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毒親の定義は?〜もし親が他人だったら一緒にいたい?〜【川島さん07】

教えてくれたのは:毒親脱出の専門家の川島崇照さん

プロフィール

■おとなの親子関係相談所 代表
■川島崇照メンタルトレーニング・オフィス 代表

新潟県出身、1974年生まれ。 ストレスを抱えた親から毎日のように否定や罵倒を受けていた。 家のなかでは日常的に怒鳴り声が飛び交っており、そのせいか、いつもビクビクしながら親の顔色を伺っていた。 社会人になってから自信のない自分を変えたいと考え、あるとき受けたカウンセリングをきっかけに、自分の親の不健全さに気づく。それまでに悩み続けてきたことの原因が見つかった瞬間。 自分の心が回復していくなかで、同じように親子関係で悩む人を救いたいと考え、会社を辞職しカウンセリングを学び始める。 その後、2011年にカウンセラーとして独立し、おとなの親子関係相談所を設立する。 妻と子ども2人をこよなく愛す。

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話を聞いてみた

川島:毒親ってどういう人なのかっていう話なんですけど。「毒親って何する人ですか」「何すると毒親なんですか」「私の親は毒親ですか」ってよく質問もらうんですよ。毒親の基準の話なんですけど、毒って「親が毒」なんじゃないんですよね。親との関わりによって子供側が影響を受けちゃって、その影響によって自分らしく生きていけないっていう、「その影響が毒性」だから。

親がどうであっても関係なくて「自分が親との関わりの中で傷つけられていて、人間関係に不具合が出ている」とか、「自信を持って生きていけない」とか。そういう状態になってるのであれば、もう親は毒親だったっていう話なんですね。

nigeruno:なるほど!あくまで自分がどう感じたか、親がどうこうという話じゃないってことですよね。

川島:毒親をかえて安全な親にしていくっていうのが根本的な解決につながるわけじゃないんですよね。親が変わるかどうかは親が決めることだから。かわってくれればいいけど。でもそれは5%ぐらいしかないので(別記事note)。

変わろうと努力しない親とこれから関わっていくってなった時に、あまりにも関わっていて、危険なのであれば物理的な距離をとらなきゃいけないし。関わってもいいレベルくらいの毒性なのであれば、日々の関わりの中である程度嫌なことは嫌だっていうとか、嫌なことはもうやらないって決めるとか。とにかく親に期待を持たせないように関わるやり方もあるし。

nigeruno:親から言われたことを断るとか結構怖かったりすることもあると思うんで、その辺のあんばいは川島さんと一緒にやりながらがいいのかもしれないですね。

川島:まあね。でも、その断ることが怖いっていうことになると、たぶん断ったらいろんなことをされるっていう予測がついていると思うので、何かしてくるっていう。その強烈な親からは、そもそも物理的に離れたほうがいいかもしれないよねって話になりますね。

nigeruno:ああ、なるほど…

川島:怖いのを我慢して、それでも頑張ってやりましょうっていうのはあんまり良くないですよ。危険な親がそばにいるから怖いわけで、心がちゃんと機能しているから怖いっていう気持ちが出てくるわけだから。我々の心が「あなたの親は危ないから早く避難しなきゃいけないよ」と教えてくれる時の感情が恐怖心なので。避難しなきゃいけないんすよね。

nigeruno:確かに。だからそれこそ親を変えようとか、一歩一歩やっていこうってよりかは、自分で避難するとか。そっちの道を選んだほうがいいってことですね。

川島:ここら辺は人それぞれですからね、これって一つに決めきれないけども。断れるっていう人だったら断ってけばいいし、それも怖くてできないよって思う人だったら、たぶん親が危険なわけだから離れてもいいし。だから怖いことを無理して頑張りましょうってわけではないよって話ですね。

nigeruno:なるほど。その辺のケースって本当に人によると思うので、そういうところをプロの川島さんに相談してできるのが、カウンセリングのいいところなんだなって思いました。自分の場合だと、怖いけど頑張ろうとか思っちゃったりするタイプなので。それで脱出に時間がかかったので…

川島:親と親子関係が改善していって仲良く付き合うっていう目的の人もそれはそれでいいし、親から離れていきたい。絶縁したいっていうふうな方向性で目指していく人もそれはそれでいいし。ただ多くの方がそこで悩むのは、絶縁とかっていう物理的な距離を取ることを考えていかなきゃいけないレベルの親なのに、まだ頑張って仲良くしていこうっていう人も多いから。

nigeruno:それは多いと思いますね。

川島:そこがみんな最初迷いますよね。

nigeruno:やっぱり親なんだから、家族なんだからっていうのがありますね。世間からの目とかもあるし。

川島:よくお伝えするのは、「もし親が他人だったら一緒にいたい?」って聞くんですよ

nigeruno:あぁ…それめちゃめちゃわかりやすいかもしれないですね。

川島:他人だったら一緒に居たくないですって言っていたら、その一緒にいたくない人がたまたま親だったっていうだけだよっていう話をします。そうすると「あー!」ってなるんですね。

nigeruno:確かにそうですね。それで無理だ。他人だったら一緒にいないなっていうタイプもあるだろうし、たまにいいところあるから、そういう時は別に一緒にいてもいいんだよね、みたいな人もいるかもしれないし。

川島:そういう時は一緒にいてもいい時は一緒にいてもいいんだけど、いたくない時はいないっていう、態度を示さなきゃいけないんですよね。「そんな風に言われたらすごく傷つくから、今日は一緒にいたくない」みたいな感じで断って離れていかなきゃいけないんだけども。

何か言われそうだから、本当は離れたいけど我慢しておこうってなっちゃうと、親は子供を見て我慢してるようには見えないので、自分が傷つけてるっていう発想もなく、どんどんまた傷つけ続けるわけだから麻痺してくるんですよ。なので嫌なことは嫌だ、ダメなものはダメ。ちゃんと言葉にして伝えることは重要ですね。

nigeruno:ずっと家庭の中にいると、それが当たり前になったりとか、何か言っても無理なんだろうなって、勝手に諦めてたりとかがあると思うので。そういうのアドバイスしてもらいながらやっていくっていうのがいいんだろうなって思います。

川島:なのでよく迷う人には判断基準として「怖く感じたら、傷つけられているときだから、断って離れよう」ってもう決めておきましょうって言うんですよね。悲しくなったら、それは言葉や態度で傷つけられているときだから。そのまま居続けるってのはあんまり良くないよねとか。なので、悲しいとか怖いとか、あと寂しいもあるけども。大体そこら辺の感情を感じているときは傷つけられてる時だよ。我慢するときじゃないよっていう風に伝えて、相談者の人にこれから態度や振る舞いを変えていってねっていう風には話をしてます。

nigeruno:確かにそうですね、どんどん傷つけられてきて、それで病気になったりとか、もう命が危なくなっちゃったりとか、そういうことも本当にあるので。でもそういう危険があるときっていうのは一つの判断材料ですね。

川島:そうですね。

💡毒親の基準は親ではなく、子供が親からの影響で生活や心身に支障が出ているかどうか
💡「もし親が他人だったら一緒にいたい?」自分に聞いてみる
💡怖く感じたら、傷つけられているときだから、断って離れよう

あとがき

「親が他人だったら一緒にいたい?」これ、核心をつく質問ですね…

苦手な友達、嫌な上司、そんな人がたまたま親だったと考えれば、自分を責める必要はないですよね。

そういう人とは、距離を置くコミュニケーションをとる・なるべく関わらない・絶縁する、など他人だったら普段そうやって対処していると思います。

親だから嫌がっちゃいけない…縁を切ってはいけない…ということはないんですね。


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