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汚家(おうち)にようこそ

久々に帰った実家は相変わらずの有り様だった。

私は大学卒業まで実家くらしだった。
一軒家で家族6人でくらしていた。
両親は共働き、おばあちゃんは週2日の温泉と、お友達の服屋さんにおしゃべりにいくのが日課だった。

休みの日はなにかしら外に出掛けたがる性分の家族で休日は出先でご飯を食べるのが毎週のルーティーンだった
これだけ書くと、毎週外食いいね。
毎日家事をしているお母さんの息抜き日でいいじゃんと思われるかもしれない
たしかに彼女(母)の感覚としてはそうなのかも。
でも娘(私)の感覚は少し違った。
私は毎日外食している気分だった

コンビニのおかず、スーパーのそうざい、ほっともっとのお弁当
それの繰り返し
ほんとにそれの繰り返し
お母さんが作ってくれるものといえば、
カレーか焼き肉

とにかく母は家事が苦手なのである

なかでも特に苦手なのが『片付け』

数十年の積み重ねで50坪の家はもので溢れかえってしまった。
荷物の直置きで床はみえない
唯一見える床も掃除なんてしないから裸足であるけば足の裏が真っ黒になる
お母さんが掃除してる所なんて、十何年もみていない。

手を伸ばせばなにかにあたる
靴下は必ずひとりぼっちができる
書類は山積みで階段に一段ずつ配置している
孫のために買った大量のおもちゃはしまう所がないので棚を買ってほぼ使用していないものがつまった棚の前に配置され、後ろの棚はもう開けることさえもゆるされなくなってしまった。
テーブルの9割は荷物で埋め尽くされ、冷蔵庫もパンパン。もちろん賞味期限切れの物もほったらかしにされており、注意して食べないとトイレに籠ることになる。
実家に泊まるときは床に布団を敷いて雑魚寝だけど埃溜りのある部屋では子供が喘息を起こさないかひやひやして熟睡できない。

そう、実家はいつからか深呼吸ができない家になってしまった。

なのに一つ一つのものをとって見れば高級なものが多いのだ。そのアンバランスさは、自分磨きを怠っているのにハイブランドを着飾っている人を見るみたいであまりにも滑稽なのだ。

もちろん私だって黙っていたわけじゃない。
キレイな家で過ごせるように努力した。

大掃除もしてみたし、家族会議もした。業者に頼んでみてはと打診したりもした。
でもダメだった。

指摘するたび一瞬で激昂され、不機嫌が長引くのである時を境に言わないようになった

そして汚家が改善されることなく今に至る

お母さん、私はあなたを責めたいわけではないんです。
ただの事実の話です。
これを知ったらあなたは悲しむでしょう
だからもう言わないよ

でも久しぶりの実家訪問で感じた、この切なさと嫌悪感を自分のなかだけで留めることが出来なかったのでnoteに記します

お母さん、私はあなたとの日々で反面教師という言葉を知りました。
今私は母となり、子育てをしつつ、仕事を両立していても家事はやれてます。
定期的に不要なものはすて、寝る前には必ず片付けをして、床にものは置いてません
キッチンはいつもピカピカです
料理はヘタだけど好きだから大好きな料理本を時々開いてレパートリーを増やせるように頑張ってます。
これは私の意地でもあるのです。
カエルの子はカエル。
ではないことを私は証明したい。

自分の娘にその片鱗さえもみせたくない

人は習慣ひとつでどんな人にもなれるの。

でもね、母の習慣は誉められるものではないけれど、りっぱに私を育ててくれた。
愛情たっぷりに育ててくれた。
スキ、キライ、天秤にかけたら秒でスキに傾くくらいの愛で包んでくれた。

だから母に伝える言葉は間違いなく
『ありがとう』。なんだけど、、、
今回ばかりは久々強めのボディブローくらったくらいの衝撃だったので母の知らない所で発散しちゃったぞ🧡

最後まで見てくれてありがとう。
顔も知らないけれど、これをきっかけにあなたと繋がれたらと思います☺️
noteやTwitterで仲良くしてくれたら嬉しいです。
でわ、また今度。

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