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未知への渇望

大学生ではじめて買ってもらった車。

カセットテープでビートルズを大音量で流し、覚えたてのタバコを咥え、夜の街をドライブする。


それだけで、高揚感を感じていた。


友人や女性を助手席に、海に行き、山に行き夜景を見た。

ドキドキしながらなるべく平静を保ちながら、首都高にも乗った。


いつも新しいことに興奮していた。


人生は未知に溢れている。

はじめての仕事、食べたことのない食事、きれいな景色、出会ったことのない考え方の人達。


溢れる期待。興奮。

知らないからどうなるか分からない。

分からない不安とそれを乗り越える喜び。

小さな子供がそうであるように、僕たちは新しい発見を積み重ねて生きていく。


ビジネスで起業し、挑戦を繰り返して50を過ぎた。


食べたことのないものは滅多にお目にかからなくなった。

出会う人の考えは、だいたい想像の範疇から出なくなった。

世界中を旅した。今ではレッテルを貼りながらその国を分析している自分に気付く。


あらゆる事が予測できること。

社会を器用に生きていくには重宝する力だ。

その力があるから今の自分がいる。


でもその事で失われているものに気付く。


未知への渇望


新しい発見は心を動かし、変化をもたらす。そして新しいことを学び成長する喜び。


新しい発見がなくなっていく。


挑戦したことのない新たな環境に身をおかなければ。

もっともっと挑戦を。

なんて声も聞こえてくる。


人生後半戦。もしかしたら

未知という定義を見直してみてもよいのかもしれない。


きれいに掃除された神社

創りての祈りが感じられる食事

相手のことを深く思いやった仕事


そこに溢れる人の祈り。

自然と歴史が紡いできたもの。


目に見えないものが見えるようになってきたように思う。


未知な自分の感性とと出会うようになってきた。


世界は目に見えないたくさんの祈りでできている。

悲しいことや辛いことが起きても、僕たちは観ることを選択をできる。


そんな事を考える未知なる自分と出会い続ける。


人生は面白い。


サポートは恩送りします!