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パリ・オペラ座の日々1993~1994:10月10日 秋の味覚を市場で


10月10日

早起きして駅前の市場に出かける。狩猟が解禁のようで、ウサちゃんとか、キジのような鳥とかいっぱいぶら下がっていて楽しい。牡蠣屋さんが来ていたり、あれこれ変化がある。今日は牡蠣、ケーキ、キノコ、カンタルチーズ等グルマンに大量購入。昼から牡蠣とワインで乾杯し盛り上がる。午後も家ですごして、夜はトンカツを作って食べました。

市場 199F


僕の28歳の誕生日でした。自分で食材の買い出しに勇んで出掛けて、いつもよりちょっとリッチに買い込みました。


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秋が深まって気温が下がって来て、市場の食材にもあれこれ変化が見えます。ジビエ的なお肉とか、キノコ、ブドウなどが増えてきました。

実際にジビエ(gibier)だったのかどうかは定かではないですが、この頃から急にお肉屋さんの店頭に丸まんま姿のウサギちゃんとか、仕留めたばかり…感のあるキジみたいな鳥の姿が増えました。日本人なのでちょっとグロテスクに感じてしまう部分もあったのですが、逆に考えると巨大なマグロをバツンと解体する築地の光景はフランス人にとっては同じように見えるのかなぁなんて考えていました。


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実際にフランスのテレビで築地市場を取材したドキュメンタリーを観たことがありますが、明らかに撮影の視点が「こんなにデカい魚をバンバン処理している!こわ~~い」って訴えかけてくるような映像でした(笑) 日本人にとっては、可愛いウサギが皮を剥がれて一匹ぶら下がっている光景はかなりインパクトがありますから、これはお互い様ということですね。


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とはいえ僕はこういったことにはそれほど抵抗感は無くて、夏の旅行で訪れた南仏カヴァイヨンでラパンの料理は美味しくいただきましたし、市場で売っている色んなお肉は大絶賛でいつもほおばっていました。豚肉でもなんでも本当に美味しいんです。まじで。


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この日は牡蠣を買ってみたり、いつも贔屓のオーヴェルニュのチーズ屋さんで多めにお願いしたりしました。牡蠣は殻付きが基本で、アパートに道具があったので自分で開きました。おそらくブルターニュからのものだったと思いますが、潮の香がギュッと詰め込まれたような美味しさでした。


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僕が毎週のように通ったオーヴェルニュのチーズ屋さんは、この「フルム・ダンベール」と「カンタル」の2種類しか売らないコアな業者さんで、その代わりその二つがとびきり美味しかったんです。カンタルの味は今でも夢に出てくるくらい(笑)


※この記事で使用した市場の写真は、すべてWikimedia commonsの写真です。実際に僕が通っていたSt.Mandeの写真ではなく、パリ、フランス各地の市場の写真を使っています。




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