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労働時間について

私は何度か転職している。
他の人も転職を経験している人は多いだろう。
中には着替えてからタイムカードを打つ会社もあるんだと思う。
最近になって、ワークルール検定という本を読んだ。いわゆる労働基準法に則った内容で、ブラック企業に騙されない法律の見分け方が書いてある。
厳密に言うと、会社の敷地内へ足を踏み入れた所からが労働とみなすらしいが、そんな会社は無いと思う。
だけど働く人にとって線引きをしっかりしてほしいケースはある。
それが「実働時間による賃金」と言うやつだ。
酷い会社ほど「実働時間にしか賃金は発生しない」と言い張る。
実働時間とは、仕事の募集要項に記載がある作業に限定した時間の事だ。つまりはその前後の準備段階の積荷下ろしなどは仕事として見なさない解釈になる。
最近はこの様なケースで労働問題が起きているが、(郵便局でも着替えに賃金が出る出ないで揉めている)ハッキリ言ってケチくさいのだ。
労働基準法ではしっかりと明記されている。
簡単に言うと、
「仕事とは本業の動作以外の準備段階、または仕事に関係する全ての行いが賃金に該当する」
である。
帽子やエプロンはともかく、ロッカーでしっかりと仕事着に着替えたりする時点で仕事であると法律で決まっているのだ。
作業終わりの日報なども仕事に関係あるのだから賃金が発生するのである。
欧米では当たり前のようだが、日本では異様に
「実働時間」にこだわる会社が多い。
5分前に持ち場へ付けと命令する上司がいるが、それが命令ならば5分前のぶんも賃金に入れなければならないはずだ。
(時間給の雇用でも、分刻みで給料は換算されなければならない)
働く人が自主的に仕事に関連する事をしているなら賃金に入らないが、「命令」「決まり」とされて動いている動作は実際の仕事の内容を問わず労働時間と見なされる。
これを知らない雇用側は多い。
なまじ知っている場合でも、言葉の言い回しによって命令しなくても「暗黙の了解」の様な組織風土を作り上げるセコい会社はある。
そうであっても、これも命令として該当する。
つまり、従わなければならない空気感を会社が作り上げている時点で「命令、指示」となるのだ。
労働者はこういう労働基準法を知らないばっかりに、会社側から都合よく使われているケースが多い。日本人は欧米と違い、ストライキなどの行動を起こさないから甘く見られているのだ。
日本人の気質として「長いモノには巻かれろ」
「石の上にも3年」「滅私奉公」などが強いと感じる。
昔の公家や武家社会の「主が間違えていても家臣はそれに従うのが美徳」と言う習慣が根強いと思われる。
今で言うと、上司が黒と言えば黒、右を向けば右を向く悪しき伝統が残っているのだ。
日本では労働裁判は滅多にない。それは「労使で争ってもどうせ勝てない、金にならない」という金銭の損得勘定があるからだ。
だが海外は違う。
「権力と闘った事それ自体が勲章」とされ讃えられる場合が多い。要は裁判での勝ち負けは関係無いのだ。そして、自分が動いた事を世間が知ることにより、世間もまた動き出すことを信じている。つまりは社会を革命する力に繋がるのだ。
日本は事なかれ主義が強いから、損得で動いてしまう。だから「我、ひとり立つ精神」が生まれない。そこを権力者(会社で言う雇用側)に上手く利用されてしまっているのだ。
これは個性をどれだけ発揮できるかにも関係する部分だと思う。
会社でも初めは賃金で上と言い合えばおかしな目で見られる。だが同じ意見を持つ者は必ずいる。
ひとりが声を挙げればからなず後々には、大きなうねりとなり流れになる。
賃金や労働環境に不満がある人にとって、それは
悪しき「同調圧力」から抜け出せる一歩となるだろう。
それにはまず、労働基準法を学ぶのが手っ取り早いと思う。後悔無く仕事をする為の武器になるからだ。

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