遅れたスタートダッシュも持ち前の探求心でカバー! プログラマーの志望 柴田祐希氏にインタビュー!
学生クリエイターにフォーカスしたインタビュー企画!
― 学生クリエイターがどんなことを考えて、何に熱中しているのか。―
今回は総合学園ヒューマンアカデミーに通う柴田祐希さんにインタビューを行いました。
大学を卒業後に専門学校へ入学した柴田さんはどんな思いでゲーム業界を目指すのでしょうか。
新しいことにチャレンジして作品に取り入れる
― 自己紹介をお願いします。
柴田:総合学園ヒューマンアカデミー プログラマー専攻の柴田祐希です。よろしくお願いします。
― いまどんなことに取り組んでいますか。
柴田:日本ゲーム大賞アマチュア部門に応募するために学校でチームを組んで、今まさに作っています。
― 今それぞれがお家で作ってるような感じですか。
柴田:はい、リモートワークでやっていますね。今までで1番手ごたえはあるかなって思います。
― 今作っているゲームでは主にどういうこと担当していますか。
柴田:今作っているゲームは、蹴落とし合いながらレースをする2 D のランゲームを作っています。基本のシステム部分はみんなでやっています。今回のゲーム大賞のテーマが特殊で、ある音から連想されるものでゲームを作ってねというテーマでした。僕たちのチームはその音から雨を連想して傘を使ったレースゲームを作ろうとしています。傘の柄を手すりに引っ掛けて滑走するようなアクション部分やGoogleスプレッドシートからデータ読み込んだり、色々やりました。
― そのゲームで力を入れているところで自分の力が発揮できている所はどんなところですか。
柴田:頑張ったというか、自分なりに「ヨシ!」と思ったのは、どんどん新しいことをやれるようになっているのが、すごく自分の中で嬉しいですね 。
― 新しい技術が身についているということかな。
柴田:そうですね。プロの人から見たら全然大したじゃことないと思いますが、例えばシェーダー使ってキャラの周りに1P 2Pとかが分かるような縁取りつけたり、Googleスプレッドシートで変更したデータを直接読み込めるようにしたり、そういったことは前回の学校のチーム制作では「できたらいいけどできるはずないな」と思っていたことでした。今回いざゲームに取り入れたいと思ってちゃんと勉強して形にできたのはすごく嬉しいです。
― 今まででどれくらいゲームを作りましたか。
柴田:全部チーム制作でちゃんと出来たのは4本です。ゲームショウなどには全然出していなくて。学校の中で、他のグループの人たちと見せ合うぐらいでした。
― 学校の中だけではなく、他の学校の人とも制作物を見せ合ったりすることは興味ありますか。
柴田:はい、あります。自分の作品を見せたいというよりかは、みんながどんな作品を作っているかすごく興味があるので見たいですね。
出来るようになったときの喜びは格別
― 今まででつらかったことを教えてください。
柴田:辛かったことは、僕は大学を卒業した後に専門学校に入学したので、プログラマー専攻では1番歳上でした。入学当初の技術的なスタートラインはみんな一緒なので、年齢は皆より上なのに技術力が一緒というのが結構きつくて。それから1日中プログラミングやっていられるような友だちはどんどんスキルが伸びていくし、焦りがありました。
― どうやって乗り越えましたか。
柴田:ここまで来たのでもう後には引けないと思って、とにかくがむしゃらに頑張っていたら、徐々に勉強すること自体が楽しくなってきたんです。ただプログラミングの世界って、勉強すればするほどプロの人達の偉大さやプログラムの奥深さを知ってそこにまた絶望するんですが、新しいゲームを作るときに、取り入れたい技術を知って、少しずつ自分が進歩しているのを感じられるのが楽しくて。今も他の人より頑張らなきゃって気持ちはありますが、それが苦痛じゃなくなっている感じがしています。乗り越えたのかどうかは分からないですが楽しくはなってきました!
― 作品を作っていてどんなときが楽しいですか。
柴田:僕はプログラマーなので、プランナーさんから「こういう動きをして欲しい、こういうふうにして欲しい」と頼まれることがあります。最初は全然うまくいかないですが、それがちょっとずつ進歩して形になったときが楽しいです。嬉しい楽しいって感じです。
― 難しければ難しいほどって感じですか。
柴田:あまり難しいと途中で気持ちが折れそうになりますが、この世にはゲームがたくさんあって、ゲームエンジンの力も借りてるので、できないことはそんなにないんだろうなって思っています。そのなかで自分ができないのが悔しいからできるまでとことんやって、できたときが1番嬉しい。心が折れそうになりますが、できたときの嬉しい気持ちも大きいです。
非日常を味わうこと
― 趣味でありえないくらい突き詰めているものについて語ってください。
柴田:1番好きなゲームは『ダンガンロンパ』のシリーズで、それが1番好きですね。
― 何回も遊べるゲームですか。
柴田:僕はどちらかというと同じ作品を何周もやるタイプではなく、ストーリーを楽しむタイプなので、1周しか遊ばないんですが、記憶を消して何回もやりたいと思えるゲームです。
― 他にも似たような謎解きゲームがあるじゃないですか、それとは全然違いますか。
柴田:全然違いますね。1番違うと思うのはストーリーがすごくしっかりしていて、ゲーム的な部分でいうと、なんかいろんなジャンルのゲームが詰め込まれている感じなんですよね。説明が難しいですが、ゲームの進め方が他にない感じがします。
― どうやって進めるんですか。
柴田:基本はアドベンチャーゲームみたいにキャラの会話で進んでいきます。日常パートと非日常パートという2つのパートに分かれていて、日常パートはキャラと仲良くなるパートですが、非日常パートでは殺人事件が起きて犯人を探します。そのパートではアクション要素やちょっとしたシューティング要素などのミニゲームが挟み込まれるんです。
― 謎解きとかミステリーとかが好きなんですか。
柴田:そうですね。伏線が撒かれていくのが好きなんですよね。最後全部繋がる瞬間が本当に好きで。
― ゲームをクリアした後はどんなことをしますか。リアルイベントに参加したり創作を見たりとか。
柴田:どっちかといえば考察をします。他の人がどんなふうにこの作品を見ているんだろうって。自分の妹にもゲームで遊んでもらって、妹と考察しあったりしていますね。
― 『ダンガンロンパ』の魅力ってどんなところですか。
柴田:1つは純粋にストーリーが面白いのと、世界観がすごく好きです。どうやったらこういうのを考えているんだろうみたいな、ゲームシステムもそうですが。非日常が好きなのかもしれないです。
― なるほど!
柴田:僕は他人の人生に興味があるんだと思います。
― ああ~わかります。
柴田:RPGは主人公を中心に物語が描かれていきますが、どちらかというと登場するキャラクター1人1人のバックボーンがすごく好きですね。
― ザ・ノンフィクションは好きですか。
柴田:ああ!好きです好きです! そういう、自分と違う人生に興味があります。すごく好きだなって思うのは、それぞれの決戦前夜が描かれるシーンがあるんですが、それぞれの考えを見れるのが大好きです。
人間として強くなりたい
― 将来はどういうふうになりたいとかありますか?
柴田:具体的にどういう職種とかどういう地位になりたいとかそういうのはないですが、とにかく自分で自分を認められるようになりたくて、心が折れそうになったときは強くなりたいっていつも思うんです。人間として強くなりたいみたいな。
― こういうゲームを作りたいとかありますか。
柴田:ゲームで現実世界を再現するようなのが、すごいなぁって思っています。最近は『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』を遊んだときに、町に住んでいる住人や、自然を感じる風や雪玉を転がしたら大きくなるとか、1つの世界をゲームとして作り上げるのにすごく興味があります。
― 『ゼルダ』の世界がリアルと感じるのはどんなところですか。
柴田:ファンタジーの世界でありつつも、いろいろ物理法則が現実世界に則っていたり、あとは時間帯によって住人の行動が違ったり、細かいところまで世界として作り上げられている感じがすごいですね。本当にそこで暮らしていけそうなぐらい作り込まれていて、本当にすごいなと思いました。
― 最後に自己PRをお願いします。
柴田:1つは負けず嫌いなところです。良いところでもあり悪いところでもありますが、他の人と自分を比べてしまいます。でも、他の人がすごいから自分はもうダメだとはならず、どうにかして追いついたり越えてやろうという気持ちが強いです。あとは知的好奇心も強くて、いいゲームを作るためには例えばこういうシステムがあったらいいなと考えて、そのシステムを成り立たせるにはどういう技術が必要なんだろうというふうに、好きなことに対してはどんどん深掘りしていけます。
― いいですね。
柴田:頑張るなら好きなことだなと思ってこのゲームのプログラマーの世界に入ってきたんで、今はちょっとスタートダッシュが遅れちゃったんですけど、頑張れてるっていうのがすごい、今生きてるなっていう感じがしています!
― ありがとうございます!
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