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パリ・オペラ座の日々1993~1994:1月23日 オペラ座バレエ学校の発表会


1月22日

ここ何日かの観光でちょっとくたびれてしまいダラダラ過ごす。遠い親戚のKさんがツアーでパリに滞在しているらしく、実家側からぜひ会いに行くようにとの指示が出る。ホテルに電話したりして一生懸命連絡を取ろうとするがなかなか繋がらず、結局深夜12時くらいにようやく翌日朝に会う約束をする。メチャクチャな要求でとても困る。

Shoppi 50F
PTT 33F


1月23日

朝7時前にアパートを出て、コンコルド・ラファイエットのホテルへ駆けつけるが、結局Kさんを含むツアー客はすでに出発した後で無駄足だった。もう笑うしかない。ちょっと腹が立ったけど、気を取り直して早朝のパリを満喫する。

フラッとはいったカフェで出てきたクロワッサンが超絶美味しくて急にウキウキしてきた。サン・マンデに戻って朝市でゆっくり買い物して帰宅。ソーセージ、甘いニンジン、クレッソン、フレデリックが分けてくれたオリーブオイル、70Fで奮発して買ったSt.Julianの赤ワイン🍷、オーベルニュのカンタル🧀などで最高のランチ。

少し眠ってからオペラ座へ。パリ・オペラ座バレエ学校の発表会。可愛い子供たちの踊り(といっても将来を嘱望される超エリート、金の卵たち)、ベッシー校長、ボゾーニ先生など間近で観れて嬉しかった。

カフェ 78F
市場 150F
プログラム 50F
中華レストラン 244F


22日、23日と、またもや日本からのお客さんのお世話案件が入ってきて、少し振り回されました。今だったらスマホとネットで難なくクリアできることですが、この当時は連絡手段がほぼ電話だけですから苦戦してます。まあこういうのも今となっては人生経験のひとつですね。

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でも悪いことばかりじゃなくて、23日に早起きしてパリの中心街に出かけたおかげで、早朝のカフェで焼き立てクロワッサンを食べることができました。これが最高に美味しかったんです。今でも記憶に鮮明に残ってるくらいに! パリに来てからたくさんのお店の美味しいバゲットやクロワッサンを食べましたけど、クロワッサンだったらこの時のものが最高だったと断言できます。どこのお店が焼いたものだったのか…?なんとなく出てきたものが衝撃的に美味しいってすごく嬉しいですよね。


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この日のガルニエ宮は、パリ・オペラ座バレエ学校の発表会(デモンストレーション)。下は9歳くらいから、卒業間近の子は18歳くらいまでが出演して、日頃のレッスンの成果を披露します。まとまった演目というのではなく、普段通りの基礎的なレッスンの流れを舞台上で再現するような流れでした。

バレエ学校といっても、彼らは世界最高峰のバレエ団員になる可能性を秘めた超エリート集団ですから、いわゆる「発表会」的なユルさは微塵もありません。それぞれの成熟度に見合った演目が張り詰めた空気の中で展開されていきます。


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面白かったのは、それぞれのクラスを受け持つ先生も舞台上に登場すること(全部の演目ではなかったように思いますが…)。普段のクラスでの指導のように、先生が脇に立って声を掛ける様子はなんだか微笑ましかったです。

その時最高学年を指導していたマックス・ボゾーニ先生(1942年にパリ・オペラ座のエトワール)が、力強くジャンプをキメたカール・パケット(2009年にパリ・オペラ座エトワール)に向かって「Comme Patrick Dupon!」と声かけして、会場全体が優しい笑いに包まれた瞬間がありました。

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