいのか、自分なりの考えをしっかりまとめてみてください。」

<取材後記>
常に「自分に足りないこと」を考え、その足りない部分を補うように行動し続けているN.Iさん。前向きな気持ちを維持するために、日頃から安定した精神状態を保つことも意識しているそうです。仕事で高いパフォーマンスを発揮するために大切なことをたくさん教えていただきました。N.Iさん、取材撮影にご協力いただき、本当にありがとうございました!

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