普通に虐待の相談をしても警察官には効果なし?【川島さん03】
教えてくれたのは:毒親脱出の専門家の川島崇照さん
プロフィール
■おとなの親子関係相談所 代表
■川島崇照メンタルトレーニング・オフィス 代表
新潟県出身、1974年生まれ。 ストレスを抱えた親から毎日のように否定や罵倒を受けていた。 家のなかでは日常的に怒鳴り声が飛び交っており、そのせいか、いつもビクビクしながら親の顔色を伺っていた。 社会人になってから自信のない自分を変えたいと考え、あるとき受けたカウンセリングをきっかけに、自分の親の不健全さに気づく。それまでに悩み続けてきたことの原因が見つかった瞬間。 自分の心が回復していくなかで、同じように親子関係で悩む人を救いたいと考え、会社を辞職しカウンセリングを学び始める。 その後、2011年にカウンセラーとして独立し、おとなの親子関係相談所を設立する。 妻と子ども2人をこよなく愛す。
話を聞いてみた
nigeruno:警察に相談するという話が出たんですけど、私も個人的に一回警察に相談したことはあるんです。暴言を録音したり、写真に残してたりはしてたんですけど、それを警察の人に見せてもなかなか取り合ってもらえなかったんですよね。話は聞いてももらえたんですけど、その警察官の人も私と同じぐらいの娘がいたようで…「そういう風にお父さんのことを思うのは悲しいな」みたいな、なだめられてしまう感じになってしまったんですよね。
川島:警察官も人間なので。こんな風に言ってしまえばあれなんですけど…どうしても主観があるわけですよ。なので、例えば「親からこういう風にされたんです」っていう録音・写真を見せても、それを見た人の主観によって「それほどでもないな」って判断されちゃうこともあって…なので、できるだけ「客観的な情報」を出すのが重要なんですよね。しかも1つや2つじゃなくて、できるだけたくさん。しかもそれが小さい頃から今までずっと行われているよっていうことが重要です。客観性も重要だけども、信憑性も重要なので。
実際にサポートするときは、疎明資料っていう「いつどこで誰からどのようにされたのか」っていうことが記載された書類を作るのもサポートしています。作るときはだいたい50個くらいの情報を載せたりするし、昔の幼稚園・保育園とかの頃から大人になった今までの年代別に情報を出してもらって、それを疎明資料にします。その時に私がやるのは、「誰が見てもこれは危険な行為だね」「それを親からされているね」「しかも、それは長年毎日行われていたね」っていうことが分かりやすくなるような言葉に置き換えていくんですよね。
nigeruno:言葉選びとか。
川島:「頭を叩かれた」っていうよりは、「頭部を殴打された」の方が危険性をわかりやすいじゃないですか。
nigeruno:確かに!
川島:警察官が親だったりすると、「頭叩いちゃうときってあるよね」みたいな感じでとられがちなので。それはいくらたたいちゃったからといっても暴力なわけだから。頭部を殴打されたっていう「ああ、これは危険だね」って思える言葉に置き換えていくっていうことをしていきます。
nigeruno:確かにそういう言葉選びも大事ですし、過去のことから集めるのも大切ですね。証拠集めしてる人は多いかもしれないんですけど、やっぱりスマホ持ち始めたぐらいのものからになってしまったりしてるので。昔のことから整理するのは大事かもしれませんね。
川島:そうですね。長い時間たくさんされたという信憑性が重要になります。
続く…
あとがき
警察に言ったけど取り合ってもらえなかった…こんな体験は少なくないんじゃないかと思います。
特に当時は、警察を最後の切り札として考えていたので、取り合ってもらえなかったときは深く絶望し、先が見えなくなってしまいました。
「疎明資料」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、心が落ち着いているときに、幼少の時されたこと・言われたことなどを細かく書き出してみることが、脱出の一歩に繋がりそうですね。
しかし、その記録が親に見られないように注意してくださいね…(nigerunoのサイト上で記録を残せるようなサービスあってもいいかも…?)
そういった資料は警察だけでなく、住所の閲覧制限をかけるときの手続きでも使えます。思い出すことは辛いですが、気が向いた時にやってみてくださいね。
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