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いつか世界で活躍する、君へ【やらかしシリーズ④】

こんにちは、GCSの遊佐です。

私事ではありますが、単位に問題がなければ、まもなく卒業を迎えるので、このnoteがGCSとしての最後の仕事になります。

GCSに入るときに面接で、「留学から遠く離れた学生さんに、留学を選択肢として考えてもらいたい」と言いました。僕の活動がどれだけその目標を達成させたかはわかりません。最後のこのnoteは、そんな学生さんに届けたい、と思っています。(noteという媒体は、残念ながらこの目的に適していませんが…。)

自分の大学生活を思い返すと、その中心には「留学」がありました。そして、「留学」のそばには、いつも「失敗」がありました。そして、「失敗」の先に「学び」がありました。だからこそ、僕の「失敗」を通して、皆さんに留学のメリットとリアルを伝えたいのです。

そして、これから世界で活躍する可能性に満ち溢れる皆さんへ、ささやかなエールを送らせてください。

これが僕の書く最後の記事になります。綺麗事抜きでいきましょう。

多少説教臭く、冗長になると思います。電車の中で、暇つぶしにでも読んでくれたら嬉しいです。

※自己紹介はこちら


プロローグ:「留学」のはじまり

話が違う。

2018年夏、金足農業が甲子園を沸かす1か月前に、僕の高校野球はベンチで静かに幕を閉じました。

田舎町から電車で1時間かけて高校に通う僕は、朝練・夜練に欠かさず取り組み、帰宅後もトレーニングをしていました。平成末期の高校野球には、まだ昭和的な精神論への信奉がありましたし、僕もその信者でした。弛まぬ多くの非効率の先に、メジャーリーグのスーパースターがいました。少年漫画は、最後に努力は報われると言うし、信じ続ければきっと劇的な結末が待っているに違いない。

でも、劇的な結末は永遠に訪れませんでした。僕は、仙台市民球場のベンチで歯を食いしばり、ただ試合終了のサイレンを聞いていました。僕は最後の試合に出ることなく、疎外感と行き場のない悔しさを感じていました。

努力は、結果を保証しない。

僕は、東北大学を目指し、勉強し始めました。次の「高校野球」を探していました。

そこで偶然、海外で働く親戚と会う機会がありました。当時従姉は中国で通訳として働いていて、叔父はカナダでツアーガイドとして働いた経験がありました。フリーランスに近い挑戦だったと聞いています。笑顔の裏に、とてつもない苦悩があったに違いません。

思い返すのは、幼少期の記憶。当時スマホなどなく、家族共用のノートパソコンに食い入って、YouTubeを見ていました。母はマイケルジャクソンが好きだと言い、ふと見た「We Are The World」の動画。英語はわからないけど、いいな、と思いました。後日、中学の音楽(英語?)の授業で、メイキングの動画を見ました(今、Netflixで公開されていますが、当時もあったんです)。遠い世界の、映画みたいな話だと思いました。

ですが、高校3年の僕の直感は、これだ、と叫びました。

グローバルに働いて、活躍するのだ。たくさんの才覚溢れる人々を巻き込んで仕事をするのだ。そこに、僕の次の「高校野球」が、「甲子園」があるのだ、と思いました。

東北大学について調べていく中で、東北大学グローバルリーダー育成プログラム(TGLプログラム)を見つけました。再び直感が、これだ!と叫びました。大学に入ったら、これに申し込もう。

ゴールが決まってからは、がむしゃらに努力するしかありませんでした。

模試の判定は振るわず、特に英語の成績はひどい。周囲の期待、時に聞こえる心無い声、自分への疑念が混沌としていましたが、努力が全てでした。母親の支えもあり、また、ご縁があったことで、2019年4月東北大学の門をくぐり、僕の人生にとって偉大な一歩を踏み出しました。

努力は報われないことのほうが多い。でも、それを努力しない理由にしないでほしい。

そして、努力は量です。SNSが隆盛を誇る今日、巷には溢れかえるほどの「質の高い努力の方法」があります。でも、結局は、自分とその方法のマッチングです。そして、自分に合った方法を見つけるには、とにかくこなしてみることが重要だと思います。(そう考えると、高校時代の取り組みがここで生きているようですね)


僕は幸運だったと思います。進路選択のタイミングで海外を知る人と出会えたのだから。そして、母が、家計への負担に目をつむり、僕の決断を応援してくれたのだから。社会学者のブルデューが、文化は再生産されると言ったように、幼いころから海外が近い環境にいるということは、心理的に、金銭的に海外へのハードルは低くなることを意味します。もしそんな環境にいないなら、留学は、遠い世界の話だと思うのも仕方がないでしょう。

だからこそ、いろんな人と出会ってください。海外に関連する人と話してみてください。個人的な意見ですが、大学はそういった意味でとても良いところだと思います。いろんな出会いがあります。そして、出会いの中で、ある程度道筋がたったら、それに関連するコミュニティ(留学ならば、国際交流サークルとか)に入るとよいと思います。そのコミュニティで、自分の環境を自分で作り、もっといろいろな人に感化されてください。ふと気づいたときに、別の世界の話が、当たり前と感じられるようになると思います。


やらかし①:英語ができない田舎者

大学入学後、TGLプログラムに意気揚々と参加しました。初回ガイダンスの大教室にはあふれるほどの新1年生。そこで課されたのは、英語でのエッセイ。

何も、書けない…。

それでも何とか知っている語句をつなぎ、エッセイのようなものを完成させ提出しました。

そして新入生TOEFL ITPテスト。高校の時、英語が苦手だったからこそ、一生懸命取り組んできた自負がありました。精一杯解き、後日帰ってきた点数は、

497点…。

様々なうわさや、留学生課の情報から、これが良い点数ではない、ということだけははっきりとわかりました。(東北大学では、この点数で交換留学に行くことはできません…)

サークルを止め、僕の英語学習生活が始まりました。とりあえず、量だと思い、がむしゃらに取り組みました。

グローバルラーニングセンター(GLC)の末松先生と米澤先生のアドバイスもいただき、アメリカ・カリフォルニアに3週間、海外体験プログラムで滞在しました。現地のアメリカ人2人とのルームシェアをし、現地の語学学校で英語を英語で学ぶ…。

英語が聞き取れない…。

失意の中、帰国。僕が英語に捧げた1年間は何だったのか?心折れる中、聞こえてきたのは、試合終了を告げるサイレン。野球でも、勉強でも、期待を寄せ続けてくれた母親の応援の声。甲子園の歓声。そして、カリフォルニア・サンディエゴで見たどこまでも続く長いビーチ。もう少しだけ、頑張ってみよう。

それまでの量を追及する勉強の中で、勉強方法が磨かれ、コツのようなものを見つけ始めていました。個人的に行っていたことは、1週間の計画表の作成と、ノートを用いた勉強時間の可視化です。おすすめのnotionのリンクも載せておくので興味があれば、使ってみてください(無料です)。その結果、TOEFL ITPテストのスコアは553点(東北大学からTOEFL ITP利用で行ける大学にはすべて交換留学が可能)まで上昇しました。

再び、末松先生に相談をし、キャリアを見据えて、アメリカ・テキサスのベイラー大学に1年間交換留学をしました。はじめは、相も変わらず英会話に四苦八苦しましたが、4か月も経つとある程度スムーズにコミュニケーションが取れるようになりました。

英語学習をしていると、本当に英語脳なんて存在するのか?それを獲得できるのか?いつかは英語で話せるようになるのか?と尽きない不安に襲われることがあると思います。

できると信じるしかありません。僕は普段、無責任なことは言わないですが、皆さんならきっとできます。

英語学習で個人的に大事だと思うことは、自信と努力量です。

英語が完璧な非ネイティブはあまりいません。必要以上に英語ができる人と自分を比べると、その差を過大に評価してしまいます。差を感じること自体はよいと思います。競争的になれるし、モチベーションも持ち続けられるので。

しかし、その差を自分の英語力の低さに結び付けてはいけません。虚勢でもいいから、できる風を維持し続けてください。卑屈にならずに、まるでできるかのように英語を話してみる。書いてみる。国内で英語を使う機会は、非常に限られています。だからこそ、できない悔しさで心が折れてしまい、その機会を失うのはもったいない。

努力量の大事さは、改めて言う必要もありません。わかってるけど、大変ですよね。

おすすめは、YouTube動画の真似です。YouTubeで、「study with me」と調べれば、山ほどおしゃれな勉強動画が出てきます。彼ら・彼女らの真似をするつもりで勉強道具をそろえ、一度机に向かってみて下さい。やめたくなったら、一度自分を俯瞰して見てみてください。「study with me」の動画のように勉強しているあなたは、間違いなくかっこいい。

うぬぼれでいいんです。マキャベリも言っていますが、目的のためなら手段は何でもいいんです。つまり、勉強するための手段はうぬぼれでいいし、英語を話すための手段は英語を話せる彼氏・彼女をつくるでもよい。(これはマキャベリの極論です。僕はちゃんと心が行き交う人をパートナーにすべきだと思います)


GLCのHPと教材リスト

僕がお世話になったGLCのアドバイジングのHPと、利用した教材の中で、特に効果があったと感じたものを下にまとめました。

僕自身が英語学習で紆余曲折したので、効率のよいロードマップはわかりません。あくまで、僕は、

  1. 英語の基本:文法基礎+単語帳

  2. 実用的な英語:単語帳+リスニング

  3. 手段としての英語力:交換留学

  4. 英語力の維持(あわよくば向上):リスニング+英会話+英語の本の読書

の流れで勉強してきました。向き不向きがあると思います。


GLCのアドバイジング


教材リスト

英語の文法を、英語で勉強できます。内容自体は難しくありませんし、平易な英語で各文法が解説されているため、英語で何かを読むと言う自信をつけることができます。

大学入試で使いました。知っている人はご存知の英語学習系YouTuberのATSUさんが、英語の単語帳を使い込んでいるを見て、高校時代からお世話になったこの単語帳を大学でも使い続けました。例文の豊富さが個人的には、推しポイントだと思います。

TOEFL ITPテスト対策として、専門用語の語彙を増やすために、購入しました。複数の単語帳を使うことで、対策の漏らしを防ぐことができ、頻出の単語は何度も対策することができます。

上記の通りです。

僕はこの問題集のおかげで、TOEFL ITPテスト550点を突破できました。問題量の豊富さを誇る数少ないTOEFL ITP特化型の参考書です。繰り返し取り組むことで、文法問題を強みに変えられると思います。

  • 解きまくれ!リスニングドリルTOEIC TEST Part1&2Part3&4

就職活動の際に用いることが多い、TOEICのスコアを稼ぐためには、TOEFLとは違う対策が求められます。問題量の豊富さと、様々なアクセントが混ざっているという特徴から、この参考書で対策しました。この参考書使用後に100点近くスコアを上げ、TOEIC860点を獲得しました。

村上春樹氏の小説の英語版です。下の『GO』もそうですが、日本語で一度読んでいる好きな小説の英語版を読むのが効果的だと思います。すでにストーリーを知っているため読みやすく、好きな小説であるため飽きずに読むことができます。また、最後まで読むことができれば、英語で本を読めたという自信もつきます。

金城一紀氏の小説の英語版です。

学生や広告業界の若手を対象に、世界的広告代理店Ogilvy & Matherの設立者David Ogilvy氏によって書かれた広告の教科書的な1冊です。自分の興味のある分野の本は、モチベーションを持ち続けやすいので、読み切りやすいかと思います。

Friends(今は視聴不可)、Brooklyn Nine-Nineなどのシットコムを見ることで英語リスニングの能力を上げられるかと思います。20分程度なので、朝ごはん・夜ご飯を食べながら見るとちょうどよいかと思います。また、Netflixは、作品によっては英語字幕も出せるので、最初は英語字幕を出しながら見るようにするとよいかと思います!(僕はいまだに英語字幕ありで見ています)

英語を話すためには、まず機会を得ることが重要だと思います。非ネイティブの講師が多いですが、海外に行けば、お互いに第二言語である英語で会話をすることは多々あるのであまり気にしすぎなくてもよいと思います。また、1日のレッスン回数も無制限なので、自分のペースで学習を進めたい人に向いていると思います。


やらかし②:Youはどうしてその大学へ?

ある程度、英語学習を進め、交換留学が見えてきた頃、僕は交換留学が「長い語学留学」になろうとしていました。交換留学のための提出書類に何を書けばいいんだろう?そもそもどの大学に行くべきだろう?

留学プログラムや留学先の大学を選ぶとき、その理由はとても重要です。留学中に、心折れることなんて一度や二度ではないからです。その時に支えてくれるのは、留学する理由。どんな失敗も乗り越えられるに違いありません。

僕は、末松先生にご相談させていただく中で、留学の目的を言語化するサポートをしていただきました。皆さんのなかにも、僕のように、「なぜかは分からないけど、語学力習得以上に留学で何かが得られそう」と思っている方がいらっしゃると思います。

多分、皆さんの直感は合っています。だからこそ、言語化することをあきらめないでください。一人で考えて行き詰まることもあるかと思います。そんな時は、GLCの先生方やグローバルキャンパスサポーター(GCS)、友達に相談するとよいと思います。GLCの先生方はとても親身になってお話を聞いてくださりますし、東北大学公認の留学を支援する学生サポーターGCS(僕たちです)はみなさんをサポートするために存在しています。また、友達とお酒を酌み交わしながらする将来への熱い話は(酌み交わさなくてもよいけど)きっとそれだけで「青春」というかけがえのない価値を持ちます。

人に意見を乞うこともスキルの一つです。自分で無理やり進めることにこだわるのではなく、いろいろな人の意見を聞く中で自分の意見を磨くようにするほうが良いかと思います。勉強を続けるための虚勢と違って、役に立たないプライドは捨てたほうがより上質な意見や情報と出会えます。

また、留学はあくまでも手段です。皆さんの理想や夢を実現するための手段として留学は存在するべきです。

留学することを中心に考えないでください。長い目で見て、皆さんの目標やゴールの通過点として、留学をとらえてください。留学をしなくても、人は幸せになれるし、お金を稼げます。

ここは綺麗事抜きです。留学は家族に負担をかけます。留学で卒業が延期すれば、仕送りをもらう期間も延びるし、家族の一員として家計を支え始める時期も遅れます。

でも、それを埋め合わせるどころか、留学には、それ以上の価値があるのだと思います。語学力は、間違いなく皆さんがつかむことのできる機会、そして情報の量を増やします。海外でマイノリティとして生活する経験は、皆さんの人間性を成長させます。ギバーとして動くことに躊躇しなくなるでしょう。長い目で見れば、それが皆さんにとってメリットになることについても、疑念の余地がありません。優しい人が馬鹿を見るとは、思いません。

それ以上の「何か」。

それは、みなさん次第です。留学先の教授のもとで必死に勉強して海外大学院進学のための推薦状を書いてもらった人もいれば、留学先でマーケティング知識を学ぶことでグローバルな大企業に就職した人もいます。

そもそも何で留学したいんだっけ?

空き時間とかでいいと思います。「そもそも」を繰り返していけば、いずれみなさんにとって留学が必要な理由が見つかります。

ある程度自分のしたいこと、必要なこと、などが固まったら情報収集です。東北大学の交換留学の協定校は、こちらから見ることができます。応募条件、見込める成長、予算等を照らし合わせながら、そして、いろいろな意見をもらい、取捨選択しながら、留学先を見つけてください。

僕は、海外で活躍できる人材になりたいと考えていました。その結果、英語圏、かつ、行動力が求められる場所、かつ、自分がマイノリティになる場所である必要がありました。そして、アメリカ合衆国テキサス州にあり、僕が行く当時(2021年)まで、一人も東北大生が交換留学していない、そして、人種的に圧倒的にアジア系がいない、ベイラー大学を留学先に選択しました。

おススメの情報サイト


やらかし③:奨学金は準備がすべて

僕は、希望する奨学金の選考で落ちました。

その奨学金は月に15万円支給するというものでした。10か月間の留学だったので、予想支給額は150万円でした。アメリカ留学中にかかった総費用は、250万円でしたので、実際の負担額を半分以下に抑えることができるはずでした。

結局、別の奨学金をいただき、総額80万円程度いただきました。

僕は落ちてしまったので偉そうなことは言えませんが、とにかく準備だと思います。特に、その奨学金の選考に受かった先輩を見つけ、添削してもらうとよいと思います。僕はそれをしていませんでした。

書類は、あなたの考えの表明であるとともに、他者を説得するものです。こんなに冗長、かつ、自己満足的なnoteを書いている僕が書くのも変ですが、端的、かつ、理路整然的に書くべきです。小説等を好む方は特に注意が必要です。書類は、小説ではありません。書類には書類の書き方があります。「PREP法」などとググれば出るので、その作法に従って書くようにしましょう。

また、留学する地域によって、物価や渡航費が大きく異なります。北欧に留学した僕の先輩の中には、奨学金のおかげで、ほとんど自己負担無しで留学した方もいました。

そもそも、交換留学は留学としてかなりお得です。留学先の大学に学費を払わず、東北大学に払うだけでよいからです。海外の大学の学費はとても高く、日本の学費の数倍(時には10倍!)になります。そこに、生活費もかかるのですが、それが、東北大学の学費+生活費+渡航費で可能になります。

もちろん家庭ごとに経済的な余裕は、異なると思います。でも、一度留学を検討してみてもいいかも、と思えてきませんか?

なお、東北大学の留学に関する奨学金の情報はこちら


やらかし④:留学中の失敗

留学中の失敗は数えきれません。ですが、「留学の理由」という軸があれば、立ち直れるし、それを糧に成長できます。

むしろ、留学中に失敗したら、帰国後の話のネタにできると思って、楽しんじゃいましょう。

例えば、僕は、留学中、行動力を向上させるために、日本人の参加者1人の大学内のソフトボール大会に挑戦して、結果的に指を折りました。夕方だったということもあり、緊急外来に連れていかれ、人生で初めて傷口を縫合される経験をしました。病院の先生に、「縫合されるの初めてなんで緊張します」と言ったら、「奇遇だね!僕も初めてなんだよ!ハッハッハ」と笑えないアメリカンジョークを返されました。でも、この経験を通して、保険の重要性を再認識しましたし(数十万円を全額カバーしてくれた)、緊急外来に連れて行ってくれた友達とはいまだにSnapchat(アメリカのSNS)で連絡を取り合っています。

また、留学したばかりで英会話がスムーズにできなかったころ、友人を作るためにサークルに入りました。そのサークルの人と行ったハンバーガーレストランで「座って(sit)」と言おうとした僕は、発音を間違えて「sh×t(とても下品な言葉)」と繰り返し言ってしまいました。そこにいた人たちは苦笑するばかりでしたが、同時に学んだこともあります。そこで、苦笑しないでいてくれた人はいまだに友達で(発音違っているよ、と教えてくれたらもっと助かったけれども)、たまにInstagramでコメントしあっています。友人になるということは、相手に対するリスペクトを持つことだな、と再確認する出来事でした。

留学中の失敗は、法さえ破っていなければ大したことありません。恥ずかしがることはありません。ただ、その失敗が次回につながるために、何か自分の中に軸を持つべきだと思うのです。


エピローグ:「留学」の終わり

留学を軸に回った、僕の大学5年間は、あっという間に過ぎ去りました。

大学では、何にも代えがたい、才覚あふれる友人たちと出会いました。野球部をはじめとする、高校の友人たちと会えば、昔話に花を咲かせ、地に足付けもう一度頑張ろうと思うことができました。

留学中、多くの人と出会いました。現地の学生、世界各国からの留学生、現地に住む方々…。様々なルーツを持ち、様々な経験をしてきた人たちと出会いました。すべてが学びになり、刺激を受けました。そして、その出会いが、僕の視線を常に世界へと向けさせてくれます。

留学から帰ってきた後、GCSで東北大生の留学支援をさせていただきました。その活動の中で、GLCの坂本先生をはじめ、他のGCSメンバー、GCSのOB・OG、留学経験者等、多くの人々に出会いました。僕の第2の青春でした。同じ志や似た経験を持つ出会いは、「高めあう」という形の刺激になりました。

多くの出会いがあり、時に悲しい別れがありました。海外に自己中心的に挑み続ける中で、家族に負担を掛け、親しい人々に我慢を強いることもありました。僕に期待を寄せてくれる人がいる一方で、冷たい視線を送る人もいました。

これは、皆さんへのお願いです。誰かの挑戦を笑わないでください。意気を削ぐような茶々を入れないで、激励の言葉、もしくは、建設的・客観的な意見や批判を寄せてください。そして、挑戦する人は、周りを納得させるだけの論理と情熱を持ち続けてください。夢を語るなら、そのための計画と行動を見せてください。

そのような中で、僕自身も、留学が本当に将来に活きるのか、不安になることがあります。もしかしたら、グローバルに活躍できないかもしれない。そもそも、挑戦さえできず、キャリアを終えることになるかもしれない。だって、努力は、結果を保証しないから。あの日の仙台市民球場のサイレンはいつでもまた鳴り得るから。

でも、少なくとも、留学は僕の可能性を広げ、いまだに僕に夢を見せてくれています。大学を卒業すれば、いったん留学は終わります。それでも、僕は東北大学という環境で経験した、留学経験を胸に抱き、次のステージでまた挑戦を続けたいと思います。

だから次はこのnoteを最後まで読んでくださった皆さんの番です。

いつか世界で活躍する、君へ。このnoteを送ります。

世界のどこかで、また会いましょう。


補記1:このnoteを書いた理由

友達の話をさせてください。

僕が大学に入ったころ、後輩でもある彼が

「僕も大学に行きたいんです」

と目を輝かせて言いました。彼は、電車でいつも勉強していました。隣でスマホを見る学生たちに脇目も振らず、イヤホンを耳に刺して勉強していました。

ある日、彼と会いました。彼の家族もいました。その日、僕は目の前で、彼の努力が否定されるのを見ました。その裏には、きっと経済的な話や、彼の現在地の話や、将来的な話などいろいろな話が有ったのだと思います。それでも、やっぱり寂しいものだと思いました。

彼は大学に行きませんでした。僕と彼が会うことも、ほとんどなくなりました。

でも、今でもたまに、あの時目を輝かせる彼を思い出します。


誰かが悪いのでしょうか?

誰も悪くないと思います。でも、彼の努力がサポートされる環境だったら、と思ってしまいます。奨学金制度の情報や、勉強法の情報や、大学の情報などが、彼と彼の家族のもとにもっと早く、そしてちゃんと届いていれば、と思ってしまいます。

彼が、「否定」ではなく、少なくとも「自分の選択」として、選ぶことができたなら、と思います。


留学も同じだと思います。留学をしなくてもいいんです。ほかに熱中することがあるなら、そっちに没頭してもいいと思います。でも、その可能性について知る機会を得て、情報を適切に吟味して、「しない」ことを選んでほしい。

このnoteは、留学が当たり前じゃない人に、特に、読んでほしい。

もし、このnoteに刺激を受けたり、有益であると思ったりしたうえで、皆さんのそばにそんな友人や知り合いがいたら、そっとこのnoteを教えてあげてください。そして、留学に興味を持ってくれたら、僕はいませんが、GCSの存在を教えてあげてください。

そして、「ファイト」と言ってあげてください。


補記2:東北大学の留学情報リスト

グローバルラーニングセンター(GLC):東北大学における留学・国際交流の情報はこちらから


グローバルキャンパスサポーター(GCS):学生目線からの留学支援(カウンセリングや情報提供、イベント運営等)はこちらから


トピックごとの情報リスト

  • 留学の全体的な流れ:国際交流ガイドブック

https://www.insc.tohoku.ac.jp/japanese/wp-content/uploads/2023/03/StudyAbroadGuidebook2023.pdf


  • 留学相談:留学アドバイジング(GLCの教員)、留学カウンセリング(GCS)


  • 交換留学できる協定校一覧(東北大アカウントでのみ閲覧可能):

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1MilUtMMsOnZzaFab4k3R-vq0S_JfMbYr/edit?usp=sharing&ouid=107304838641160342920&rtpof=true&sd=true


  • 奨学金:


  • 国際交流団体リスト:


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