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パリ・オペラ座の日々1993~1994:2月3日 オーヴェル・シュル・オワーズへ


2月3日

昨日の疲れで午前中はゴロゴロ。午後は意味不明のケンカで一人で家出した。昨日イリフネで借りて来た堀内誠一の本の影響で、オーヴェル・シュル・オワーズに行ってみる。各駅停車に乗って一時間半くらいで到着。どんより曇りの寒空で、例の教会前に行ってみたりした。ゴッホのお墓と思って麦畑を歩き出したけど、途中でなんだか強烈に不吉な感じがしてきて引き返す。村の中を小一時間ウロウロして、あまりに寒くてカフェに入ってみたら、地元の人ばかりでギロリと睨まれた。。カフェオレをそそくさと飲む。

Valmondoiという場所で乗り換えだったのだけど、乗り継ぎ電車が発車するまでの10分くらいの車内ですっかり寂しくなってしまった。

夜8時半にバスティーユで待ち合わせて、一緒にピザ食べて、Maribuのクレーンゲームやったりして帰宅。たまに一人で動くのも良い経験かもしれない。

SNCF 46 F
カフェ 22F
ピザ 89F
Maribu 200F
カフェ 28F
クレープ 9F


ケンカの内容はすっかり忘れてしまいました。たぶんすごくどうでも良いことだと思います(笑) 連日あれこれ予定を入れるので、お互いに疲れてたんでしょう。

で、この日は僕ひとりで郊外に出かけることにしました。

二日前に行ったシャルトルも含まれますが、この日出掛けたオーヴェル・シュル・オワーズはイル・ド・フランス地域圏と呼ばれるエリアにあります。関東地方で言えば、東京23区に対しての都下+埼玉+神奈川+千葉…みたいな感じでしょうか。大都市パリの周辺部で、パリと合わせるとフランス総人口の18パーセントがこのエリアに集中しています。


で、パリから北西へ30キロくらい行ったオーヴェルに何があるのかというと…

これがあります。


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オーヴェルのノートルダム教会(L'église Notre-Dame d'Auvers)

はい。もちろんこちらの絵画のモデルですね。

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南仏での困難な時期を経て、1890年5月にこの地にやって来たゴッホは、わずか2か月の間に70点もの作品を描き、7月27日に亡くなりました(拳銃自殺というのが定説ですが、諸説あるようです)。

2か月で油絵を70点ってどう考えても凄すぎます。もちろん精神的に異常だったから南仏での騒動の日々があったわけですが、それにしても爆発するような創作意欲です。

ゴッホが本格的に画業に打ち込んだ期間はわずか10年とされていて、その期間に油彩860点などトータルで2100点の作品を残しています。まさに燃えるような情熱ですね。


拳銃自殺したとされている麦畑と、その向こうにあるゴッホと弟テオのお墓も見に行こうとしたのですが、あまりに冬枯れたお天気と、誰一人すれ違う人も居ない光景にすっかり怖くなって、結局お墓へは行きませんでした。


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本当に寒い一日で、歩き疲れて一息つこうと入ったカフェでは、地元のひとばかりがいっぱいでギロリと睨まれました(笑) 夏場なら観光客もたくさん来る場所なんでしょうけど、当時はまだまだ東洋人は違和感ありましたからね。仕方がないことです。


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どこかにカメラを置いて自撮り(さみし~~)

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新設な看板

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めっちゃ怖い麦畑。不吉な予感しかしない(笑) ここを登り切った場所に墓地があります。


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パリへ戻る乗り換え駅のヴァルモンドワで。夕暮れ。

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ヴァルモンドワで自撮り… ずっと二人で動いてたんで、たまに一人だと超寂しい(笑)

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