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M-480 弥勒菩薩半面(中宮寺)

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石膏像サイズ: H.34×W.18×D.14cm(原作サイズ)
制作年代  : 7世紀頃 飛鳥時代
収蔵美術館 : 奈良・中宮寺

奈良にある中宮寺のご本尊”弥勒菩薩半跏像”の半面です。奈良の中宮寺は七世紀前半の創建とされ、”聖徳太子建立七寺”の一つとされています(他には四天王寺、法隆寺など)。同じく聖徳太子ゆかりの法隆寺と隣接しており、たいへん重要な寺です(現在地に移転されたのが16世紀という記録があり、オリジナルの建造物は失われてしまっているようです。400メートルほど離れた場所が大元の場所で史跡になっています)。

仏像の高さは132cm、座っているのでほぼ等身大彫像と考えてよいでしょう。飛鳥時代に作られたことは確かなのですが、作者やその背景などはよく分かっていません。半跏像というスタイルは朝鮮の影響が強いとされており、朝鮮で製作されたもの、渡来人によって製作されたもの、というように様々な説があります。材質はクスノキ。一本の木材から削りだしたものではなく、頭部の前後、胴体、足、台座などはそれぞれ別個の木材を組み合わせて作られています。衣が台座にむかってダイナミックに垂れ下がっていて印象の強い菩薩像です。

菩薩とは、インド”釈迦族”の王子だった釈迦が家族や財産を捨てて出家する前の貴族の姿とされています。出家し、悟りをひらいた姿が如来で、菩薩はその前の悟りを求めている段階になります。菩薩のなかでも様々なバリエーションがあって、弥勒菩薩、観音菩薩、地蔵菩薩などがあり、それぞれに設定が決まっています。この半面の弥勒菩薩は、未来仏と呼ばれ、釈迦の入滅後(亡くなってから)56億7千万年後に人々を救う存在とされています。

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奈良・中宮寺の弥勒菩薩像 (写真はWikimedia commonsより)


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