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【現役フリーランスに聞いてみた#01】自分が体験した道だから、若手のエンジニアにフリーランスの働き方を提案したい

※本記事は、ギークスマガジンにて2017/8/17に公開した記事です。

読者の皆さんは、“フリーランスエンジニア”という言葉からどんな働き方をイメージするでしょうか?

今「フリーランス」の働き方が注目されています。中でも、専門技術職であるエンジニアは、この働き方がマッチする職種です。しかし、まだ実態を知れる情報は少ないのが現状です。フリーランスを目指すエンジニア、悩んでいるフリーランスエンジニアにとっては、リアルでもネット上でも「先輩」を探すのは難しいですよね。

今回は、現役フリーランスエンジニアにインタビュー。なぜフリーランスを選んだのか?何を乗り越え、何に気付いたのか?そして、この先何を目指すのか? 「先輩」たちの生の声をお届けします。

今回紹介するフリーランスエンジニア Yさん

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高校時代に機械工学を学び、卒業後にシステムエンジニアリングサービスの企業に所属。18歳からプログラマーとして働き始め、複数の案件を経験することでスキルを向上させてきました。当時から起業を目標としていましたが、2017年から本格的な起業準備に向けて、フリーランスエンジニア専門エージェント『geechs job』との直接契約を開始。2017年8月に株式会社Infreed(インフリード)を創業。個人として常駐型フリーランスの働き方を実践しながら、自社の経営も行っています。24歳の若さで2児の父親でもあります。

どこで働いても大変なのは同じ。自分の目標のために覚悟を決める。

Yさんは高校卒業後、プログラマーとして働き始めました。進路を考えていた時期に、フリーランスエンジニアとして活躍している方との出会いがあり、それがフリーランスのように働くことができるシステムエンジニアリングサービスの企業を選ぶきっかけになります。

「時間の自由や、スキルが報酬に繋がりやすい、などフリーランスの働き方には色々と魅力があると思います。私の場合は、複数の開発現場に参画して人脈を広げられることが大きなメリットだと感じています。その人脈がまた新たな人脈を生み、いい出会いに繋がったり、興味深い話を聞かせていただいたりすることは魅力的な点ですね。」

社会人1年目からフリーランスの働き方に興味を持って飛び込んだYさん。魅力ある働き方ではありますが、新卒社員を自社のエンジニアとして丁寧に育てる企業に比べると、自力でキャッチアップしなければならない比重が大きいというのも事実です。

「新社会人にとってゼロから仕事を学ばなければいけないことは、どこでどんな働き方をしていても変わらないと思います。違いは“教えてもらう”のか、“自分で学ぶ”のかの差です。もちろん、フリーランスはシビアにスキルを見られるので、より厳しい環境ではありますが、不可能なことではないと思っていましたね。」

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厳しい環境でありつつ乗り越えられたのは、この働き方を選ぶきっかけになったエンジニアの方の存在がありました。

「その方は、周囲の中でもずば抜けてスキルがあり、かなり高額の報酬があるようでした。その姿を直に見ることが出来たので、“自分でも頑張れば…”と明確に目標がもてましたね。だから、働き始めた当初も“今は苦しくても、いつか報われるなら”と頑張ることが出来ました。」

Yさんは厳しさを覚悟して、成長や報酬を求めて、自らフリーランスの道を選びました。

仕事をし続けるために、がむしゃらだった一年目。

フリーランスに懸念を抱いている人には“仕事がなくなるリスク”を拭いきれない方が多くいます。実際に6年の経験があるYさんによれば、これは実態とギャップがあるように感じるようです。

「私は卒業後すぐフリーランスになりましたが、これまで仕事自体がなくなることはありませんでした。私は経験が少なかったために、営業活動が簡単ではありませんが、多くのフリーランスを検討している方は正社員として開発経験を積んでいるはずなので、より仕事がなくなるという不安については心配いらないのではないでしょうか。」

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フリーランスのメリットのひとつに案件を自分で選べる点があります。しかし、フリーランスには即戦力が求められるため、基本的にはエンジニアの経験が生かせる案件の中で選ぶことになります。

Yさんも、まだ経験が足りなかった時期には、なかなか希望通りの案件に参画することはできませんでした。それでも仕事を途切れさせることなく経験を積み、現在は希望していたAndroidの案件へ参画。営業活動時もAndroid案件の中で、いくつかの条件を提示してより希望にあった案件を選択しています。

「最初のころは、まず仕事を見つけなくてはいけないので、案件を選ぶ幅を広げていました。もちろんAndroidを条件に入れておきますが、当時Androidの案件が今ほど多くなかったという状況もあったので、こだわりすぎずに色んな案件で経験を積んでいきました。Androidの案件に入れたのは1年経ったあたりでしょうか。当時は少し厳しい環境だったかもしれないですね。」

覚悟を決めたとはいえ、最初の一年は厳しい状況も続きました。それでも乗り越えられたのは、家族をはじめ多くの人の支えがあったようです。目標や周りの応援を励みに、必死に仕事に取り組み続けた結果、少しずつ結果が出て成長を実感できたことも、Yさんの後ろ盾になりました。

可能性のある若手エンジニアにフリーランスを浸透させたい

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Yさんは、フリーランスとして働き始めてから自分と同世代の若手の人たちへ向けて「もっとフリーランスの働き方を知ってほしい」と想いを持ち続けてきました。就職活動や転職活動をする選択肢に、フリーランスが当たり前に入る世界を目指しています。

「私はフリーランスとして複数の開発現場に参画してきました。そこで、思うように活躍できなくて燻っている方や、スキルはあるのに人間関係に悩んで精神的に落ち込んでしまう方を見てきました。そんな状況はとてももったいないですよね。悩んでいる人を見ると、『無理な働き方をしなくても、もっと選ぶことができるのに』と毎回思うんですよ。」

終身雇用は崩壊したと言われていますが、“ひとつの会社で長く働く美学”は、いまだに一部では残っているのではないかとYさんは言います。「この会社を辞めてしまったら、もう仕事がないかもしれない」「やっと就職できた会社なのに」そうした想いからひとつの会社に固執してしまう方もいるのかもしれません。

フリーランスとして仕事を獲得し続けることに不安があるのなら、エージェントの営業代行を利用する方法もあります。

「エージェントを利用すれば、自分で営業するより多くの案件から受注するものを選ぶことができるし、報酬の支払いスパンがクライアント直の契約であるよりも早い場合もある。リスクの軽減にもなると思いますが、まだエージェントの活用方法を知らない方も多いかもしれません。」

可能性がある若手が、フリーランスとして働き、案件単位でやりたいことを選ぶことが出来るのなら、エンジニアとしてもっと成長できる。現在スキルを持っていながら活躍できずに入る人達が、より自由に働き方を選択できれば、IT業界時代はより活性化する。そうした好循環が生まれるとYさんは信じています。

若手エンジニアに、自由な働き方を広める会社を創業

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ついにYさんは、“フリーランスの働き方を若手エンジニアに”という想いを形にします。2017年8月1日に、若手エンジニアに特化したシステムエンジニアリングサービスを展開する株式会社Infreed(インフリード)を創業しました。
正社員雇用形態で、フリーランスのように複数の企業の開発現場に参画する働き方を提供し、フリーランスの魅力を知ってほしいそうです。

「若手エンジニアがInfreedで経験を積んだ後は、完全にフリーランスとして独立したり、私と同じように起業したり、はたまた全く別のことをしたり…、何に挑戦してもいいと思っています。あくまで働き方のひとつの選択肢として、フリーランスを提案してあげたいんですよ。さらにもっと気軽にフリーランスを選べるようにしたいというのもひとつの目標です。」

Yさんは今後のビジョンについて「働き方を広めることをミッションとする者として、自分自身も色々な働き方にトライしていかないといけない」と語っていました。まずは自分で試してみるために、行動をおこすようです。

若くしてフリーランスとして独立したYさん。現在のように目標だった起業を果たすまでには、厳しい環境でも覚悟を持って臨んできた過去がありました。Yさんのように、どんな状況でも目標をブラさずに技術を磨き続けることは、フリーランスエンジニアには大切な姿勢なのかもしれません。

私流フリーランスエンジニア3つの教訓

今回Yさんのインタビューから3つの教訓を得ることができました。

■仕事を受注し続けるには、状況に応じて案件の希望条件を変更する
「どんな案件でどんなスキルを磨いていきたいか」と、自分の希望条件を明確にすることは大切です。しかし、フリーランスは仕事が受注できなければ、収入源を失ってしまいます。「希望する案件が市場で少ない」「現在の実力を遥かに超えるスキルを要求される」など、外的な要因も踏まえて総合的に状況を判断し、希望条件を緩和することで、仕事を継続的に受注することが出来ます。
■ 自分の技術を生かせる環境はないか、広い視点を持つ
ひとつの職場しか経験がない、そもそもエンジニアとしての経験が少ない、という状況にあるとき、自分の市場価値を独断で正確に測ることは難しく、過小評価をしてしまうことがあります。その結果、自分とはミスマッチな職場環境であっても執着をしてしまう人は少なくありません。自分の経験だけで情報が足りない場合は、意識的に広い視点を持つことが大切で。一歩足を踏み出すことで、自分にとって心地よい働き方が手に入るかもしれません。
■ 忙しいフリーランスは朝の過ごし方が重要
Yさんは受注している開発案件と創業準備を同時に進める忙しい日々を過ごしていました。さらにご家族との時間も大切に考えています。そうした生活において“朝の過ごし方”が大変重要だそうです。夜に作業をしてしまうと、次の日に疲れが残りモチベーションが上がりづらいですが、朝に作業すると集中しやすく、だらだらと時間が経ってしまうことも少ないため効率がいいようです。

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