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マッドババアキャラバン第三部~初代マッドマックスとメルボルン~

正月休みを利用して最強の仲間がやってきた。今こそ長年の夢を叶える時。2018年12月31日から2019年1月5日にかけて、3人は南半球真夏のオーストラリアで革ジャンを着込み、マッドマックス2の聖地を旅する。
第三部はメルボルン市街地を拠点に、初代マッドマックスの聖地を巡る。

※旅行の記録は、キャラバンの楽しい思い出を綴った三部作、そして有用な情報だけをまとめた旅行ガイド編に分かれています。オーストラリアにマッドマックス旅行を計画している方は、この後投稿予定の旅行ガイド編まで、しばらくお待ちください。

4日目朝、ミルデュラ

1月3日。今回泊まったモーテルは外観がやけにかっこよかった。青空も相まっていかにもゲームや映画に出てくる荒野のオアシスだ。思わず駐車場で踊り出してしまう。

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メルボルンへの帰り道では時々運転を交替した。マッドマックスの一本道を爆走する機会なんてなかなかないので、体験しておかない手はない。交代している間は私も自由に写真が撮れて、全員楽しさアップである。

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アケさんは車の運転がかなり久しぶりで、運転席に座った時点で自動車の操作方法のほとんどを忘却していたアケさんにアクセルやブレーキの位置を教えたが、ある重要なことを伝え忘れていた為に彼女は左足ブレーキをキメていた。(なお車はATなので、左足でブレーキを踏むことに問題はありません)
その後もいきなり外国の高速道路に放り出されたアケさんに間違った道を教えてUターンする羽目になるなど、面白いことが続いた。帰りは行きとは少し違う道を通って、交通量の少ないのどかな道を走行しながら、マッドマックスとは全く関係のないゲームの話でめちゃくちゃに盛り上がっていた。

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途中でガソリンを入れたり、のどかなキャンプ場でトイレ休憩。再びクルーンズに立ち寄って、メルボルンに着くころには夜になっていた。

ホテルにて

今回泊まった市内のホテルは、キッチンなどが完備されたアパートメントタイプの部屋。広くて快適だが部屋の鍵に問題があり、開けるのが困難。3人で交代しながら10分15分とアタックを続けてようやく解錠に至ることもあった。スタッフに来てもらっても苦労しながら開けてくれるだけだったのであまり解決にならず苦労していたが、最後の方にはコツが掴めてアケさんが上手に開けるようになった。

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アクセサリーか標本に加工するため、荒野から死んだ動物の骨を少し拾ってきた筆者。私はいくらか加工の知識があり、興奮していた為あろうことかホテルのキッチンで下処理を始めてしまい、部屋に異臭が満ちて2人にめちゃくちゃ怒られた。

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スーパーで買い出しして夕飯。マンゴーが安い。

マッドマックス駐車場

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5日目は市街地にある聖地からスタート。映画の中でインターセプターが保管されている印象的なデザインの駐車場は、メルボルン大学の古い地下駐車場である。大学内にあるので、私は大学生のような顔をして頻繁に訪れていた。
ちなみにGoogleマップをよく見ると、Mad Max Car Perk(マッドマックス駐車場)とかいう名前でツーリストスポットが登録されている。観光客も入れるので、別にわざわざ大学生のような顔をする必要はない。

例の橋とチンポの落書き

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さて初代マッドマックスの聖地はいろいろあるが、今回は少しマイナーどころを巡ってみた。この橋はマックスに襲われたギャング達がクラッシュして、川に転がり落ちるシーン。近くにはモラルにかける落書きがあって大はしゃぎ。チンポは万国共通か。

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例のY字路でポリスに遭遇

世界で一番有名なY字路にやってきた。ここはナイトライダーと黄色いインターセプターが接触するシーン。Y字路というか、合流車線を逆走しているということがわかる。

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ここを車でウロウロしていると、パトロール中のポリスが付いてきた。現代のインターセプターである。気にせず路肩に止めて道路の写真を撮っていると、一度通り過ぎたポリスが戻ってきて窓を開けながら接近してきた。彼らは劇中と同じところでUターンしたのだ。運転席からクソデカカメラを構えて身を乗り出す私、ポリスと目が合う。緊迫の瞬間。
「なんだこいつら……」みたいな怪訝な目を向け、ポリスは黙って去っていった。バイバイポリス。カメラマンのアルカリさんは去りゆくポリスを撮影していた。

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私たちは革ジャンを着てマックスになったつもりでいたが、実は不審者だったのだ。ヒーローではなく、警官に追われる側だった。このY字路では残酷な事実を突きつけられた。
この日は全員お揃いのTシャツを着ていたし、咄嗟に来月のイベントの下見に来た日本ツアーのスタッフだとか言って乗り切ろうかと考えたが、その必要はなかった。しかしあなたが小柄でかわいい3人のお嬢さんでなかった場合、職質される可能性があるのでポリスには十分注意してください。

グースのフリーチケット

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ギャングを追うグースがカップルに聴き込みをするシーンが撮影された場所。撮影当時と同じ瓦礫が残されていることから、ここだと同定されている。

アヴァロン

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ここはアイスクリームを買いに来たジェシーが、トーカッター率いるギャング軍団に襲われたり、ポールカンダリーニのおててが取れちゃったりする場面。ちなみにこのシーンでアイスクリームショップに貼り付けてある「SOLO」と書かれたチラシは、オーストラリアにあるレモンスカッシュで今もスーパーなどで簡単に手に入る。
ここではかなり体格のいい世紀末ドッグが、民家の庭からずっと吠えかかってきており怖かった。

サイエンスワークス

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私のブログに何度も出てくるサイエンスワークス。子供から大人まで楽しめるファミリー向けの科学館だが、マッドマックスファンにとっては当時の建物がそのまま残っている旨みの多い聖地と言えよう。
この日は異常な暑さに見舞われ、辿り着いた時点で気温は40度を超えていた。大きく開けたアウトバックと違い、都市の40度は精神的苦痛が大きい。
奇跡的にカバンの中にはピクニックのリンゴが残っていたので、気力を振り絞って記念撮影に勤しんだ。

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暑さのあまり疲れ果てて館内で休憩。家族向けの科学館は賑わっており、私たちも童心に帰って遊んでしまった。

アイマックス

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メルボルンには巨大なIMAXシアターがある。シドニーのシアターが長い休眠に入っている今、そのデカさは世界一だ。もう疲れて動きたくないしここはひとつ映画館でのんびりしようということで、旅の最後はIMAXでちょうど上映中だったアクアマンを観た。
オーストラリアの映画館は結構のんびりした雰囲気があり、家族で小声でお喋りしながら見ていたりするので、楽しい映画は友達と一緒に笑ったりツッコミ入れることができて楽しい。

こういうアメコミ映画なんかはスタッフロールの最後におまけ映像があることも多く、日本の映画館では観客の99%がスタッフロールの間黙って座って待っているのが普通になっている。しかしオーストラリアの映画館では、スタッフロールが始まった瞬間に館内の電気がついて、観客のほとんどが帰ってしまう。オーストラリアで色々映画を観たが、ほぼ確実におまけ映像があるマーベルの映画なんかでも観客は帰る。おまけ映像はおまけでしかないのだ。
ババアキャラバンでは、アメコミオタクの2人がスタッフやスペシャルサンクスを確認しなくてはいけないので最後まで残ってスタッフロールを見ていたが、他の客はというと後方に似たような男のオタクがニコニコしながら数人残っているだけだった。
アメリカの映画館でもスタッフロールは電気がついて多くの観客が帰るので、スタッフロールが真っ暗なのは日本特有の文化なのかもしれない。

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ちなみに帰り際に見た床の様子がこれ。ポップコーンが床一面どころか椅子にも散らばっている。電気がついてみると、どうやったらこうなるのかわからないレベルの散らかりに遭遇することもよくある。

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これはポッサムという動物。公園などに生息しており、この映画館の周辺には特に多い。人間様をナメているので気を付けよう。

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映画の後はイタリアンで有名なライゴンストリートに繰り出しテイクアウトするも、前から歩いてきたイケメンカップルに興奮したアケさんがピザを縦にして振ってしまう事件も。

そして…

最終日は二人を空港に送り届け、無事解散。今回の旅ではオーストラリアの暑さを改めて思い知った。乾燥していればカラッとした暑さで気持ちがいいと思われがちだが、乾燥した暑さはの中では皮膚を守る水分が蒸発し呼吸するだけで体内がパリパリ乾いてゆくので、日本人にはあまり向いていない。水分補給は重要で、スーパーでまとめ買いしたペットボトルだけでも30リットルの水を使い切った。

また旅行から帰って数日後、全身に虫刺されのようなものが発生し発狂寸前の痒みに苦しめられた。旅行の間のどこかのベッドで南京虫に刺された可能性が高い。奴らは1週間の潜伏期間があるのだ。思い起こしてみると、なにやらベッドの上で小さな茶色い虫を見かけていた。外国のホテルの小さい虫には、くれぐれも気を付けよう。私は旅行直前まで帯状疱疹を患っており、わずかに残った発疹が水疱瘡菌をまき散らす可能性があり危険なので隔離ベッドで寝させてもらっていた。おかげさまでか、ほかの2人は刺されずに済んだようだ。

これでマッドババアキャラバンの旅はおしまい。オシャレなビーチハウスやカフェで有名なメルボルンにおいて、旅行のほとんどの時間を道路の上で費やし非常食を食って過ごした。彼らが定番の観光地を見たい人達じゃなくて本当によかった。レポートをまとめながら、最高の友達に恵まれた幸せを実感した。

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