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今、不動産の価格は高いのだろうか

1.一律で高い安いなどとは言えません

「今、不動産の価格は高いのだろうか」というという命題には答えなどありません。どんな時にでも、需要が集中している不動産は高くなるし、人気のない不動産は安くなります。ただ、金融緩和で市場に資金が溢れ、円安で外貨が流入しやすい環境であれば、競合の激しい不動産の価格は高くなります。

2.路線価だけではほとんど何もわからない

路線価が示しているのはその道路沿いの標準的な面積と形状の更地の価格です。高層の事務所が標準的な地域なら500㎡前後の整形の土地でしょう。その路線沿いの5,000㎡の土地ならタワーマンションが建てられるので、500㎡の土地の5割増しの単価でもすぐ売れてしまいます。100㎡の土地だとエレベータのない5階建くらいの事務所しか建てられませんから、3割引くらいの単価でしか売れません

3.建物が土地の価格を決める

その地域にふさわしい用途でその土地の建築制限の範囲で最大の床面積の新築建物が建った状態が最有効使用であって、土地の価格も建物の価格も最大になります。
商業地域に住宅や倉庫や工場のような建物が建っていると、安い賃料でしか貸せないので、土地の価格も建物の価格も安くなります。建物を建て替えようと考えたなら、更地の土地価格から建物の取り壊し費用を控除した価格で買いたいと考えます。

4.地域の将来の姿が不動産の価格を決める

不動産の価値はその不動産が将来獲得しうる収益の現在価値の総和で決まります。これが不動産鑑定評価の収益価格です。投資目的で不動産を買う人は、この収益価格に着目して購入価格を判断します。商業地へと変化してゆく住宅地の不動産の、賃単価は徐々に上昇していきますから、その分だけ高い収益価格が見込めます。反対に寂れていきそうな商業地域の不動産の、賃料単価は下落していきます。

5.人口が減少すれば宅地の価格は下がる

土地は林地、農地、宅地に大別されますが、不動産の価格といえば人の生活の場として使われる宅地を思い浮かべます。かつて日本の人口が増え続けていた頃は、宅地需要も拡大し続けていて、土地(宅地)の価格は絶対に下がらないという「土地神話」が信じられていたのですが、人口が減少しはじめたので宅地の需要は減退し、土地の価格は下がり始めました。

6.不動産の価格は何故上がるのか

少子高齢化の日本では不動産の価格は徐々に下がり続けるはずなのに、上がり続けている不動産もあります。それはその不動産に需要が集中しているからです。人や資金が流入し続ける限り、東京の不動産や銀座や丸の内の不動産の価格だけは、日本全体の不動産が下がり続けても上がり続けます。

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