終わり方

ぼくは死ぬことしか終わり方をしらない。人生の終わりは死だけしかないと思ってるから、死にたいって思うと考えてる。ハッピーエンドのその先も、絶対普通の毎日や辛いことがあって、死ぬ。もし、死ぬ以外の綺麗に終わりと呼べるものがあるなら教えて欲しい。

この間、一緒に暮らしていたハムスターが死んだ。死んだ時は終わったんだ。という気持ちが強すぎて、死んだ現実が受け入れられなかった。まだふわふわしてるーとか、ニコって笑って死んでるーとか、死が悪いことや別れだと思えなくて、他人事のように片付けをした。この子を幸せに終わらせることができて、少しの自信になった。

夜、ハムスターは夜行性。衰えが見えてきてから、暖房がいちばん暖かい部屋で過ごしてるハムスターの隣にマットレスを持ってきて3人で寝ていた。2時から聞こえる回し車の音を聞いて眠りに落ちる。でも聞こえない。ここで終わり、別れ、死について考えた。泣いた。

死にたいと軽々しく口にしている自分。もしかしたらもっと生きたかったかもしれないハムスター。ぼくの命をあげられたらいいのに、と何度考えたことか。会いたい。ぼくが死んだらこう思ってくれる人は何人いるんだろう。その人たちが生きてる限りは生きようと思った。

辛いことの終わり。諦め方が死だと思っていた。死んだら楽になれると思っていた。幸せな瞬間に死にたいと思っていた。そうすれば、幸せが続くと信じていた。でももう少し生きることになりそう。

生きるためにぼくは精神科に通って、病気と向き合う生活をしている。今でも毎日死にたいし、終わりたい、消えたいと思っている。それが悪い事だとも思ってない。ただの願望だから。野球選手になりたい、アイドルになりたい、社長になりたい、お金持ちになりたいと同じ。ただ死にたいだけ。でも死にたいって思ってるだけ。実際は死にきれないで生きてる。家族のせいで生きてる、死んだハムスターのせいで生きることになった。誰かのせいにして生きるのは簡単だけど、生き続けるのは難しい。続けることはどうしてこんなにも難しいんだろう。

END