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幅広く学びたくてゲーム学科に、今ではゲームを作りたくて仕方がない! デザイナー志望 阿部聡実氏にインタビュー!

学生クリエイターにフォーカスしたインタビュー企画!
― 学生クリエイターがどんなことを考えて、何に熱中しているのか。―

今回は東京工芸大学に通う阿部聡実さんにインタビューを行いました。
阿部さんはどんな思いでゲーム業界を目指すのでしょうか。


ゲームを作りたいと思ったきっかけ

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― 自己紹介をお願いします。

阿部:阿部聡実です。東京工芸大学の芸術学部ゲーム学科の4年生です。今はゲーム制作をしているゼミに入っていて、卒業制作で1本ゲームを作ろうとしています。

― いつからゲーム業界に行きたいなと思いましたか。

阿部:きっかけは大学に入ってからですね。もともと高校ではマシンクラフト科という、工業系みたいでデザイン寄りの学校でプロダクトデザインをやっていました。でも将来やりたいことはプロダクトデザインじゃないなと思い、メディア系を考えて今の大学を見つけました。1番幅広くいろんなことをできるのがゲーム学科だなと思って、ゲーム学科に入りました。

― そういう選び方もあるんですね。

阿部:そもそもゲームをやりたいからゲーム学科に入ったというわけではないですが、ゲーム業界を目指している人や、ゲーム業界のレジェンド的な先生達と話しているうちに「ゲーム作りたいな」って思うようになりました。

― 今まで受賞経験はありますか。

阿部:賞はまだ取ったことがないですが、3年生の時に日本ゲーム大賞アマチュア部門と、福岡ゲームコンテストに参加しました。

― そのときは何を担当しましたか。

阿部:ゲーム大賞のほうはキャラクターデザインとキャラクターのモデリング、モーションをメインに担当して、福岡ゲームコンテストのほうはデザイナーが1人だったのでデザイン面全部やりました。

― それぞれどのくらいの時間をかけて作ったんですか。

阿部:半年もないくらいですね。4ヶ月か5ヶ月かそのくらいです。

― 結構大変でしたか。

阿部:大変でした。企画を考えるところから含めて4ヶ月5ヶ月くらいの期間しかありませんでした。そこからデザインも決めて作って、プログラムも組み込むのも最大で10人ぐらいのチームでやっていたので、なかなか大変でした。

― 今まで作ったゲームは全部でどのくらいありますか。

阿部:私は大学に入ってからゲームを作り始めたので、今作っているのを含めたら4本です。

― 具体的にはどういうゲームですか。

阿部:1つ目は授業で、パソコンで遊べる2人対戦のアクションゲームを作りました。2つ目が日本ゲーム大賞に向けて作ったスマートフォン向けの横スクロールアクションを作りました。3つ目は福岡ゲームコンテストに向けてVRのワイヤーアクションゲームを作りました。今作っているのはKinectセンサーを使ったパズルアクションゲームを作っています。

― 今まで作った中で、1番自信のある作業はどこだと思いますか。

阿部:これが気に入っているっというのはあんまりないかもしれないです。現在進行形で自分のスキルを伸ばしているという感じなので、今まで作ったものを見ると「よくできたな」と思うよりも「ここもっとこうできたな」というのが勝っちゃいます。やっぱり過去の自分の作品の粗ばっかりに目がいってしまいます。

― 褒められたりとかはしないですか。これすごいよかったねみたいな。

阿部:日本ゲーム大賞向けに作ったスマートフォンのゲームで、全体の雰囲気を私が割と中心で決めていけて、その全体を含めて「なんか雰囲気いいね」と言ってくれた人がいたので、それは嬉しいです。

― 今までのゲームを作っている経験の中でつらかったことはありますか。

阿部:チームで作っているので、やり取りがうまくいかなかったことですね。それぞれ自分の作業があるので、みんな忙しくなっちゃってコミュニケーションが取れなかったりしたときは大変だったなって思いました。

― なにか解決法とかみんなで話したりとかはないですか。

阿部:週に1回以上全員で話し合う時間を設けることと、私は積極的に他の人の様子を見て話しかけたりするようにしています。

― 良くなっていますか。

阿部:良くはなっていると思います。みんな忙しそうにしているから話しかけづらいというのがみんな思っていました。自分から行かないとコミュニケーションのきっかけがなくなってしまうので、そこで自分から話しに行けてきっかけになれているので、良くはなっているかなって思います。

テクスチャは質感にこだわって手描きをする

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― 作品作りで熱中しちゃうところってどんなところですか。

阿部:自分の考えたキャラクターを、3Dで格好よくとか可愛く作れているなって思うときが1番楽しいです。

― それは自分の独自のアイデアやデザインが反映されたときという感じですか。

阿部: 3Dなので2Dとは違っていろんな角度から見て形ができていなきゃだめじゃないですか。それができている時に「ああ…いいな」って、自分で自分の作品をくるくるくるくる回しながら思います。

― どういう感じの作風が好きですか。

阿部:あまりリアル寄りではなく、アニメ調のキャラクターとかを作るのが好きです。

― 背景よりはキャラクターの方が、という感じですか。

阿部:そうですね。でも最近は背景を作るのもすごく楽しくって。VRチャットを最近よくやっているんですが、そこに自分のワールドを作りたいなって思うようになって、今は背景の制作もよくやってます。

― 背景を作るのはどの辺りが大変ですか。

阿部:テクスチャとか描く時が1番大変ですね。質感をどうやったら出せるかなとか。テクスチャをSubstancePainterとかを使わずに自分で1個1個手描きをしています。テクスチャを描くのにも画力がすごく必要だなって思います。自分のスキル不足を本当に今は実感しています。

― 自分で1個ずつ手描きをしているのは、力をつけるためにということですか。

阿部:そうですね。SubstancePainterもすごいのはわかるし、ゲームの現場でも使っているのもわかるんですが、それをやる前に自分で基礎がないと駄目だよなというのは思っているので自分で描くようにしています。

海外作品は翻訳しながらでも遊ぶ

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― めちゃくちゃハマっているものについて語ってください。

阿部:ゲーム以外だとなんだろうなあ…最近はよくYouTubeを見ています。去年くらいからVTuberにハマってからずっと見ていて、個人でやっている方は本当に自由で、自分のやりたいことを前面に出しているのが、すごく羨ましいし見ていて楽しいなって感じます。

― どういうのを見ているんですか。

阿部:企業の方だと『MonsterZ MATE(モンスターズメイト)』っていう2人組のVTuberユニットの人たちや、『銀河アリス』をよく見ています。個人の方だと『IURA TOI』という方で、曲や短い雑談動画を出しているんですが、話のテンポとかがすごく良くって、見ていて楽しいなって思います。

― ラジオ感覚で見ている感じですか。

阿部:そうですね。再生リストがあるので、それをずっと流しながら横でカタカタ作業する感じです。話が上手い人を見るのが好きなので見ちゃいます。

― どういう風にVtuberの人を探すんですか。

阿部:同じ人を見ることもありますが、個人でやっている方なのでSNSやTwitterで宣伝をやっていたりします。そのTwitterで繋がっている方がその人と同じような動画を出している人だったりして、そこから芋づる式に見ています。

― なるほど。なんか羨ましいな、みたいな感じで見ているんですか。好きなことを喋って、面白くて、いいなみたいな感じですか。

阿部:羨ましいというのもありますが、人が自分の好きを全面に出しているものを見るのがやっぱり楽しくって、あとは3D技術を使っているので、そこもデザイナーとして見ていてすごいなーとか面白いなって思うポイントですね。

― 1番好きなゲームの魅力を語ってください。

阿部:1番好きなゲームはアトラスさんの『デビルサバイバー2』がすごく好きです。『女神転生』の派生作品で、自分の選択でエンディングが分岐するんですが、自分が選ぶという体験がしっかり出来ていてすごく好きです。うまく言えないんですけど。

― 自分はこの作品が好きっていう、他作品との違いはありますか。

阿部:キャラクターがすごく好きなのが大きいです。選択肢によってメインになるキャラがいるんですが、それぞれのキャラが何でこの選択肢を選ぶのかという理由がはっきりしていて「この人の立場ならこれを選ぶのは分かるな」とか、そういうキャラクター性がしっかりしているところが好きなんだと思います。

― デザイン的にも好きな感じですか。

阿部:そうですね。イラストレーターのヤスダスズヒトさんがキャラクターデザインを担当していて、ヤスダスズヒトさんの絵がすごく好きというのもあります。あとは敵のキャラクターデザインが『真・女神転生』シリーズなので金子一馬さんが担当されていて、金子一馬さんのデザインが好きというのもありますね。

― どうして2が好きなんですか。

阿部:ナンバリングタイトルですが話の内容は全然違って。2から遊んだというのも大きいですが、自分で選ぶのが1よりも2の方が感覚的に強くて、そこが好きなんだと思います。

― 最近何のゲームで遊んでいますが。

阿部:最近はSteamのインディーズゲーム『Long Gone Days』という、チリかな? 海外の会社が作っているゲームがあって、それをちょこちょこ遊んでは画面を録画したものを翻訳して、内容を理解してという感じで遊んでいます。

― めっちゃ大変……。

阿部:日本語化されていなくて時間がかかりますが、このゲームは戦場が舞台の物語で、すごく物語性があって、JRPGに近いゲームですね。内容を理解しないと十分遊べないなと思っているので頑張って翻訳しています。

― 1番好きなゲーム以外のコンテンツの魅力を語ってください。

阿部:私は劇団四季が好きです。小学校の頃に授業で『キャッツ』の楽曲を知って、そこからずっと『キャッツ』が見たいって思っていました。最近になってようやく『キャッツ』を見に行けて、それから『ライオンキング』や『アラジン』も見に行ったりしました。やっぱり衣装や舞台のデザインもすごくよくできていて、もうずっと楽しいなって! 曲もすごく好きで、よく聴いてはその舞台の思い出を反芻して楽しんでいます。

― 劇団四季だと『キャッツ』が1番好きなんですか。

阿部:そうですね!思い入れが強くて『キャッツ』がすごく好きですね。

― どうして好きになったんですかね。

阿部:小学校の頃に『スキンブルシャンクス』という猫の曲を知って、そこからどんな舞台なんだろう、どんなミュージカルなんだろうと調べていたら夢中になっていました。

― まだ見たことないものをずっと調べ続けて、夢が膨らんでいく感じですか。

阿部:そんな感じでした。

― ミュージカル全般というわけではなくですか。

阿部:全般ではないですね。舞台として見に行ったことがあるのは劇団四季ぐらいです。ただ小さい頃からディズニーの映画が好きで、ディズニーもミュージカル調の曲なので、ミュージカルという媒体にはよく触れてた気はします。

― 確か地方によってちょっと舞台装置違いますよね。

阿部:違いますね。演目が始まる前も、舞台装置をぐるっと見れて、細かいところを見るのがすごく楽しかったので、もう本当に行った瞬間から楽しい!

2Dもできる3DCGデザイナー

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― 将来はどういうふうになりたいですか。

阿部:デザイナーとして企業に就職してそこで終わりじゃなくて、もっと自分のできることや出来る範囲を増やしていって、最終的には何でも出来るようなデザイナーになりたいなって思っています。

― なんでもというのは具体的にいうと。

阿部:2Dも3Dもちゃんと商品として出せるようなクオリティのものを作れるようになりたいです。

― 何か作りたいゲームや作品はありますか。

阿部:私はJRPGが好きなので、そういう世界観やキャラクター、物語がしっかりあるようなゲーム作りに携わりたいです。

― 自己PRをお願いします。

阿部:今は3Dデザイナーになりたくて3Dをメインにやってるんですけど、もともと幼少期からイラストとか描くのが好きで、ずっと2Dの作品作りを続けてて、なので2Dのスキルを活かした3Dのキャラクターのモデリングをしてます。なので3Dだけじゃなくて、2Dのスキルもあるっていうのが自分の強みかなって思ってます。

― ありがとうございます!


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ゲームクリエイターが生涯現役でいられる世界を目指して、
ノウハウ還流の場やクリエイター同士のコミュニケーション機会など、
クリエイターの生涯活躍を支援する活動をしています。

会社の垣根を越えて、業界全体が協力してクリエイター育成が出来る
仕組みづくりを日々模索しています。
公式HP: https://game.creators-guild.com/

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