ビジネス英語をワンランクアップ:プロが使う!ビジネス敬語のテクニック
こんにちは、GCRMパートナーズの小林です。
ビジネスで英語を使う場合、適切な表現を使うことはプロフェッショナルなコミュニケーションに不可欠です。メッセージを簡潔にまとめ、はっきり話すと同時に、状況にあった丁寧さを持つことが大切です。
「そもそも、英語には敬語があるの?」と思われる方もいるでしょう。もちろん、英語にも敬語はあります。ビジネスシーンや、相手をリスペクトする(敬意を示す)必要がある状況、初対面や明らかに年齢や地位が上の人に対しては、敬語を使って話すことが必要です。
上司や外部のビジネスパートナーをファーストネームで呼び合うカジュアルな場面でも、適切な敬語を使わないとプロとしては失格です。失礼な言い回しや、稚拙な印象を与える表現を使ってしまうと、本来の内容がどんなに素晴らしくても、相手の共感を得ることが難しくなります。
一方、文法は間違っていなくても、実はビジネスシーンでは不適切な表現があるのが、ノンネイティブには悩ましいところです。「もしかして自分の英語は失礼?」と少しでも不安に思った方、以下を読み進めてください。
Please をつければ何とかなる、は間違い
拙著『 出世する人の英語 』でもご紹介しましたが、Please をつければとりあえず大丈夫と考えるのは間違いです。
例えば、メールの確認をお願いする時、"Please check this email." というセンテンスを思いつきますよね。実はこれ、命令文に Please をつけているだけで、上から目線の依頼ととられかねません。そうとられないためには "Could you check this email?" などが適切です。
ちなみに、私は上司に "Please come to see me." と言われたら、何かやらかしちゃったかな~と緊張が走ります。(笑) "Could you drop by my office when you get a moment?" なら大丈夫です。(時間がある時、ちょっと寄ってねというニュアンスなので。)この二つの英文のニュアンス、ものすごく違います。
中学英語( Please は丁寧語)だけでは、ビジネスでは通用しないのです。
馬鹿丁寧に逆ブレもNG
失礼にならないように、また相手に敬意を表したい一心で、丁寧な表現を連発するのもお勧めしません。完璧な文法と非常に丁寧な単語を駆使し、ビジネスシーンで長々と英語を話す人がいます。これは相手をイライラさせます。かしこまった席でのスピーチでもない限り、過度に丁寧な、まどろっこしい表現もビジネスでは不適切なのです。
忙しい聞き手の時間を無駄にしないために、論理的でわかりやすい内容を適切な丁寧表現で話すことが大切です。英語の会議や打ち合わせ、ビジネスシーンの日常会話では、以下を心がけてみてください。
1. まずは感謝の気持ちを表現することを忘れない
簡潔に話そうと意識しすぎて、いきなり本題に入るのはNGです。
Thank you for ・・・ のような表現からスタートするのが無難です。
2. 周囲の人がどの程度の敬語を使っているのかに注意を払い、自分も同じような丁寧さを出すようにする
これができると、一人で浮きません。相手に敬意を払うための敬語(丁寧さ)と、堅くなり過ぎない親しみやすさのバランスが大切です。
3. ソフトな導入表現、役立つ助動詞や定型文を使いこなして、ソフトな言い回しにする
クッション言葉になるような出だし表現や、"Could you ・・・?"、 "I would like to ・・・." といった表現を使えると、相手に不快感を与え兼ねないストレートな表現を避けることができます。こういった気の利いた表現は状況に応じてたくさんあります。ここではよく使われる一部の表現のみをご紹介します。
o I am wondering if you ・・・. 「・・・かどうか疑問に思っています」
o I am afraid that ・・・. 「・・・ではないかと思います」
o I am not sure that ・・・. 「・・・かどうかはわかりません」
o Unfortunately, ・・・. 「残念ながら・・・」
ややまどろっこしい表現ではありますが、ちょっとした出だしの工夫で相手に与える印象が大きく変わります。
そして最後に、尻切れトンボに会話を終わらせないことも大切です。
言いたいことだけを言って会話やミーティングを終わらせるのも、味気ないコミュニケーションです。たとえ議論がうまくいかなかった会議の締めくくりでも、最後にお礼を言うのがプロフェッショナルです。相手の意見に必ずしも賛同できない場合や、「何言っちゃってんの!」と腹立たしく思うこともあるでしょう。それでも、一旦お礼で締めくくるのが、ワンランクアップしたビジネス英語です。
英語の敬語を難しく考えすぎると、ますます話せなくなってしまいます。そこで、この記事ではシンプルな秘訣をお伝えしました。私自身、適切な敬語表現を身につけるには、何十年ものビジネス経験が必要でした。一般的な英会話スクールでは、ピンポイントなアドバイスはなかなか得られません。GCRMでは、実践で培われたメンバーの経験をもとに、具体的なアドバイスを提供しています。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。