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パリ・オペラ座の日々1993~1994:1月月9日 オランジュリー美術館、フラメンコ公演


1月9日

昼起きてすぐに出かける。冬枯れたチュイルリー公園を横切ってオランジュリー美術館へ。ルノワール、セザンヌ、ピカソ、ユトリロ、モジリアーニ、ローランサン、モネ等あり楽しい。特にモネの「睡蓮」が部屋いっぱいに広がる光景に感動した。冬のパリがそのまんま伝わってくるユトリロもとても素敵。

時間ギリギリになってしまい、慌ててシャトレ座の劇場へ。マイマイの友人数人と一緒に観劇。フラメンコの舞台は迫力があって素晴らしかった。ただ職人芸という感じで、ストーリー性とか構築感は一切無くて、場の高揚感が全てという印象だった。

一緒に観たグループでレピュブリックまで移動してスペイン料理を食べた。マイマイと同じ旅行会社の人が二人、野田幹子さんという歌手の方、我々夫婦。いわせさんという旅行者の人は、スペイン在住歴があるそうで色々とたくさん教えてくれた。野田さんとは音楽の話で盛り上がり、ナーヴ・カッツェのことを知っていて面白かった。パエリアはいま一つのお店だったけど、大学の飲み会みたいにワイワイして楽しい一夜だった。

オランジュリー美術館 36F
カフェ 30F
スペイン料理 500F


日本からの友人、親類の来訪もひと段落して、ようやく自分たちらしく過ごせた一日でした。

巨大なルーブル美術館のすぐ隣に位置するオランジュリー美術館を訪問。チュイルリー公園の中にある、より現代的な作品を展示する「ジュー・ド・ポーム」と対になるように建っているコンパクトな美術館です。


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オランジュリー美術館の入り口。チュイルリー宮殿のオレンジ温室(オランジュリー)だった建物が1927年に改装されて美術館になりました。


すぐそばに巨大なコレクションを擁するルーブルとオルセーがありますが、このオランジュリー美術館もなかなかのコレクションです。ひとつの部屋(たしか地下だったような記憶…ちょっとあやふや…)が丸ごとモネの睡蓮になっている部屋をはじめ、ここならではという展示もあります。

基本的には印象派、ポスト印象派の作品群で、モネ、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソ、モディリアーニ等々。とくに印象的だったのがスーティンのコレクションで、これでもか!というくらいあのドロンとしたタッチの作品が並んでいます。

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スーティンって生肉系が多い(笑)


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スーティン


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もちろんこんな最高のセザンヌなんかもあります


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そして部屋丸ごとの「睡蓮」。これはここでしか見れない光景で圧巻です。


オランジュリー美術館が想像以上に素晴らしくて、夜にフラメンコ観劇の予定があったのについつい長居してしまいました。

慌ててシャトレ座へと移動してフラメンコ観劇。

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クリスティーナ・オヨスさんというダンサーを中心にしたカンパニーで、オヨスさんはかつてアントニオ・ガデス舞踏団の中心メンバーだったようです。この日も、重厚なフラメンコが展開されて素晴らしい舞台でした。振り付けが…とか、芸術的に…とか云々するようなものではなくて、やはり「場」の高揚感が全てという感じがしました。

毎晩クラッシックバレエを観続けていた日々だったので、この日のフラメンコはすごく印象的で、足で踏み鳴らすその「重さ」がすごいなぁと。


この日は、妻の友人でたまたまパリ駐在となっていた旅行会社勤務の方からチケットを譲っていただいての参加でした。終演後はみんなでスペイン料理店で食事したんですけど、日本人ばかり5人での会食ということで、久々に思いっきり語り、笑った記憶があります。

その時はあまり気に留めなかったんですけど、歌手なんです…という方がいらして、音楽の話で盛り上がったりしました。さっきググったら、じつはずいぶん活躍していらしたようで、知らなかったのは申し訳なかったなぁと26年後に反省しています(笑)

野田幹子さんというアーティストで、ミノルタのCMソングを複数手がけてらっしゃいます。You Tubeでの歌唱もすごく美しい歌声ですね。


作曲がムーン・ライダースの鈴木慶一だし!
あ、だからナーヴ・カッツェのことを知っていたのかな?ムーン・ライダースは基本的に立教大学のOPUSというサークル出身者で、ナーヴもOPUSの先輩だから。


そしてこれありました!すごいなぁ。杉さん、石井明美さん、窪田晴男さんと一緒に。曲は杉さんなんですね、素晴らしい。



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